- Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
- / ISBN・EAN: 9784838717415
感想・レビュー・書評
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ファーマータナカの本棚「人妻魂」。
読書の秋の到来だ。
文豪の文豪たる所以は(人)妻にあり!?
純文学の真髄に到達したいとする崇高な欲求に、人妻の研究は避けて通れないと見た。
帯には目眩(くるめ)く単語が並ぶ…。
「人妻→嫉妬→官能→不倫→離婚→再婚→流浪→淫乱→堕落→覚醒→心中→自立→遊蕩→熟成→昼寝。
人妻はやっぱりステキです。
漱石、鷗外、鏡花、芥川、安吾の妻、そして白秋の三人の妻、さらには与謝野晶子、平塚らいてう、林芙美子から幸田文、武田百合子まで、明治大正昭和を彩る人妻の波瀾万丈の人生。」
悪妻を持つオヤジは少し気が楽になり、悪妻本人が読めば「このままでいいのだ」と自信がつく(つかんでよろしい)という効用もある。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
とにかく面白くて、一気読み。嵐山光三郎氏は私が好きだった雑誌「太陽」の編集をしていたということもあり、気になる人だ。講演も聞いたことがある。アシベとかの音楽の舞台のあるカフェようなところの話になって、そこの楽屋で人気歌手が、ファンの女の子に、うんぬんという「実話もの」のような話があって、とても面白いのだが、それだけひょっとして、サービスではないかと思った。だから、ここに出て来る大作家、歌人、革命家の奥さんたちの話にも、嵐山氏のサービス精神による脚色があるのではないかと、思ってしまうほど面白い。藤村は若き学生の時、好きだったのだが、大久保に出て来て、栄養失調で、3人の娘を死なせ、奥さんまでま目を悪して、死なせている。それでも文化勲章か、と思っていたら、二番目の奥さんには、手玉に取られていた。そうでなくては、な、と
ちょっと思ってしまった。平凡にしか生きられないひがみかな。 -
歴史の人物を支えた人妻や狂わした人妻。なかなか面白い
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漱石、鏡花、芥川といった文豪の妻、与謝野晶子、平塚らいてうまで、古今東西の人妻53名を紹介。
時に貞淑に、時にしなやかに、時に奔放にと姿を変える女たちに女ながら惚れ惚れした。最初は自分の意見も言い出せないような物静かな女性が、夫の裏切りや死別などをきっかけに生き抜くために強さを身に付け、立ち上がる姿は見ていて清々しい。紹介されているような波乱万丈な人生は避けたいところだけれど、その潔い生きざまに何故か羨ましさすら感じた。
嵐山さんのユーモア満載な表現で終始飽きさせません。
にっぽんの女は逞しい。人妻万歳。 -
明治大正の人妻たちの奔放列伝。離婚を繰り返したり、子供をたくさん生んだり、やたら死んだり、今って世の中大分変わったんだなあ、としみじみしました。
一個一個が濃すぎるエピソードで、恐らくひとりでそれぞれひと小説になっているくらいの話を、これくらいの量でぽんぽん紹介する形式は、変に人妻たちの情念なんかに同調せずに済むので良いです。
この本で物足りなかったらそれぞれの細かい話を調べてみたら、連続ドラマができるかも。 -
読みやすいし、
もっと知りたくなる人がいる -
男性目線が強めで挑発風なのは、取り上げている女性達に対して力負けしないようになのかな、と。
この挑発風ゆえ、短くまとめられた文章の中でも、人妻たち一人一人の生命力が存分に伝わってくるように感じました。おすすめ。 -
明治・大正・昭和の人妻史。
文豪を支えた妻のお話が多いですが、男を渡り歩いた魔性の人妻のお話もあります。
この時代ではさぞやセンセーショナルやったやろうなぁ。。。
添えられているイラストでも雰囲気は掴めるけど、写真を載せてほしかったな~。。 -
明治から戦前ぐらいまでの、主に女性作家や作家の奥さんの行状記。
みんなしたたかだったんですなあ。
アイデンティティ論で切っても、メディア論で切ってもいいけど、
なんか作者の嵐山光三郎がノリノリで、楽しんで書いているというか、
べつに押さえた文面なんだけど、何とも言えない人妻愛がにじみ出ている感じがして、
そこが爽やかな読書感。 -
いまもこういうのに出て来るような迫力のある人妻いるんだろうか、いるんだろうなあ…