超情報化社会におけるサバイバル術 「いいひと」戦略

著者 :
  • マガジンハウス
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784838724062

作品紹介・あらすじ

「いいひと戦略」とは、21世紀の超情報社会において個人が生き延びる最適戦略です。ネット時代である現代のリスク管理です。いいひとだよ、という評判こそ個人戦略上、最も手堅く強い効果を発揮します。では「いいひと」になるには、どうしたらいいのでしょう?すべて本書の中で回答しています。

感想・レビュー・書評

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  •  とてもいい本だと思う。
     根っからの“いいひと”を自認している自分としては、「自分は“いいひと”ですよ」と前面に押し出してもいいんだ、と背中を押されたような気分。

     もちろん、細かいところを見ればツッコミどころはある。
     筆者はITには疎いらしいので、「それって技術的にどうよ」みたいな部分。

     例えば、“評価経済社会”は、悪意のある評価者がいないというのが前提になると思うのだが、これは実現が極めて困難ではないだろうか。
     例に挙げられている“おてつだいネットワークス”にしても、働き手としての自分の評価が低いと、評価の低い企業にしか採用してもらえなくなり、その場合は「劣悪な環境にくじけることなく明るく働いて、自分の評価を上げるしかありません」と書かれているのだが、そういう評価の低い企業が、そういう働き方を正当に評価してくれるだろうかという疑問を持つ。むしろ、ブラック企業としては、首を切った元従業員の評価をなるべく低くしておいて、そいつの言うことの信憑性を下げることが生き残りのために必須になるわけで、従業員に対してプラスの評価を付けるはずがないと思うのだ。

     また、現代のネットにおける“評価”というのは、Amazonのレビューにしても食べログの口コミにしても、匿名で書けるからこれだけにぎわっているわけだが、同時に評価される側にも廻るということは実名や職歴などを全体公開にしてネット上で行動することが必要で、それは誰にでもできることではない。というか、現時点ではまだリスクのほうが大きい。

  • いいひと戦略、これからの社会で生き抜く一つの方法かもしれません。
    これからの社会では、モテるということが大事なりそうです。そこには自分ならではの魅力が必用となるのでしょう。
    この本にはそんな視点から考えるきっかけの内容か盛り沢山!

  • 現代を生きる上で非常に参考になる本。
    そもそもの世代間ギャップがどうして生じるのか、その中で進めていくにはどうしたら良いのか。

  • YouTubeで岡田さんお番組いくつか見たので。
    という動機。

    内輪盛り上がり感が多少あるが、そういうコミュニティもあるのだ、と。

    さておき本題へ

    ☆実は、お金を持っていても頭がどれだけよかったとしても幸せにはならない
    ☆評価経済社会へ突入…できることやれることこれまでの評価をもとに仕事を得る時代へ…でも体系化されないまでもこれまでの人類の歴史、評価社会だったんだよ
    ☆地方に住む新聞配達のスゴイ人、達磨さんの例
    ☆表面的ないい人でいい。
    裏を返すと嫌な人にならなければいい

  • 本当のいいひとになるのではなく、いいひとの仮面を被ることが必要というのは、これからの評価社会を生きる上で大事。
    結果として、いいひとに自然となる気もする。

  • 【この本で得た気付きBEST3】
    1 評価経済社会では人の評価が力を持つようになる
    2評価が力を持った社会ではイイ人が評価高くなる
    3 いい人戦略は現代の武道である
    武道だから練習が必要だし、本当の中身はいい人でなくても大丈夫

    【気付きから得たTODO】
    1Twitterで気になる人のフォロー、フォローバックを増やす
    2Twitterで積極的にRTや共感や褒めのコメントを書く
    3良い事をしたらTwitterに投稿する

  • 面白うございました。

  • タイトルからどんないいひと理論が展開されるかと思っていたが、ソーシャルがこれだけ普及してきている現代においては、ネチケットに近い内容だと思う。
    ここに書かれている点に注意していいひとというキャラクターを演じられれば、楽しい時代が待っている気がする。

