漫画 君たちはどう生きるか

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  • マガジンハウス
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  • / ISBN・EAN: 9784838729470

感想・レビュー・書評

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  • 漫画好きな人へ、私のとても好きなうちの一冊を読んで貰いたくてプレゼントした。


    できたら、小説の方を読んで貰いたかった…



    是非是非、漫画に興味をもたれた方は、文庫本も手にとってみてくださいませ。



    私は、小説激推し。

  • 1.変な経験
    入り方はかなりそそるものがある。
    食い入るように第1章は読み切ってしまった。
    どこか自分も経験をした事があるようなことを主人公が体験する。その体験が如何に素晴らしい事なのかを論じてもらえる。
    まるで自分が突出した何かを持っているように感じる事ができる。
    そんな感情を根っこから救ってくれる第1章だった。

    良い師に巡り合う事が人生で大きな分岐点である。
    そんな話をたまに聞くが、それを聞くたびに自分はこう思ってきた。
    [良い師にするかどうかは自分次第だ。師がダメだと思うならそこで落胆せず師をできる師に仕立て上げれば良い。周りに頼ろうとするな]
    そう思ってきた。
    でも少し違ったようだ。

    大学院で自分をこっぴどく泣かせてきた師は社会人になった今思い返せばとてもできた上司だったことが分かる。
    この本にも書いてある事だが、自分中心の世界を抜け出せない人(下を見下すような言動が出てしまう人)は天井が決まってしまっている。
    自慢ばかりで[今]を頑張ろうとしない人。過去の栄光ばかり語る人。
    お前にはまだ理解できない。と自分を上に上げないと気が済まない人。
    どれも一般兵止まりの凡人だ。
    1番許せないのは[あえて一般的に知られていない言葉を使って自分がわからないことをあたかも分かっているように語る]ことだ。
    有能な人間ほど相手のレベルを推し計り相手に分かるよう伝える。

    そういう点で主人公は良い師に出会っているな〜と感じた。

    常識を覆す思考を持つものは邪険にされる。
    常識は自分と他人を隔てる都合のいい壁だからだ。
    それでも新しい思考に価値を見出せるもののみに、人類未到の発見が降る。
    その可能性をおじさんはコペル君に抱いたんだろうな。

    2.3勇ましき友
    人は集団で生きる生き物だ。古代からヒトが人になる過程に於いてもどこを切り抜いても人は集団行動をしてきた。
    集団になることが外的から身を守る手段だったからだ。
    さて、外敵のいなくなった今、ヒトが人から他人(ひと)へと進化する時代なのではないかと2章を読んで感じた。
    ひとはついに自分の中で世界を完結することができる生命体に進化しつつあるということだ。
    そして、より強固な個がまた集団になった時、それはとてつもない活力を生み出す。

    一度集団から抜け出す心を自分の中に持たなくてはいけないのだ。
    コペル君は今回の油揚事件で人がひとになるその瞬間を目撃した。その意味を自分の中で噛み砕いて吸収することができた。
    自分が人として持つべき心をこの事件とおじさんから学んだわけだ。
    自分がひととしてあるべき姿を心に据えて生きる事。これが人からひとに成る第一段階である。そんなメッセージを2章から感じた。

    4.ニュートンの林檎と粉ミルク
    どこまでも常識を疑う心をいかに大切にできるか。
    その先にある発見がすでに周知のものであっても、自分の力でそこに辿り着いたという道筋にこそ意味がある。

    大きな発見でなくてもいい。自分で疑問を見つけそこに新しい法則性を見出す。ここに人間としての価値がある。

    さてここで扱われていた人間分子の関係って法則は自分が人間という網が形成する経済圏で生活していることを示しているわけだ。
    この経済圏はお金の享受によって成り立っているわけだが、人間が他人との関係を築く上での本当の幸せは、
    貰うことではなく与える事だ。
    親が子供に見返りなしで尽くすこと。友達に何かをしてあげられること。好意を尽くし合うことが人間らしい人間関係である。

    いくら経済圏が広がって表面的で便利、かつ合理的な生活がそこにあったとしても、幸せの形は忘れてはいけない。

    5.貧しき友
    難しい内容になってきたな。
    消費する人間と生み出す人間。人間らしいのは生み出す人間の方だ。にも関わらず下に見られることの多い生み出す人間。
    その常識枠を飛び越えて、しっかりと自分の目で生み出す人間が如何に人としてできている人なのかを見なければいけない。そして尊ぶにしても貶すなどということは絶対にあってはならない。
    ましてや消費する分際、学生という分際で生み出す人間を非難することは人間としてあってはならないのだ。

