さようなら窓

著者 :
  • マガジンハウス
3.38
  • (9)
  • (25)
  • (47)
  • (4)
  • (3)
本棚登録 : 164
感想 : 31
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784838718573

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • かわいい2人。
    ちょっと不思議。いとの森の家 の話も出てくる。なんかいいなぁ。ゆうちゃんみたいな人好きだなあと思いながら読んだ。でも、最後は涙が出た。切ない。

  • 「考えすぎなんだな、と思う。なんにつけても。考えすぎるところが、自分でもとても嫌なのに、自分の嫌なところをこうやってまた、考えすぎている。ああ嫌だ」

    この部分が、この主人公の性格を良く表していると思った。ちょっと傷つきやすくて、考えすぎで、脆くて、弱くて……。主人公は、20歳の大学生。私と年齢が近いからか、共感できるとこも沢山あった。でも少し、弱すぎる。最初はそう思っていた。

    だけど最後まで読んで、“弱くて脆くて一人じゃいきていけない”というのは、思いこみだったんだと気づいた。主人公自身が自分は駄目だと思いこんでいたと思うし、一緒にくらしていた、「ゆうちゃん」もそう思っていて、だから、一人じゃいきていけないような錯覚に陥ってしまったのだ。

    最後、とても切なくなるけれど、悲しいだけじゃなく、前向きになれるお話だと思う。

    美容師のゆうちゃんがとにかく優しくて素敵だった。最後までほんとーに優しい!全部とおして空気が切なくて優しいお話だった。

    東直子さん、はじめて読んだけど別のも読んでみたいなー。

  • 久しぶりに自分が好きな感じの本に出会った。あったかい気持ちになった。

  • さびしいから、
    1人では心細いから、
    もたれかかり合うだけの関係は
    恋愛ではないのですね。

    お互いがお互いを拠り所としている間にしか成り立たない。
    どちらかが1人で進んで行こうとしたときに、破綻が訪れてしまう。

    恋愛というより
    休息期間が必要だった2人の
    シェルターのような関係だったのではないかと思う。

    抜け出せる日が来て、よかったね。
    他の誰とも共有できない、どこよりもあたたかかったはずの場所は、きっといつまでも懐かしく思い出し続けるだろうけれど、それは歩いていくための力になっていくのでしょう。

    ふんわり、ほっこり、少しだけちくりとする物語でした。

  • ぬるま湯に浸かっているみたいな感覚になる。現代の女の子の理想はこんな感じの男の子との恋愛なのかもなあ

  • 中盤まではぬるま湯に使っているような、夢見心地な雰囲気をまといつつ進行。
    最後のほうで、がらりと変わった。
    二人は大人になる前のサナギ期間を、過ごしていたんじゃないかなぁ。
    誰からも攻撃されなくて、責任もない、二人だけの世界。
    そんな時期も、人生に一度くらいあるんだと思う。

  • 図書館で借りた。P221

    表紙の淡いイラストにひかれて
    借りた初めての「東 直子」作品

    一緒に暮らす恋人同士。

    不思議なおとぎ話のようなお互いの体験を
    語りながら支えあっている二人。

    そして自立に向かって頑張っていくお話。

  • これもほわほわしてるのに、どっかでぐっと掴まれて話してくれない感じの作品。話し言葉のような言葉の並べ方なのに、どこか流れていく感覚があって、その指の間をすり抜けていく感じが心地良い。詩みたい、って思ったら詩人でいらしたのね。


    きいちゃんとゆうちゃん。
    きゅんってするね。くすぐったいね。


    短編だからさらっと読めるし、日常にさって溶けてくれるから、疲れているときとかにおすすめ。こんな安らぎをくれる本って本当に現代人には必要だと思う。
    ちなみに私は「くしゅ」が一番好きです。


    安らぎをくれるけれど、本の中に読者を閉じ込めることなく、最後にしっかり日常に送り出してくれる結びがとても魅力的だと感じました。

    すき。


    最近文庫が出たんだけど、珍しく文庫の表紙の方が気に入りました。よく世界観が出てると思う。

  • ファンタジーっぽくもあり、恋愛小説っぽくもあり、自己探求みたいなものもあって。。。
    。。。。どちらかひとつにして欲しい。。
    単細胞の私の頭ではあれこれ考えるのは無理がある。
    結局は主人公が自立して甘やかしてくれる彼の元を離れる話だったのだけど。。
    (ねたばれすみません)
    全体がぱっとしなくてたんたんとしてて。。
    こんな感じの小説も最近多いな〜インストールぐらいからかな?
    やっぱりはらはらどきどきの推理小説やホラーが好きなだなぁ。。。。
    (じゃあ読むなよっ)。。。たまに読みたくなるのよね〜恋愛物

  • 注目している作家さん。歌人でもある。

    ゆうちゃんときぃちゃんって恋人同士のお話。
    だからってべたべたの恋愛小説でなくて
    精神が少し不安定で中々眠れないきぃちゃんに
    美容師のゆうちゃんが話してくれる不思議な話や
    二人が出会う不思議な人のお話が短編になって
    全体としてひとつの長いお話にまとまっていて読み易い。

    最後はちょっと悲しかったけど、でも全体的に
    ほやほやほかほかとやさしい話だった。
    また思い出して読みかえしたくなると思う。

    リトルモアの雑誌「真夜中」で東さんが書いている
    小説の話が最後のほうで美容室にきたSF作家の
    話として出てきたのが面白かった。
    読者へのちょっとしたいたずらって感じで面白い。

全31件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

歌人、作家。第7回歌壇賞、第31回坪田譲治文学賞(『いとの森の家』)を受賞。歌集に『春原さんのリコーダー』『青卵』、小説に『とりつくしま』『ひとっこひとり』、エッセイ集に『一緒に生きる』『レモン石鹼泡立てる』、歌書に『短歌の時間』『現代短歌版百人一首』、絵本に『わたしのマントはぼうしつき』(絵・町田尚子)などがある。「東京新聞」などの選歌欄担当。近刊にくどうれいんとの共著『水歌通信』がある。鳥好き。

「2023年 『朝、空が見えます』 で使われていた紹介文から引用しています。」

東直子の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
島本 理生
桜庭 一樹
角田 光代
村上 春樹
瀬尾 まいこ
島本 理生
湊 かなえ
綿矢 りさ
有川 浩
瀬尾 まいこ
近藤 史恵
島本 理生
西 加奈子
伊坂 幸太郎
瀬尾 まいこ
西 加奈子
伊坂 幸太郎
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×