億男

著者 :
  • マガジンハウス
3.22
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本棚登録 : 3096
レビュー : 505
  • Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784838727148

作品紹介・あらすじ

億男は川村元気さんがかかれた小説です。
2015年に本屋大賞にノミネートされた作品でもあります。突然、億万長者となった図書館司書のお金をめぐる30日間の大冒険の物語です。人間にとってお金というものは何か?億万長者となった主人公の一男にとって幸せとは何か?数々の偉人たちの言葉が出てくるのも見どころのひとつです。

感想・レビュー・書評

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  • 人生に必要なもの、それは勇気と想像力とほんの少しのお金 byチャールズ・チャップリン

    ひょんなことから宝くじで3億円を手にした一男が、15年間音信不通の親友にお金の使い道の教えを請うことに。たが、そこであった親友は億万長者になり、お金の幸せについて問われ、一夜にしてお金を全て持ち去られてしまう。
    お金を取り返すべく親友のかつての同僚に会う中で、お金と幸せとは何かを見つけていく。

    お金とは信頼の証
    人間は欲を持つことで生かされている
    大金を持ち、全て手に入る状況に置かれても、一緒に生活していく人がいること、自分のしたいこと、欲を持っていること、誰かを信じ、信じられること、
    人間らしさを失わないことが、幸せへと導いてくれんだなと思った。
    哲学的な要素も多く、物語としては大きな波があるわけではないけれど、仮に自分が大金を手にしたらと思ったらドキドキしながら読めた
    お金を知ること、世の中ルールの中で学び取り組むこともお金を増やす上では大事なんだと思う。

    欲を持って生きることも大事なんだなー

  • お金には縁が無いからなのか、私には難しい本だった。
    とにかくお金には振り回されたくない。
    でも宝くじに当たりたい。しかし、友人に相談はしたくないかな。
    チャップリンの言葉が印象的。
    「人生に必要なもの。それは勇気と想像力と、ほんの少しのお金さ。」

  • 読みやすい。『予想もしなかった結末が待っていた…!』っていうのを求める人には向かないだろうな。全体として、まとまりがあるってこと。無駄なものが少ない。結論、きれい。

  • なんといっても、昨年12月までに出版された本の中から全国461書店、580人の書店員の一次投票によって選出された本です。しかも、映画化までされた「世界から猫が消えたなら」の著者、とくれば、テッパン間違いなし。

    …とお薦めしたところですが、前作同様、私にはまったくピンと来ず、今回のノミネートも「なぜこれが?」というのが正直な感想です。同じ出版社からもう一冊エントリーしており、マガジンハウスの売込みはそんなに上手いのか?とも。。。前作が映画化されるほど評価されたことも理解できませんでしたし、書店員といえば本の目利きであろうこと間違いのない人たちですので、目利きには分かる何かを感じるとるセンサー(単なる理解力?)が自分には欠けているのか、と不安さえも感じた次第。

    「成長期よ永遠なれ」

  • 宝くじで3億円を当てた図書館司書の一男。浮かれる間もなく不安に襲われた一男は、「お金と幸せの答え」を求めて大富豪となった親友・九十九のもとを15年ぶりに訪ねる。だがその直後、九十九が失踪したー。ソクラテス、ドストエフスキー、アダム・スミス、チャップリン、福沢諭吉、ジョン・ロックフェラー、ドナルド・トランプ、ビル・ゲイツ……数々の偉人たちの“金言”をくぐり抜け、一男の30日間にわたるお金の冒険が始まる。
    人間にとってお金とは何か?
    「億男」になった一男にとっての幸せとは何か?
    九十九が抱える秘密と「お金と幸せの答え」とは?(帯より)

    働きだしてから、「お金とは何か」「働くとはどういうことか」といった問いに対して何らかの答えを持っていないと身動きが取れないという思いがあって、本を読んでみたりしながら自分なりに考えてきた。作中でもあるように、学校や親から教えられるということも少ないので、一人一人が付き合い方を身につけなければいけない気がしている。登場人物の考えや人生を追うことで色々と考えさせられる。

    一男は幸せな人生を取り戻せるのか、応援しながら一気に読んだ。うまくいってほしい。
    司書の一男と妻・万佐子の結婚のなれそめが本の交流だったのはちょっと憧れる。

    今まで小説を同時に読むことはしてこなかった。半年前から『吾輩は猫である』を読み始めて遅々として捗らない中、遂に禁(?)を破ってこの作品を読んだ。テレビでは複数のドラマやアニメを同時に見ているわけだし、と勇気を出してみた。片方がこれだけペースが遅いなら、同時に読んでもなんの支障もなさそう。『猫』では感じない「次が気になる」という感情、久しぶりに味わった。やっぱり小説には重要だな。