  • 『いいひと戦略』のなかで岡田斗司夫さんが使っている「いいひと」とこの本を読み終えた後の現在でも、自分のなかで幼い時から培われてきた「いいひと」の概念はどうしてもひとつにならない。もともと、タイトルの『「いいひと」戦略』の二つの名詞(「いいひと」と「戦略」)のコンビネーションの悪さに、いままでこの本を手にとるのを控えていた節があったようだ。
    この本を読むことによって私の「いいひと」に岡田斗司夫さんの伝えたい「いいひと」が上書きされれば、と思っていたのだが、最後までそして、読み終えた今でもそうならずに、私のなかで別々に存在している。
    出だしでこう書くと 批判的な感想が待ち構えている雲行きを描くかもしれないけど、そんなことはなく、自分の偏見を超えて、私の作り上げてきた社会の狭さ、柔軟性の無さに気づかせてくれたうえで、これから出現していく社会への適応の作法をしっかりと考えさせてくれる本でした。
    この本のなかでの「いいひと」とは、前提に「社会のなかで居心地の良い環境を築き上げ、そのなかで自分の活躍の場を広げたり、幸福感をより強く味わえるようにしていくために必要な、これからの社会における作法を身につけた人」があるのだと思っています。
    具体的にイメージし易いように、芸能人や、現在の社会で評価されている著名人(有吉、渡部、ホリエモン、勝間和代)などを例に出し、彼、彼女がとっている特徴的な作法を紹介し、それがどのように彼、彼女の「いいひと」度を上げて、それぞれの世界で高い評価を得られているかを説明していくくだりもありますので、読み易く理解し易くなっています。
    そして、この「いいひと」のキモは「自分がして欲しいと思うこと、感じることを相手に(他者に)してあげる
    ということに尽きるそうです。Facebookでフォローされたら、すかさず、こちらからもフォローしてあげる。目を通した”フィード”には必ず”イイネ”を押す、できたら簡単なコメントを添える。こんな小さなことの積み重ねが、周囲に漏れ伝わっていき”じわっ〜”と印象が、評価が上がっていく。 というのです。実際、著名人や頻繁にFacebookに投稿している人のタイムラインを読んでいるとそれ実感できますが、友達数が少ない私なんぞは、海のなかでオシッコした位の感覚で、なんの跳ね返りも実感できないのではないかと想像してしまいます。でも、その行為が「いいひと」への修行なのでしょう。人の見返りを期待しない姿を周囲の人に晒すことがその輪を広げていくのだそうです。意外と勇気がいる修行ですし、時には、周りから叩かれることもあるけれども、それに耐える誠意ある逞しさも周囲の人に見せていかなければならないらしいのです。
    ☆私も岡田さんの描いている将来の社会像にはその期待をもっていますが、資本主義が民主主義を飲み込んでしまうような社会現象を現実に目にしていると、期待と予想は違うところにもたなければという想いもあります。ネットに馴染んだ世界観の若い人々のネットに関わる意識にはどうにも、そこに大きなギャプを見いだしてしまう。20代の人達はものごころついた時にはもう既に、ネット社会に接していて、それとの関わりを持ちながら成長してきている。一方私の世代は、35歳の頃携帯電話に出会い、インターネットに接するようになったのは、その更に後の37か38歳頃だったことを考えると、それらに出会う迄の価値観を大きく背負いながらネット社会に関わっていくことになるので、当然20代の子たちとはネット社会の見え方が違ってきます。つまり、彼等が共通に描いているネット社会のイメージが描けないのです。それが、良いとか悪いとかではなくて、もどかしく感じることが多いのです。こっちは林檎の絵をイメージしているのに、相手は秋刀魚の絵をイメージして共通の「ネット社会」という言葉で語り合っているみたいな感覚なのです。
    だから、おそらく20代の人達には超柔軟な想像力をもつ岡田さんの「いいひと戦略」は案外素直に理解されるのではないかと思われるのです。☆
    そうでした。これを理解するのに不可欠な共通前提があります。それは、岡田さんはこれからの社会は「お金が価値をもち、人と人を結びつけている社会(貨幣経済社会)から、人からの評価が価値を持ち、人と人を結びつけてい社会(評価経済社会)になるし、その現象はもうあらわている」という。だから、その将来社会に備えて、自分の価値観の転換が必要になり、そのための作法を身に着けなければならない。と言っているようです。
    岡田斗司夫さんの本は本当にどの本も読みやすく、後を引くので、次から次へと読みたくなります。そして、すべて根底が繋がっている。様々なメソッドも、”道”を極めるためのハードルの低いところから始められる次世代の教科書のようになっています。だから、『メソッド』という表現がそれぞれのテーマに存在しているが、そのメソッドというマシーンを動かす、夢とかロマンとかがないと、継続して動かせないという宿命は変えられない。それでも、それを支える周囲の仲間、友達の社会があれば、萎えた心を蘇らせることもできるだろうから、それらを築き上げるための作法が大切だよとも受けとれた本でした。

  • 話は分かるが同じようにできるかといえば、、ちょっと無理かなぁ。かなり高度な危機管理ができた上でのオープンマインド(風)なキャラづくり。必要なスキル高杉。下手うったときのリスクが怖くてできないヨ。

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著者プロフィール

1958年大阪府生まれ。通称、オタキング。1984年にアニメ制作会社ガイナックス創業、社長をつとめた後、東京大学非常勤講師に就任、作家・評論家活動をはじめる。立教大学やマサチューセッツ工科大学講師、大阪芸術大学客員教授などを歴任。レコーディング・ダイエットを提唱した『いつまでもデブと思うなよ』(新潮新書)が50万部を超えるベストセラーに。その他、多岐にわたる著作の累計売り上げは250万部を超える。現在はYouTuberとして活動し、チャンネル登録者数は90万人を超える。

「2023年 『誰も知らないジブリアニメの世界』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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