    では学生はぺこぺこして身の振り方をわきまえて静かに生活しろという話なのかというとそうではない。
    学生も毎日大きなものを生み出しているんだ。

    さあ、コペル君、君が毎日生み出しているものはなにかね。

    この質問の答えがこの章で明かされることはなかったけど正直なんのこと言ってるのかさっぱり分からん。

    6.ナポレオンと4人の少年
    ナポレオンの勇姿が描かれていた。
    10年で皇帝にまで上り詰め、10年で捕虜きまで成り下がる。その行動力と活力を今現在も評価し続けられるナポレオン。
    そんなナポレオンの話の中でもこれがぐっと心に来た。
    捕虜となったナポレオンが船舶中に外の空気を吸うため甲板に出た。
    イギリス人はそのナポレオンを見て脱帽し敬意を払ったというのだ。
    今まで家族をナポレオンに奪われて、戦いに敗れてきたイギリス人が、宿敵であるナポレオンに敬意をを示したのだ。
    王が王たる所以は実績にあらず。
    その佇まいや生き様で語るものなんだと強く感じた。

    善意を持った人間でも人格が弱いために自分のみならず周囲にまで迷惑を及ぼす人間がいる。
    善意を持たない人間でも、人格が強いだけで周囲に迷惑と幸福をもたらす人間がいる。
    君はどの人間にあたるだろうか。

    8.9雪の日の出来事
    大きな過ちを犯してしまったコペル君。
    自分が人間としてあるまじき好意をしてしまったと自分を責め続けるコペル君。
    その自分を責める姿勢こそ人間が取得した唯一にして無二の才能なのだ。

    自分のあるべき姿を想像し、そこから離れた行為を行ってしまったと自分が判断すること。
    その判断基準があるべき姿を知っていること。
    ここにこそ真の人間としてあるべき姿がある。

    自分を罰するのも自分だが、そこから立ち直るのもまた自分の意思なのだ。

    苦しめるうちが人間なのだ。

    10.凱旋
    難しい。
    なんなんだこの本。非常に読みづらい。
    まだ自分がその土台に立っていないのを突きつけられるようだ。
    最後の問いである
    [君たちは、どう生きるか]
    これがこの本とどう関わっていたのかがさっぱり自分にはわからない。
    どういうこなんこれ。
    結局コペル君の青春を通して、おじさんのノートを通して、自分はどう生きるかの指針を立てられなかった。
    いや正確には立てられると思ってずっと読み進めたけど全くもって理解できなかった。

    貧しい人
    豊かな人
    活力のある人
    善意のある人
    行動を起こす人
    自分がどうあるべきか分かっている人

    それぞれに負と正の側面がある。
    この側面を自分の腹にどう落とし込むか。
    そしてどんな人間でありたいと願い、そこから外れた行動について自分がどう考えるか。
    どう考えられるのか。
    それを日々考えながら、生きていこう。
    日々修正と訂正の繰り返し。世界は繋がりを中心に回っているのだから。
    その繋がりの一部、一分子である自分は、時代の流れを考え繋がりのほつれにならないよう日々自分に修正を加えていくのだ。

    君たちは、どう生きるか。

    さてとりあえずの答えを一度出しておこう。
    今後またこの本を読んだ時、自分は前にどんな答えを出したのか、そこからどの程度自分が修正されたのかをこの答えをもって知る事ができる。

    君たちは、どう生きるか
    修正と訂正の日々の末に、繋がりを構成する1分子ではなく、新しい繋がりを創生する分子。
    そう新しい腕を持つ分子になろう。
    繋がりを持ちつつ活性化された分子になろう。

  • 当たり前の事をどこまでもどこまでも追いかけて考えると、物事の大事な根っこの部分にぶつかり発見する。

    ありがとうの語源はありがたい。
    有難いは感謝すべきことやお礼をいうだけの価値があるということではなく、そうあることが難しいという意味がある。自分が受けている幸せが滅多にあることじゃないと思えばこそ、それに感謝する気持ちになる。