  • 思っていたのとは違う内容だったが、良かった。期待以上! というわけではなかったけど。

    宝くじで当てたお金を親友が盗んで姿を消した! というあらすじではあるがミステリー要素は無かった。小説の顔をした自己啓発書みたいな感じだった。『チーズはどこへ消えた?』のお金版みたいな。お金に関する名言がちょいちょい織り込まれている。

    お金は人にとって身近な存在であるのに、人はお金のことをあまり知らない。実際この前見たテレビ番組で「平等院鳳凰堂の鳳凰像は一万円札に描かれている」という説明に「へぇ~!!」となった。

    紙幣、硬貨として存在してはいるが、実はお金という概念は実体がなく(ATMや電子マネーを見ていたら確かにそんな気持ちにはなる)、信仰に近い。

    生きていくにはお金が必要だけど、誰かとおいしい食事をとること、やってみたい習い事をすることなど何気ない幸せな生活を誰かとともに過ごすこと、信用できる存在がいることが大切なのではないか、ということがこの物語から伝わった。

  • 図書館で借りたもの。
    突然、億万長者となった男の、お金をめぐる30日間の大冒険の物語。
    初読みの作家さん。

    小説なんだけど、自己啓発本っぽさもあり。
    「〇〇がしたい」「〇〇が欲しい」…「欲」があるからこそ、明日を生きられる。っていうのには、なるほどと思った。
    大金があればお金で欲を叶えられるから、いつしかその欲がなくなって、生きるのもつまらなくなるんじゃないか。
    …そんな風に言われても、やっぱりお金は欲しいです(笑)

    『お金があればなんでも解決してしまうということを知ってしまった僕は今、生きていくことに白けてしまっているんだ』
    その安心感が私は欲しいよー

  • ※ちょーネタばれ注意

    ちょっと雰囲気(といえばいいのか?)が、ガネーシャに似ている。
    『人生に必要なもの。それは勇気と想像力と、ほんの少しのお金さ』映画『ライムライト』でのチャップリンの言葉。
    勇気と想像力があっても、お金がないと、例えば起業はできないと思うのだけれど、そこを想像力で賄うってことなのかしらね?
    自分の中では、お金があればほとんどの物はどうにかなると思う。だって人間はお金のために=生活のために働いているのではないか?
    三億円が当たらないとわからないかも。


    一男の世界
    弟の借金三千万円を返すために、昼は図書館の司書として、その後はパン製造をしながら地道に借金を返済している一男。奥さんと子供は家を出て行ったので、パン製造工場の寮に住んでいる。
    そこの押入れに三億円が収納されていた。
    一男は宝くじに当たったのだが、どうしていいか分からず、大学時代の親友の大富豪、九十九に連絡した。

    九十九の金
    九十九のお金に関する考えに驚いた。
    一万円札は縦76ミリ、横160ミリ、重さは1g
    五千円札は縦76ミリ、横156ミリ
    千円札は縦76ミリ、横150ミリ、
    五百円玉は7g、百円玉は4.8g、五十円玉4g、十円玉4.5g、五円玉3.75g。
    このくらいお金のことをしらないと、やはりお金にはすかれないのだろうと思った。
    さて、
    九十九に三億円を持って相談に行った一男だったが、飲めや歌えの乱痴気騒ぎの上、気づくと九十九と三億円が消えていた。
    そこから『お金と幸せの答え』の回答を聞くためと、お金を取り戻すためのに九十九を探す旅に出る一男だった。

    十和子の愛
    九十九の会社の広報担当で、九十九と付き合っていた十和子。『金持ちが、そのお金をどのように使うか分かるまで、その人間をほめてはいけない』ソクラテス
    彼女はお金は汚いものと躾けられていた。でもその反面お金を愛しすぎていた。
    父親からの養育費の2億円と九十九の通信会社を売った10億円を押し入れの中へ隠し、彼女の夫にも隠して生活をしている。
    彼女から、九十九の元会社の2人の電話番号を聞く。
    そして彼らに会いに行く。

