友だちの数で寿命はきまる 人との「つながり」が最高の健康法

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  • マガジンハウス
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  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784838727216

感想・レビュー・書評

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  • 自分の健康のために友達になってください、はちょっと妙な気がする。
    活動を一人で完結させず、他の人とかかわる形にする。仏像を彫るなら、展示会を立ち上げる、SNSに投稿する、等周りの誰かとインタラクションする形態をつくっていく。

  • 人と人とのつながりが健康や寿命に影響するというのは誰もが実感できると思います。

    どんな人でも6人を経由すればだどりつくことが出来るという「六次の隔たり」は有名ですが、この本では「3次の隔たり」についても紹介。

    これが非常に面白いくてなるほどと思えました。

  • 本心から笑っている人は目の横にカラスの足跡のようなシワが寄ります。これを、この笑顔に初めて注目した19世紀のフランス人神経学者の名前から「デュシェンヌ・スマイル」といいます。p28

    京セラの創業者である稲盛和夫さんもビジネスに関して「楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行せよ」とおっしゃっていますが、健康づくりでもそれは同じです。p59

    「弱いつながりの強み」という概念
    グラノヴェッター教授 1970年 p72

    消極的休養と積極的休養 p94

    瞑想で大切になるのは「調身」と「調息」と「調心」です。p156

    瞑想の方法
    ①「フォーカスト・アテンション」(止瞑想)
    ②「エンパシー・エンハンスメント」(共感の瞑想)
    ③「オープン・モニタリング」(観瞑想)p159

  • ・健康になるためにもっとも大切なのは「つながり」、平たく言うと人間関係。

    ・日本人は休養の取り方を知らない。休養には「消極的休養(パッシブ・レスト)」と「積極的休養(アクティブ・レスト)」がある。パッシブ・レストのもっとも効果的な休養は眠り。日本人は頑張り屋、アクセルを踏み込むのは得意だが、ブレーキをかけるのが苦手。とくに大切な脳の緊張を解いて疲れをオフにする工夫。脳を休めるのは睡眠しかない。瞑想も有効。アクティブ・レストで「つながり」を作り、仕事の能率も上がる。ビル・ゲイツは1年に1回「Think Week」と名付けた1週間を設ける。この間に仕事を一切せず、集中的に本を読み、じっくり考える時間に充てる。大学の研究者は通常の研究を離れて1~2年の間、好きなテーマの研究をする「サバティカル」と呼ばれる長期休暇をとる。そこで創造的なアイデアが生まれるケースも少なくない。「攻めの休暇」をとることで、新たなアイデアが湧いてきて、仕事のパフォーマンスが引き上げられる。

    ・日本人をはじめとするアジア人は、ネガティブな要素に敏感で、ポジティブな要素に鈍感という心理的な特質がある。(「人生山あり谷あり」という感覚は欧米にはない。)積極的休養で見つける「つながり」と仕事以外のアイデンティティを持つことはとても重要になってくる。

    ・「つながり」は質よりも量を追求した方が良い。

    ・愚痴るとストレスが倍増して老ける。

    ・世界のトップ企業は愚痴らない教育をしている。

    ・思考と感情は変えられない。だから行動を変える。

    ・寄付によって幸せ感は高まる。誰かのためにお金を使うと脳は幸せを感じる。石油で財を成したロックフェラーは給料が安い時代から「給料の10%」は寄付すると決めてずっと実践していた。

    ・誰かを思いやると幸福度が高くなる。

  • 石川先生の講演を聞いたことがきっかけで購入。
    いやー、面白かったです。
    この分野のことは少しくらい理解しているつもりでしたが、
    見たことのないデータが沢山出てきてビックリしました。
    もう少し引用文献がはっきりと書いてあるとよかったのですが。
    「つながり」が大切ということをしみじみと感じました。

  • 勧められて読んだ、健康に関し「つながり」の大切さを伝える本。様々な研究を紹介しながらとてもわかりやく読みやすい内容でした。とくに健康の捉え方が国によって文化的に違いがある点などが興味深かったです。ネットワーク理論についてなど、関心が広まりました。

  • 科学的根拠があるデータが盛りだくさん。信ぴょう性もあり読みやすい。内容が深くて分かりやすく書かれてある素晴らしい本。著者もニートからハーバード大という異色の経歴にも惹かれます。

  • 3

  • きちんとした研究結果がたくさん紹介されていて、非常に面白かった。タバコよりもお酒よりも食べ物よりも、孤独が一番人を死に追いやるのですね。他にも、楽観的に考えて悲観的に行動せよなど、なるほどと思うことが多々あった。妻は夫に介護されると早死にし、夫は妻に介護されると長生きするとは、思わずクスリと笑ってしまった。

  • 予防医学の研究者である著者が、人との「つながり」をたくさん持つと健康になれる、と説く。
    最新の研究結果でも実証されているようですし、人と楽しくおしゃべりをしたりアクティブに動いている人の方が健康で長生きする、というのは感覚的にも納得できます。
    SNSだって上手に自覚的に使えば、良いつながりづくりに一役買う。

    世界保健機関(WHO)は、健康を「単に病気がないだけでなはく、身体的・精神的・社会的に完全に良好な状態」と定義しています。
    これは、身体的に完全な状態であることが健康だという西洋の考え方と、精神と人格を重視して元氣を長持ちさせる「養生」という東洋の考え方を、うまくミックスしてできた定義なのだそう。

    医療が発達して身体の病気はだいぶ治せるようになってきましたが、それに比べて精神的・社会的に良好であることに対しては、まだまだ人類は発展途上なのでは。むしろ地域や家族のつながりが薄くなってしまった現代の日本、社会的な良好度は昔よりも低くなっているのでは…?

    健康づくりのためには、運動や食事で身体を良い状態にすることと、人とのつながりをたくさん持って善く楽しく生きることとは、同じくらい大切なのかもしれない。

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著者プロフィール

予防医学研究者、医学博士。1981年、広島県生まれ。東京大学医学部健康科学科卒業、ハーバード大学公衆衛生大学院修了後、自治医科大学で博士(医学)取得。公益財団法人Wellbeing for Planet Earth代表理事。「人がよく生きる(Good Life)とは何か」をテーマとして、企業や大学と学際的研究を行う。専門分野は、予防医学、行動科学、計算創造学、概念進化論など。近著は、『フルライフ』(NewsPicks Publishing)、『考え続ける力』(ちくま新書)など。

「2022年 『むかしむかし あるところにウェルビーイングがありました 日本文化から読み解く幸せのカタチ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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