やらない理由

著者 :
  • マガジンハウス
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本棚登録 : 147
レビュー : 21
  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784838729708

作品紹介・あらすじ

虫のいい話のどこが悪い!? 
自虐の神がお届けする新刊はいまだかつてないくらい超ポジティブ!

cakesの人気連載「やらない理由」が待望の書籍化!
自分のワガママを許すと、気がラク~~~になるんです。

Q)以下のジレンマ、あなたはいくつ当てはまりますか?
・痩せたいが、食べるのを我慢するのは嫌
・部屋はきれいしたいが、片付けするのは嫌
・寂しがり屋だが、人付き合いは嫌
・結婚したいが、縛られるのは嫌
・浮気したいが、浮気されるのは嫌
・SNSに「いいね!」してほしいが、「いいね!」するのは嫌
・話は聞いてもらいたいが、あれこれ言われるのは嫌
・セックスはしたいが、自分から積極的に誘うのは嫌
・浮きたくないが、人とかぶるのは嫌
・優しい男は好きだけど、優しすぎる男は嫌

3つ以上当てはまってしまったあなた、
自分の虫のよさに嫌気がさしていませんか?
メンヘラになっていませんか?

ジレンマに苦しめられるのは万病のもとです。
一人でも多くの人が健やかな心を保つために、
自分勝手な虫のいい話がいかに正しいことか、
カレー沢薫氏が立ち上がり、理論的に解説します。

あなたがやるべきことは、
反省ではなく、自己肯定である!!!!!

心にもやもやが沸き起こったら、
何度でも繰り返し読んでみてください。

感想・レビュー・書評

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  •  マンガ家兼コラムニストとして、すっかり売れっ子になったカレー沢薫。つねづね言っていることだが、私はこの人をマンガ家としてよりもコラムニストとして評価している。

     本書は、日常生活の中のささやかなジレンマを一つずつ取り上げ、そのジレンマに悩んで自己嫌悪や反省をしがちな読者に対し、〝反省など必要ない。『○○したくない』という貴様の気持ちは正しい!〟と訴えかけるコラム集である。

     取り上げられているジレンマはたとえば、「お金は欲しいが、働くのは嫌」「痩せたいが、食べるのを我慢するのは嫌」「話は聞いてもらいたいが、あれこれ言われるのは嫌」……などというたぐい。

     それらのどうでもいいジレンマに対し、カレー沢薫はアクロバティックな文の芸を駆使して、読者をやみくもな自己肯定に導いていく。たとえば――。

    《遠足も当日より前夜のほうが楽しいものである。ダイエットに成功するよりも、ダイエットに成功した自分を想像するほうが楽しい。(中略)
     つまり永遠にダイエットに挑戦&失敗することで、死ぬまで遠足前夜の気分が味わえるということだ。逆に成功してしまうことにより「痩せても無意味」という事実に直面してしまうことがある。自分で己への希望を断ち切るという愚か極まりない行為だ。つまり「ダイエットに失敗した」というのは「明日へ希望を繋いだ」ということである。》

     ……とまあ、こんな感じの〝屁理屈芸〟が、33問・33答分くり返される。

     そこそこ面白かったが、最初期の『負ける技術』のように「何度読み返しても面白い」というレベルにはとうてい達しておらず、「一度読んだらもういいかな」という感じの出来。
     カレー沢薫の本を読んだことがない人には、まず『負ける技術』『もっと負ける技術』をススメたい。

     なぜクオリティが下がってきたかを考えるに、いまのカレー沢薫はあまりに忙しすぎるのだろう。
     いまやマンガ/コラムあわせて20本近くもの連載を抱えているそうだし、なおかつ月~金のOL生活もいまだに続けているというのだから、筆が荒れても仕方ない。

     大谷翔平の二刀流をディスる江本某のように、「カレー沢選手は、いまのままではマンガとコラム、どちらでも大成できません。どちらか一本に絞るか、もしくは会社を辞めるべきでしょう」と進言したい。

     それでも、随所にこの人ならではの独創的フレーズがちりばめられていて、そこにはまだ才能のきらめきが感じられる。たとえば――。

    《「普通は嫌だ」そんな想いが、いつでも俺たちを普通以下にしてきた。その雄姿は卒業アルバムや文集にしかと刻まれ、それを見るたびに「普通」の尊さを知るのである。》

    《非リア充の朝は早い。毎朝4時には起き、邪神像に向かい、リア充の爆発を祈る。》

    《コミュ症の特徴として「世間話ができない」というのがある。どんな世間話を投げかけても全く続けられず、1ターンで終わらせるため、周りはそのうち世間話すら投げかけるのを止めるのだ。「世間にとやかく言われるには世間に入れていないとダメ」なのだ。》