    百瀬の賭
    呼び出されたのは競馬場の馬主席のもっと奥にある、VIPルーム。百瀬にお金を借りて一男も賭けをする。最初は勝ったのだが、次のレースですべてを失う。ショックを受ける一男だったが、百瀬は大笑いする。「金なんて掛けてない」と。一男の頭の中で1億円が儲かって、また失う。金はあくまでキミの頭の中で動いていただけや。何も変わっていないと。
    『富は海の水に似ている。それを飲めば飲むほど、のどが渇いて行く』ショーペンハウアー
    そして次の千住のところへと行くのだった。

    千住の罪
    九十九と一男の卒業旅行から始まるこのパラグラフ。
    モロッコへ旅する夫婦の映画を見て、二人の旅行が来まる。
    舞台は千住が主宰するミリオネア・ニューワールドというお金が儲かるセミナーを開催している。そこへ一男は4万円を払ってセミナーを受けに行く。その後、40万円を払って個別に会う。その場所は寄席の会場で、演目は『死神』千住は九十九を裏切ってしまったという後悔から、お金を使えなくなり、自分は質素な生活をしていたのだった。『九十九は何ら変わっていない。あなたの傍にいます』

    万佐子の欲
    万佐子と一男の出会いの話。
    娘のまどかのバレエの発表会で、久々に対面する。
    一男は3億円を取り戻して、借金を返済し、また再び家族とよりを戻そうとするが、万佐子に断られる。
    『あなたがお金によって奪われたもの。それは欲よ。(中略)私とまどかの生きるための欲を捨てさせようとしたのよ』

    億男の未来
    モロッコで九十九が芝浜の演目をする場面から始まる。
    バレエの発表会からの帰りの電車の中、隣にドンという音で目が覚める。隣には九十九が居た。
    『お金と幸せの答はみつかったかい?』
    『それはひとつではない。人間すべてにひとりひとり解がある。もし、人間を疑うか、信じるかのY字路があったとしたら、信じる道を行こうとふたたび思えるようになった。』
    そして一男は再び億男になった。

    最後は娘のまどかと、自転車とかけっこの競争をしていた。結局3億円を最初に使ったのはまどかの自転車だった。
    結局、借金を返したのかとか、これからどうするのとか書いてなかったけど、まぁ、楽しい終わり方だったのではないでしょうか?

  • お金を巡るおとぎ話。

    百瀬に仕掛けられた競馬のくだりにはゾクゾクしました。百瀬、深いこと言ってるわぁ!

    『世界から猫が消えたなら』でもライムライトが話の鍵になっていたような記憶があるけど、筆者にとってチャップリンは特別な思い入れがあるのかな?

  • 宝くじで3億円が当たった、図書館司書の物語。
    弟の借金を肩代わりして昼も夜も働き続けた人物が、一夜にして大金を手にする。
    果たして彼はその大金と、今後の人生とどう向き合うのか―。

    もしも、3億円当たったら。
    すごく嬉しい!あれも買える、これも買える!と、思った後で、私もきっとすごく怖くなる。
    それはやっぱり分不相応なお金と感じてしまうから。
    普段私たちが生きている社会ではお金の存在はすごく大きくて、富める人でも貧しい人でもお金に振り回されずに生きることはすごく難しいように感じています。
    だからこそ、この本のテーマである「お金と幸せの答え」について、とても興味深く読ませてもらいました。

    お金が私たちの多くにとってすごく大きい存在でありながら、お金について真剣に学び、向き合っている人がどれだけいるでしょうか。
    お金のことをよく考えながらも、それに囚われることなく、自由でいる。そんな生き方が理想です。
    本書でも繰り返し出てきますが、チャップリンの残した「人生に必要なもの。それは勇気と想像力と、ほんの少しのお金さ」という言葉が本書を読み終えた後はより心に残ります。

    お金を貯めること、使うこと、増やすことについては日々考えますが、
    お金が人にもたらしてくれるもの。
    お金が人から奪うもの。
    そんなことに目を向けさせて、考える時間をくれる本書は今の私にとっては貴重なものでした。
    それに、誰かと共有することで手に入る幸せ、生きる原動力となる欲、については改めて感じ入るものがありました。

    お金は人を試しますが、信用をきちんと築ける人でありたいと思いました。

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著者プロフィール

1979年生まれ。上智大学文学部新聞学科卒。2010年、米The Hollywood Reporter誌の「Next Generation Asia」に選出され、翌11年には優れた映画製作者に贈られる「藤本賞」を史上最年少で受賞。12年、初小説『世界から猫が消えたなら』を発表。18年、初監督映画『どちらを選んだのかはわからないがどちらかを選んだことははっきりしている』がカンヌ国際映画祭短編コンペティション部門に選出。

「2019年 『ブレスト』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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