世界から猫が消えたなら

著者 :
  • マガジンハウス
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本棚登録 : 6016
レビュー : 1049
  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784838725021

感想・レビュー・書評

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  • 2013年本屋大賞にノミネートされた本です。

    面白かったけれど・・・
    不思議な本でした。

    30歳の郵便配達員の主人公は突然、余命あとわずかと宣告される。
    その彼の前に現れた悪魔。
    悪魔の提案は寿命を1日延ばすためにこの世界からひとつ存在を消すこと。
    消すことと引き換えの寿命。
    彼の選択は・・・

    何でもあって、便利な世の中。
    そこからひとつずつ「物」を消していくとどうなるのか・・・
    最初に消された電話。 
    「携帯に自分の絆と記憶を完全に任せている」と言う彼。
    私もまさにその通りだ。
    私の記憶にはなく、携帯だけが記憶している番号。
    今、突然、私の携帯が消えてしまったら、それは私の絆が消えることに等しいかも・・・
    恐ろしい・・・。

  • 余命を伸ばすためにひとつずつなにかを消す。
    ひとつ消せば一日のびる。

    余命云々は別にして、消すものを考えてみた。
    携帯とチョコならどっちでもいいなと思う。
    携帯はなくなったらもちろん不便だろうけれど
    それなりにやっていくだろうし
    なんとなくいまよりみんな穏やかになるような気がしないでもない。
    チョコは大好きだけど
    ないならないで過ごしていける(と思う)。

    食べ物でなくなったら困るものってなんだろう。
    お米とかパンとか・・・
    パンがなくなるってことは粉の類もなくなるってこと?
    そりゃそうか。
    そうしたら自分で作ることも無理。

    お菓子が一気に消えるんじゃなくて
    チョコに限定できるってことは
    お米じゃなくて、ピラフとかそういうふうに調理方法で決まるのかな。
    パンだってたとえばメロンパンとかそういうふうかな。

    でも問題はそれを自分で決められないってこと。
    「それはだめ」とも言えない。

    生死に関わってくるようなもの以外は
    なくなってもそれなりに過ごしていくのだろうなと思いながら
    本当に大切なものについて考えた。
    そうしたら生活はもっとシンプルにできるはずなのに
    ものも心もそうならない。(苦笑)

  • 水嶋ヒロのKAGEROUかと思った。なんだろう、似てる。
    内容はそこまでひどくないけど。

    レビューで泣いたって人が結構いるけど涙腺のツボが分からないまま終わってしまった。

    我が家にも猫が2匹いるけど、いなくなったらどうなっちゃんだろう。
    人生の大半には猫がいるからな。
    やっぱりNo cat no life! だよね。

  • 何かを得るには、何かを失わなければならない。
    この世界の常識を再確認するような小説でした。
    話自体は淡々と描かれている。登場人物の設定、心変わりする動機、主人公は本当に死ぬのか?元気だろ、おい。とひっかかるところは多々あった。いい意味でも悪い意味でも期待を裏切ることもなかった。
    でも、再確認という形で心に残る。
    「世界から僕が消えたなら」
    そこから得る物は確かにありました。
    この一点に関して、いい意味で良かったと確信してます。

  • 話題になっていたので読んでみた。
    線引きがどういう風にされるのかよくわからないのだが、こういうのがラノベに分類されるのだろうか?非常に軽い文体で余白も多く、サクサク進んで2時間程度で読了。

    設定も突飛だし文章も軽薄な感じ(ごめんなさい)、出だしを読んだら大体の結末も想像通り、泣かせようという作為も見えて、若干引き気味にあまり期待せず読んだのだが、著者が言わんとしていることには感じ入るところがあり、ちょっとじ~んとしてしまった。
    ごちゃごちゃ考えずに、素直に読んで素直に受け止め、素直に感動するのがこの作品を楽しむべきスタイルかなと思う。
    読後感も悪くない。

    いかにも映像作家が書いた作品という感じだが非常に読みやすく、普段あまり本を読まないけどいい話が読みたいな~という人にはもってこいでしょう。

  • 面白かったけどこれは文学じゃないよね。
    夢をかなえるゾウとか、そっち系。
    うん、自己啓発本に近いんじゃないかなー。
    とか言いながら手紙は泣いたけどね。

    何かを失って何かを得ている。
    何気なく生きてたら忘れちゃう。

  • さらっと読めました。さらっと過ぎて軽いな、と思ったのでもう一度読み返したら、初読の時と全然違う気持ちで読めました。夢をかなえるゾウっぽい感じ。人は本当に大切なことを後回しにして、目の前にある、さほど重要ではないことを優先して生きている。再読を終えて、自分にとって本当に大切なものは何か、ということを考えてみるきっかけになる本だと思いました。それにしても、この作家さんは心のきれいな人なんだろうなぁ〜。こんな息子が欲しい。
    あと、ジャケットを外したら鮮やかなアロハな表紙←これも読めばわかる!

  • 猫が好きな人にとっては堪らない一冊。

    逆に言えば、それ以外の人が本書を読むと“どうして猫を消すかどうか問われるまで世界から諸々を消してしまったの?”と首を傾げてしまうストーリー展開だったなぁと思った。

    物語の根底に流れるのは“家族愛”ですが、長年確執のあったお父さんと、自分の病の発覚から一週間も経たないうちにそんな簡単に会いに行こうと思えるのかな?と少々疑問に感じた。

    泣ける系に分類される一冊なんだろうけど、共感できない部分が多くて感情を揺さぶられることはありませんでした。

  • 映画化されたことは知っていたので、何気なく手に取ってみた。パラパラとめくった時に読みやすそうだなと思ったし、実際読みやすかった。
    その代わり、それほどの感動も驚きも新鮮さもなく読み終えてしまった。
    猫は飼った事がないのでどんな存在かはよくわからない。飼っている人にとっては、より身近で親しみやすいストーリーになっているのかもしれない。
    死の宣告を受けた主人公のもとに現れたのは、アロハシャツを着た悪魔。この悪魔は、何かを消すことで寿命を1日伸ばすと告げる。
    ひとつひとつ消えていくものと伸ばされる寿命。作者はなぜ、数ある中から電話と映画と時計と猫を消すことにしたのだろう。猫は一番近い存在だったからかもしれない。そして、主人公にとってかけがいのないものだったからかもしれない。
    もしかしたら、一番近くにある大事な存在に気付いて欲しいと。それが永遠ではないことに気付いて欲しいという思いからだったのかもしれない。
    人の寿命は明日、明後日どうなるかすら誰にもわからない。平凡な日常だからこそ、今の時間を大切に、今側にいる人を大切にしたいと改めて感じた。

  • 30歳で、悪魔が、やってきてもうすぐ人生終わりと告げられる。

    世界から時計や時間をなくすことで1日生きながらえることができる。

    人生には限りがあるし、リミットがあることでいまを大事に生きなきゃと思わせてくれる仏教的な小説だった。

著者プロフィール

1979年生まれ。上智大学文学部新聞学科卒。2010年、米The Hollywood Reporter誌の「Next Generation Asia」に選出され、翌11年には優れた映画製作者に贈られる「藤本賞」を史上最年少で受賞。12年、初小説『世界から猫が消えたなら』を発表。18年、初監督映画『どちらを選んだのかはわからないがどちらかを選んだことははっきりしている』がカンヌ国際映画祭短編コンペティション部門に選出。

「2019年 『ブレスト』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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