「エロイカより愛をこめて」の創りかた

著者 :
  • マガジンハウス
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本棚登録 : 126
レビュー : 23
  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784838715633

感想・レビュー・書評

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  • ロバートプラント似の 伯爵の謎が解けた

  • エロイカファンなら必読だと思います。
    創作に関する話から作者の子供時代の話まで多岐に渡って楽しませて貰えました。
    少佐と伯爵の創作エピソードも楽しいけれど脇を固める皆様のエピソードが更に楽しかったです。仔熊のミーシャと白クマの若かりし頃に驚き、数ページ後のミスターLと部長の若かりし頃に更に度肝を抜かれました…。年月って残酷。

    以前に比べて本編の発行ペースはスローですがこれからも楽しみに待ちたいです。

  • 先に読んだ『99%失敗しない「ゴルゴ13」流プロフェッショナルの流儀』は、オリジナルを全く知らないまま読みましたが、こちらはオリジナルを所蔵している愛読者であるため、ワクワクしながら読みました。

    「ヨーロッパを舞台にした冒険活劇スパイ・コメディ」とされる、奥深く幅も広いこの物語ができあがるまで、裏側ではどんな努力がなされているのか、とても興味があります。
    著者はオリジナルと同じ青池保子氏。
    きちんとした文章も書ける人だとは。リアルな声が文面から伝わってきます。

    『エロイカより愛をこめて』は、ベートーベンの「エロイカ交響曲」あたりからきているのかと思いきや、007の『ロシアより愛をこめて』のもじりだと知りました。

    「絵はその時その時の感性で描くものだ」と言いながらも、いつも全身像は定規で計って身長を頭長で割り、きっちり8頭身になるように描いているというその几帳面さにびっくり。
    連載開始当初は12頭身だったとのこと。たしかに、以前よりもガッシリした絵になったなと思いますが、リアルに近づいたということなのでしょう。 

    本編でエロイカよりも人気なのがエーベルバッハ少佐。
    読んだ人は「少佐が軍人なのになぜ長髪なのか?」と、必ず一度は疑問を抱きます。
    作者の答えは「理由は簡単、少女漫画だからです」と、とてもシンプルでした。

    当時は、登場人物の後ろ毛一本の動きにもロマンを見出す時代だったとのこと。
    少女マンガたけなわの、夢見る読者たちのために、少佐が髪を切ることは禁じられたようです。

    少女マンガたるべき絶対条件として、髪型にこだわりを見せる著者。
    エロイカの長髪巻き毛を見るたびに、(どれだけ描く手間がかかっているんだろう)と思っていましたが、「伯爵の髪を描くのが面倒くさい時は帽子をかぶせる」という、あっさりした割り切り方も教えてくれました。

    文章から、作者の頭の良さ、勘の良さが伺えます。
    もちろん、軍事専門家の監修あってのストーリーですが、作家が理解できない国際情勢を描くことは不可能なので、複雑に入り組んだ各国の状況に精通していることに驚きます。

    初めは、夢とロマンをいっぱいに盛り込んだストーリーでしたが、すぐにドタバタスパイコミックに転向した本編。
    それが長寿作品として今もなお続いているのですから、その継続パワーに敬服するばかりです。

    政治的背景も取り込まれる、内容が濃いシリーズのため、途中で読むのが途絶えてしまっていますが、制作に向けての作者のたゆまぬ努力とエネルギーを見習って、これからも後追いで読み続けていこうという気になりました。
    本編ファンは一読すべきもの。さらに物語世界への愛着が増すことうけあいです。

  • 「エロイカ」で検索しようとしたら「エロ以下」で検索していた。わあ。ということで、読みはじめてみたら、昔、読んだことがあることに気づいた。いやはや。エロイカは本当によくできた漫画だ。ああ、始めから読み返したいなあ。

  • 漫画家『青池保子』の独創的なスパイアクション漫画『エロイカより愛をこめて』を中心としたエッセイ。



    まず、「おお!懐かしい」
    あの少女マンガの中にあって異彩を放つ絵とストーリー、個性的な面々、中でも堅物の少佐(なぜか金八先生ばりの長髪)のカッコ良さ。
    そう言えば、あの衝撃的な背徳感漂う一作目は、私が出会った初のBL風作品ではなかっただろうか?でもその後は、あれよあれよと言う間にスパイコメディー路線になってしまった気もしますが。
    「エロイカ-」と名をうってますが、漫画全般的にかかれてました。もっと「エロイカ」の突っ込んだ話を読みたかったな。

