国家がよみがえるとき 持たざる国であるフィンランドが何度も再生できた理由

  • マガジンハウス
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784838727612

感想・レビュー・書評

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  • 自殺者数が調査できるということは、自由な民主主義国家だからこそ。フィンランドの教育の成果は、平均値が高く、底上げの意味が強く、高得点者の割合は日本を含む他国の方が高い。男女平等により、力仕事や学生時代に真面目に学習する男女の違いが顕著になり、若い男性による保守と若い女性によるリベラルという傾向が見られる。

  • 感想
    福祉は自分事。日本内部を見ていては国内の福祉について議論することは難しい。福祉は平等を目指すか公正を目指すべきか。これからの課題が見える。

  • "フィンランドはもう福祉国家じゃないよ" 文中に出てきたフィンランド人の言葉。そもそも「北欧」と強引に一括りにされたもののイメージをすべての国にほぼ同一に当てはめて考えていたけれど、もちそんそれぞれの国に別の歴史文化価値観があって。フィンランドという国であっても、外から見えるものと、数値と、Aさんのいうことと、Bさんの言うこと、それぞれ全く違っていて。隣の芝生は青く、数値と実態は必ずしも一致しないことを念頭において色んな世界を見て考えないといけないなと思わせてくれる本だった。

  • 社会

  • 3年前の本であり現状はまた変わっているかもしれないし、答えは特に明示されていないので感想が難しい。
    北欧と一括りにしがちなデンマーク、ノルウェーとフィンランドは違うらしいというのは伝わった。

  • 歴史に翻弄された北欧の小国。そんな中必然的に生き残る術として変化し続けることを体得した国民性に関心します。
    答えは簡単には見つからないと思うけど、日本という国も変化を怖がっていたら生き残ることすら難しいのかな、と。
    明治維新、太平洋戦争、次に来るハードルは何なのか?
    日本人で良かったと思える人生を継いでいきたいですね。

  • フィンランドの国の文化や国民性などの概要と
    福祉国家でほのぼのしているという思い込みはとれた。
    教育制度を支えている教員の大変さや起業して新しい産業をつくっていることがわかった。

  • スウェーデン、ロシアに統治された時代、敗戦からも這い上がったフィンランド。資源がなく、隣に大国の脅威があること、排他的で自助を促す社会など、精神面でも日本と近いところがある。教育や男女平等など(日本人には隣の芝が青く見える部分も)多分に問題点をはらんでいるが、フィンランド人はそれらを解決しようとする。それは歴史から育まれた忍耐と不屈の精神かもしれないが、時代や情勢の変化に合わせることは、国家としてのアイデンティティを否定するものではない。「変わり続ける勇気を持つ限り、国は終わらない。」

  • 「ワカモノ」の次は北欧フィンランドか、と古市さんの目のつけどころに感心させられます。
    もともとノルウェーに留学していたこともあり、フィンランドとも近いですが、石油資源を持つ国と持たざるために何度も「国が終わった」状態になったフィンランドならではの強さの源が何かに迫ろうとしている本です。
    単に教育が,福祉が進んでいる、というだけで思考停止しないために役に立ちます。

  • なかなか興味深いもので、他国の話を参考に我が国、我が街を考えてみたいものです。

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著者プロフィール

1985年東京都生まれ。社会学者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員。2011年に若者の生態を的確に描いた『絶望の国の幸福な若者たち』で注目され、メディアでも活躍。18年に小説『平成くん、さようなら』で芥川賞候補となる。19年『百の夜は跳ねて』で再び芥川賞候補に。著書に『奈落』『アスク・ミー・ホワイ』『ヒノマル』など。

「2023年 『僕たちの月曜日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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