  • 「痩せたいが、食べるのを我慢するのは嫌」、「ピンチは乗り越えたいが、頑張るのは嫌」、「部屋はキレイにしたいが、片付けるのは嫌」、「話は聞いてもらいたいが、あれこれ言われるのは嫌」…。
     我慢せえ!がんばれや!的なツッコミが入りそうなお題に対し、舌を巻くような言い訳、否、正当性を以って立ち向かう。怠惰やわがままと思われたこれらの行動が、いかにクールで正しいことであったか、押さえ切れない自己肯定感で「逆に罪では」と別の悩みができてしまうことうけあい。
     「やらかした」ことは全て肯定。「やらなかったこと」も全て英断。こういう人に私はなりたい。相変わらずボキャブラリーがえぐい。

  • 毎度毎度、カレー沢先生のボキャブラリーに感心します。どうせ自虐になるならこんな自虐になりたい。

  • 抱腹絶倒。
    読みながら何度も声を上げて読んでしまった。
    教科書だけでなく図書館にもあった方が良いと感じた一冊。

  • 2018.1.30読了。
    さて、読了。カレー沢さん多くの人を楽しませてくれるコラムを書いている人。この人も同じ世代の物書きの人もそうだけど、状況にピタッと合う例えが炸裂する文章と言える。一文の情報量がすごく多いなと思う。読んでいて楽しい。根本的にはどのアンビバレンツな状態に対しても極めて正論というかどんな人に対しても正解を押し付けないけれども真っ当な解になっているように思う。全く内容わからない感想だと思うので確かめたい人は是非本文を愉しんでみてください。

  • 孤高の漫画家・コラムニストであるカレー沢薫御大の最新作は、「痩せたいが食べるのを我慢するのは嫌」、「お金は欲しいが働くのは嫌」など、人間が生きる上で直面するアンビバレンツに対して、できない自分を卑下するのではなく全面的に肯定しようというコンセプトで書かれた哲学書であり、まさに「人間革命」な一冊である。

    一冊読み通して、御大の日本語表現の豊穣さには毎回感服させられる。例えばこんな文章。

    「私も人の色恋沙汰というかエロ話が大好きなので、どこかでエロトークが開催されていると聞きつけるや否や、『話は聞かせてもらった』と窓から入って座に加わろうとする。しかし、いざ自分にマイクが回ってくる段になると『お宝は確かにいただいた』というカードを残し、窓から消えているという、まさに『人の色恋沙汰は気になるが、自分の色恋沙汰を詮索されるのは嫌』な人間なのである」(本書p171)

    こういう人間に私もなりたい。

  • やらなければいけないことをできなかったと落ち込んでいる人に、ぜひ読んで欲しい本。毒舌で自己嫌悪ぶった切ってくれるそんなエッセイです。

  • この本を読むという英断を下した自分に乾杯したくなる本です。

  • 「痩せたいけど食べるのを我慢するのはいや」、「スタイル良くなりたいけどダイエットはしたくない」など、色々な挫折をとにかくポジティブに言い訳していく本。
    筆者の語彙力というか、センスが素敵(笑
    ちょいちょい入ってくるネタが面白くて、読みながら笑ってしまう。
    やらなかった事を後悔するのではなく、あえてやらないという英断を下したのだ!私偉い!!

  • カレー沢さんのワードセンスが秀逸すぎる。意見も面白いのだけど、どうやったらこんな面白いこと書けるんだろうと感心する。

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著者プロフィール

モーニング(講談社)主催の漫画新人賞「MANGAOPEN」に本名・無題で応募し落選した作品が、カレー沢薫『クレムリン』(ともに本人命名 講談社)に変容を遂げ、月刊モーニング・ツー(講談社)でほぼ即連載となり、作家デビューを果たす。ほどなくコラム『負ける技術』(講談社)も連載となり、コラムニストとしてもデビューを果たす。以来、雑誌やウェブに連載超多数、本数未詳の大車輪で体力を使い果たす。最長不倒連載作品は開始以来すでに10年を超えた東京都写真美術館広報誌別冊「ニァイズ」(2021年7月現在)。なお、本作はコミックDAYS(講談社)で毎月第一・第三日曜日に1話ずつ更新中。第24回(2020年度)文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞受賞。おめでとうございます。ありがとうございます

「2021年 『ひとりでしにたい(3)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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