    悲しいことや辛い事に出会う事で僕たちは本来人間がどういうものであるか、ということを知れる

    これが正解とか、間違いとか人間の人生にはないけれど、物の考え方として知ってたら世界は違って見えるだろうなっていう事が書かれている

  • さて、これからどう生きていこうか、、、
    自分勝手な欲望を抱いたり、つまらない見栄を張ったりしない。
    自分中心に世の中が回っていると勘違いして、調子に乗りすぎた人を見ていると、自分を正当化する言い訳ばかり考える羽目になって哀れだと感じるから。

  • 1937年に出版され、歴史的名著と呼ばれる原作の存在を恥ずかしながら知らず、話題になった新訂版、漫画版で気になっていた本。漫画版を読むというのは少し罪悪感のような、居心地の悪さを感じながらも、読みやすさ重視で読んでみた。

    舞台は1937年の東京、父を亡くした少年・潤一は、近所に越してきた元編集者の叔父から、コペルニクスにちなみ、コペルくんとあだ名をつけられることになる。
    コペルは学校でのいじめ、クラスメートの貧困、自分の家との格差、友達との約束と自身の裏切りなど、日々の生活の悩みや気づいたこと・感じたことを日々叔父に話し、叔父はコペルに伝えたいことをノートに記していく。
    叔父のノートは、コペルへの悩みに人間らしさや、人間だからできること、するべきことを具体的な事例などを交えて助言や思いを記している。
    恐らくその叔父のノートが原作のままなのだろう。けっこうな読み応えがある。
    ■叔父のノートのタイトル
    ・ものの見方について
    ・真実の経験について
    ・人間の結びつきについて
    ・人間であるからには
    ・偉大な人間とはどんな人か
    ・人間の悩みと、過ちと、偉大さとについて

    人間は広い世界の中の一分子であること、人は生きている以上は生産関係の網の目の中にあり、この網目と繋がらずには生きていけない特別な関係であること、世の中には貧困・格差があり、世の中の人が生きてゆくために必要なものはそれらの労働者たちが支えていることなどを解説し、人間ならではの体験や愛情、尊敬の念、後悔と立ち直り、自分の意志の大切さを説く。

    大人であれば当たり前に知っている事実や価値観、感じている思いだが、成績や友人関係・恋愛など目の前のことで頭がいっぱいになっている思春期の若者が読めば、少し広い世界への光が射すのではないかと思う。
    私がもっと若い頃にこの本に出会えていたら、どんな学び・気づきを得られていたのだろか。
    やっぱり原作が気になるので、次は新訂版を読んでみようと思う。

  • 漫画ということだったから短時間でサラッと読めるかなと思って読み始めたものの、かなり文章が多め。

    後悔をしても、それを忘れずに次に生かすこと。その後悔があったからこそ、自分が成長できる。
    正直、この本を読んでぐっときたのは、ここだけかな。

  • 大人になっても難しい問題が問われている…
    「君たちはどう生きるか」
    マンガなので分かりやすいけれど、叔父さんのノートに書かれている文章も、コペル君の発見も、その年齢で語るにしては大人びていて、でも当時の時代の人たちはこんな風に世界を、人生を、考え抜いていたのかなと思うと、私はまだまだ子どもだと感じてしまう。
    ちょっとしたモヤモヤや気づきを見過ごさず、突き詰めて考え続けると、二人のような発見や考えの境地に至るのだろうか。
    某NHKの番組の「ボーッと生きてんじゃねえよ!」ではないけれど、自分の甘さ、呑気さに喝を入れられたような読後感だった。

  • 漫画版とはいえ、考えさせられる内容である。
    また、昔から変わらないテーマにも驚かされた。
    いじめや貧困などがそうである。
    この作品は読んで考えさせることが目的のようである。再読した時には違う感想になるでしょう。


    内容
    人間としてあるべき姿を求め続ける
    コペル君とおじさんの物語。
    出版後80年経った今も輝き続ける
    歴史的名著が、初のマンガ化!