  • 小学生のころ母が大好きだった漫画が「エロイカより愛をこめて」だった。あえて漢字で漫画と書くのは、少女マンガにあるまじき女性登場率の低さ!劇画だし。 金髪碧眼のイギリス泥棒貴族(←ホモ)が華麗に画面を舞うはずが、NATOの少佐とKGBのおっさんスパイたちが絡んでハードボイルド・コメディとしてむちゃくちゃ面白くなってしまった… というお話を創作された青池保子の制作裏話と自伝である。 怪しい宗教がかったアシスタントさんが来たときの話とか石像が意思を持つような話を書いたらカッターでぶっすり手を切ったとかは、霊感がないのにホラー体験をしてしまったの、ほらっ!と少女が誇らしげに言うようでほほえましかった。 そうだ、いま書いてて思ったけど写真の彼女は大変かわいらしい。もっとセクシー美女か大女を想像していたので驚いたが、爽やかに何でも笑い飛ばしてしまいそうな雰囲気は十二頭身でかっこいい伯爵たちを描いていて少しも違和感がない。伯爵やジェイムズ君やボーナム君がロック・グループから生まれたなんて…イメージぴったり。ふふっ。私はハレルヤ・エクスプレスのころの絵が好きなので、それと重ねてます。 中学生のときマンガ家へのファンレターに添えた作品がその人の目にとまり、雑誌に短編を描いたのがプレデビューだったとか。そのマンガ家が当時すでにカリスマ作家だった水野英子。そのときは舞い上がってたいしたものが描けなかったそうだけれど、『イブの息子たち』以後の活躍を見越していたとすればさすが…天才は天才を知るってことね!

  • 発売から5年経った今、本屋で出会って買いました。
    面白かった~。
    内容はもちろんなんですが、
    青池保子先生のお人柄がわかる気がします。
    明るい方だなぁ。
    うるさくて傍若無人な明るさじゃなくて、
    明朗で明晰で知的でユーモアがある人物像が浮かびます。
    なんだ、まさしく(少佐+伯爵)÷2!

  • エロイカを昭和的画風の少女漫画と侮っている方々は、損をしている。エロイカでは政治、美術、宗教などの欧州文化が楽しく学べるのだ(おまけにちょっと軍事も)。

    冷戦をこれで学んだ身でありながら、冷戦後の展開がどのようになったのか気になったまま未読なのだが、これを読んで最初からまた読み返したくなった。

    特にビザンチン学者の発掘チームとのやりとりやドイツ軍雑誌「Y.」への掲載話は感動的!

  • この本の想定される読者は、以下のようになるだろう。(想定読者人数順)
    1. 「エロイカより愛をこめて」ファン
    2. 漫画家志望者、漫画家
    3. 漫画/出版研究者また出版業界人

    もちろん、これらの複数を兼ねる読者もいるだろう。
    そしてこの本は、これらすべての読者の興味に応える内容になっている。

    私はもちろん1。
    秋田文庫版1~19まで読んで、これ以上、様々な推量を行わず、この本を読んでしまえば、私の頭に浮かんだ疑問の多くに解答が得られるのではないかと思った。
    ここで話がこう変わってきたのは、なぜ?
    絵が変わったのはなぜ?
    青池保子の西洋美術の造詣は、どうやって深めたの?
    青池保子は海外事情は、どう収集して、どう捉えているの?
    物語の調子が変わったのは、こういうこと?
    この話は、こういう取材をして書いたのでは?
    等々

    期待したとおり、これらの疑問のほとんどの解が、この本にある。
    また書名に忠実で、一話を作るための、着想から完成までの流れややり方が原稿コピー等用い、細かく示されている。カラー原稿の書き方もこと細かく書かれている。インクや紙など画材の記述にまで及ぶほど。
    アシスタントたちとの共同作業の記載もあるから、アシから始めたい漫画家志望者にも興味深い内容だろう。

    アシは女性だけのもよう。火器、兵器の登場が少なくないから、男性のアシもいるのかと、思ったが。

  • 面白かった〜〜〜!!\(^o^)/「エロイカより愛をこめて」の創作秘話です。キャラ設定の取っとき裏話やら、時代背景、そして、何よりも、アシさんに渡す前の原稿と、その後が見開きで提示されているという贅沢さ。そっかぁ、青池先生は、登場人物の顔はしっかり描きこまれてから背景・その他の仕上げをしてもらうのね。(そして最後に少佐の黒髪を御自身で。)また、プロットを編集者と打ち合わせして、その後シナリオに、そして絵コンテ(いわゆるネーム、ですね)、完成原稿となるまでの過程も実物をそのまま見せてくれるんですもの、もう、楽しくてたまりませんでした。意外だったのは、少女フレンド時代、アンケートで上位に行けなくて段々編集者が冷たくなっていく、という過去。私、少女フレンド時代の青池先生好きだったけどなぁ。でも、あの当時は、「サインはV]とか、ちばてつや先生「みそっかす」とか、「金メダルへのターン」とか、楳図先生の「へび少女」とか「赤んぼ少女」とか、人気シリーズが多かったから、青池先生の印象は薄かったのかも。(私もそういえば順番的に一番ではなかったような。だいたい青池先生の連載の題名が思い出せないし。)その後、プリンセスに移って、「イブの息子たち」で、すっごぉ〜〜〜く面白い、って感じたんだった。青池先生の頭の中って絶妙に変!って大学生時代に思ってた・・・。大島弓子・おおやちき・樹村みのり各先生方との「一晩でできた」コラボ作品が巻末にあるのも嬉しい。みんなで白い原稿用紙に好きに描きこんでできたそうですけど、これはもうお宝ですね。(#^.^#)文庫も出ているけど、買うんだったらこの版だろうなぁ。図書館にこの本を入れてくれた司書さんに感謝しつつも・・・欲しい・・・。

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