    1937年に出版されて以来、
    数多くの人に読み継がれてきた、
    吉野源三郎さんの名作「君たちはどう生きるか」。
    人間としてどう生きればいいのか、
    楽しく読んでいるうちに
    自然と考えるように書かれた本書は、
    子供はもちろん
    多くの大人たちにも
    共感をもって迎えられてきました。
    勇気、いじめ、貧困、格差、教養、、、
    昔も今も変わらない人生のテーマに
    真摯に向き合う
    主人公のコペル君と叔父さん。
    二人の姿勢には、生き方の指針となる言葉が
    数多く示されています。
    そんな時代を超えた名著が、
    原作の良さをそのままに、
    マンガの形で、今に蘇りました。
    初めて読む人はもちろん、
    何度か読んだことのある人も、
    一度手にとって、
    人生を見つめ直すきっかけに
    してほしい一冊です。
    メディア掲載レビューほか
    池上彰氏、宮崎駿氏も愛読 「君たちはどう生きるか」がマンガ化された理由

    知的好奇心旺盛な少年「コペル君」と、彼を亡き父親の代わりに見守る教養ある「おじさん」。そんなふたりの心温まるやりとりを通じて、生きる意味を平易に、深く説いた児童向け教養小説の古典が初めてマンガ化された。刊行直後から話題を呼び、現在も途切れなく部数を伸ばしている。

    「原著は幼いころからの愛読書で、池上彰さんや宮崎駿さんといった錚々たる方々に愛されていることも知っていました。ですが企画の直接のきっかけは、身近にいた20代や30代の若い編集者にも愛読されていたからなんです。世代を超えて読み継がれている良書をマンガ化すれば、より広い読者に届くのではないかと考えたんですね」(担当編集者)

    原作に「ノート」として挟まれるおじさんからコペル君への助言は、あえてマンガ化せず、テキストとして掲載。〈ものの見方について〉〈真実の経験について〉〈人間の悩みと、過ちと、偉大さとについて〉といった深遠なテーマについて、原作同様、読者自身に自分の頭で考えさせる本として仕立てられている。

    「原作はコペル君の成長が主題ですが、マンガではおじさんもコペル君を導きながら一緒に成長していくような要素を加えました。工夫が功を奏してか、若い方はもちろんのこと、ご年配の方もおじさんの目線に自分を重ねて本書を楽しんでくださっている手応えがありますね」(担当編集者)

    評者:前田 久

    (週刊文春 2017.11.2号掲載)

  • 義実家にあったので、帰省中に読了。
    さらっと読める読みやすい本ですが、真剣に向き合うと、自分と向き合い、自分の中にある答えを探していくような本。
    「本来の自分」かキーワードだったような。

  • あまり内容が頭に入ってこなかった。


  • 自分の体験から出発して、正直に考えることが本当に大切。感じたこと、心動かされたことを大切に。

  • さすがにちょっと古めかしさは否めないが、充分に考えさせられる。年齢は関係ない。

  • 大学時代にゼミの先生から薦められてたのに、読まずに大人になってしまったことを後悔。当時、読んでたら、もう少し視野の広い大人になれてたかもね。漫画版はサラッと読めるから、早く読むに越したことない。

  • 絵柄を古くする必要があったのだろうか〜?

  • おじさんという存在は偉大。
    お母さんがコペル君に話してくれた石段の思い出が特に心に残った。
    失敗して反省してそれをどう活かすかは
    自分次第だから失敗してもその経験を活かすために
    考えながら生きていきたいと思う。

  • 長い話だが面白かったです^^

  • 期待値が高すぎた。まぁーって感じ

  • 漫画といいつつ、文章の部分も多め。手元に置いておいて、迷ったとき、踏み出せない時に読み返すと背中を押してくれそうな一冊。

  • ナポレオンの生涯のところが熱かった。高い志を持って生きる人たちはすごい。

  • なんでこの本がこの年こんなに売れたのか、というのが気になる木

  • ノートじゃなくて、直截に話し伝えりゃいいやん って。まぁでもこんな作業が本にするって事に繋がるんだろうね。気付いているようでそうでないような事をしつこく言われているような気分…説教されてるような。見落してる大事なものを指摘してくれてるので有難いお話ではある と感じました。

  • 変えられないことを考えるのをやめれば
    余計な感情に足をとられない
    いま自分がしなければならないことに
    まっすぐ向かっていける


    叔父さんのノートの部分は文章が多くて読み流してしまったのですが、上記の言葉は何かにつまづいた時に思い出したい。

  • 名著。
    とても道徳的で哲学的で、素敵なことが書かれてある本。
    一言で言うなら、プレゼントで誰かにあげたくなる本。

    なのに、☆3を付けたのは、
    自身が読むタイミングとしては、今じゃなかったかなーという理由のみ。大学生〜新卒辺りで読むと、もっと心に響く1冊になっていたかも。(早い人だと高校生でもイイかも。親になったら子供にプレゼントしたい)

    改めて、自分の人生をどのようなものにするのかは、己の人間性と思考力を磨き続けなければいけないな、と思った。

    終始「うんうん」とうなずける内容で、大切にしたいことがたくさん書かれてある。初心に戻る気持ちで、大切にしたいことを書き出してみました。


    --- ここから内容引用 ---


    子供のうちは、地動説ではなく天動説のような考え方をしている。自分を中心にして、いろいろなものがあるような考え方をしている。
    ただ、大人になっても、自分を離れて正しく判断していくことは非常に難しいことで、特に損得に関わることについてすら、コペルニクス風の考え方のできる人は実に稀である。

    それぞれ自分の一生をしょって生きていくということにどれだけの意味があるのか、どれだけの値打ちがあるのか。それは、大人になってからもまだまだ勉強して、自分で見つけていかなくてはならない。
    いつでも自分が本当に感じたことや、真実心を動かされたことから出発して、その意味を考えていくこと。何かをしみじみと感じたり、心の底から思ったりしたことを、少しもごまかしてはいけない。

    人間が人間同士、お互いに好意をつくし、それを喜びとしているほど、美しいことはほかにありはしない。

    「ありがたい」という言葉。もとの意味は「そうあることが難しい」という意味だ。自分の受けている幸せが、めったにあることじゃあないと思えばこそ、それに感謝する気持ちになる。

    よい心がけをもっていながら、弱いばかりにその心がけを生かし切れないでいる、小さな善人がどんなに多いか。
    人類の進歩と結びつかない英雄的精神も空しいが、英雄的な気魂を欠いた善良さも、同じように空しいのだ。

    人間は、自分自身を哀れなものだと認めることによって、その偉大さがあらわれる。悲しいことや、つらいことや、苦しいことに出会うおかげで、僕たちは、本来人間がどういうものであるかということを知るんだ。
    この苦しい思いの中から、いつも新たな自信を汲み出していこうではないか。

    世の中を回している中心なんて、もしかしたらないのかもしれない。太陽みたいにたったひとつの大きな存在が世の中を回しているのではなくて、誰かのためにっていう小さな意志がひとつひとつ繋がって、僕たちの生きる世界は動いている。

  • いまの心境にとてもマッチした一冊。

    世間の目よりも何よりも、
    君自身がまず人間の立派さがどこにあるか。
    そらを本当に君の魂で知ることだ。

    後悔していること、過ちを犯したこと。
    それに向き合い、正しく生きることが
    いかに難しいか。
    幼い頃と比べると今の方が難しいと感じることの
    1つである。

    自分の本心の声を聞こうと努めること。
    そして行動にあらわすこと。
    あらわせずに後悔していることがあるならば、
    決してその気持ちを忘れぬこと。

    改めて、君たちはどう生きるか。
    問われています。

  • 原作を読んでないが、「漫画」という割にはひたすら文が続く箇所があり、リズムが悪く読みづらかった。内容に関してはこれと言って残るものもなく、むしろ長い前置きの部分が印象に残ってしまった(ナポレオンの生涯など)。
    子どもに読ませたかったが、小学生だと少し難しいかな。

  • わかるようなわからないような…深いようなそうでないような…そんな感じだった

  • なんだ、マンガかぁと思ったが、いろいろ深い話だった。

  • よくわからんかった

  • 漫画で分かりやすく描かれている。
    「おじさんノート」の文章も適度に多く、うまくまとまっていると感じた。

  • 「生きる」ことは容易くはないが、容易く過ぎ去るのを待つこともできる。通り過ぎていく日々を、「どう生きるか」あらためて問う本。
    人間らしさとは何か、なぜ学ぶのか、など人として生きる上での基本に対して答えをくれる。

著者プロフィール

編集者・児童文学者。1899(明治32)年〜1981(昭和56)年。
雑誌『世界』初代編集長。岩波少年文庫の創設にも尽力。


「2017年 『漫画 君たちはどう生きるか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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