そのうちなんとかなるだろう

著者 :
  • マガジンハウス
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本棚登録 : 66
レビュー : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784838730599

作品紹介・あらすじ

「やりたいこと」を諦めたことも、
「やりたくないこと」を我慢したことも、
僕には一度もありません。

思想家・内田樹の痛快人生案内!

心と直感に従って生きればいい。
無理して決断する必要はない。
「なんとなく」選んだことが、
自分にとって一番いい状態だから。

豪快すぎる半生記!

いじめが原因で小学校で登校拒否
受験勉強が嫌で日比谷高校中退
親の小言が聞きたくなくて家出
大検取って東大に入るも大学院3浪
8年間に32大学の教員試験に不合格
男として全否定された離婚
仕事より家事を優先して父子家庭12年

*昭和の時代を伝える「非日常写真館」も

<あとがきより>

「自分らしさ」という言葉が僕はあまり好きじゃないのですが、
それでもやはり「自分らしさ」というのはあると思います。
ただ、それはまなじりを決して「自分らしく生きるぞ」と力んで創り出したり、
「自分探しの旅」に出かけて発見するようなものじゃない。
ふつうに「なんとなくやりたいこと」をやり、
「なんとなくやりたくないこと」を避けて過ごして来たら、
晩年に至って、「結局、どの道を行っても、
いまの自分と瓜二つの人間になっていたんだろうなあ」という感懐を抱く……
というかたちで身に浸みるものではないかと思います。

僕がわが半生を振り返って言えることは、
僕は他のことはともかく「心と直感に従う勇気」については
不足を感じたことがなかったということです。
これだけはわりと胸を張って申し上げられます。
恐怖心を感じて「やりたいこと」を断念したことも、
功利的な計算に基づいて「やりたくないこと」を我慢してやったこともありません。
僕がやったことは全部「なんだかんだ言いながら、やりたかったこと」であり、
僕がやらなかったことは「やっぱり、やりたくなかったこと」です。
というわけですので、この本はできたら若い方に読んでいただいて、
「こんなに適当に生きていてもなんとかなるんだ」と安心してほしいと思います。

<目次>

第1章 
生まれたときから、嫌なものは嫌
 
■小学校で登校拒否 
 
下丸子という町
「嫌」に理由はいらない
いじめが原因で不登校
兄の存在感
ビートルズに夢中
SFファンクラブ
都立日比谷高校
高校はもういい
 
■高校中退、そして家出
 
計画的に家出
ジャズ喫茶でアルバイト
たちまち生活に困窮
頭を下げて家に戻る
大検のために猛勉強
規則正しい浪人生活
 
■東大には入ったものの
 
天皇制を知るために、まず武道
駒場寮というアナーキー空間
嫌な先輩に回し蹴り
住処を転々
ガールフレンドの母親が天敵
「噂はいろいろ聞いてるぜ」
フランスへ卒業旅行
大学院入試に3回落ちる
 
第2章 
場当たり人生、いよいよ始まる
 
■合気道という修行
 
内田家「士道軽んずべからず」
生涯の師との出会い
子弟システムのダークサイド
機を見る力、座を見る力
 
■翻訳会社アーバン・トランスレーション
 
翻訳会社でアルバイト
無職から二足のわらじ生活へ
早い、安い、ミスが少ない
翻訳業の限界を感じて
 
■研究者生活の実情

助手になったが仕事がない
32校の教員募集に落ちる
研究者が陥るジレンマ
神戸大学の話が流れる
「とんでも学説」が一転
神戸女学院大学へ
「内田樹の奇跡のフランス語」
人間は基本的に頭がよい
 
■離婚、そして父子家庭
 
男として全否定される
4歳年上、女優の妻
波瀾万丈だった義父の人生
12年間の「父子家庭」
仕事より家事育児を最優先
仕事で成功することを求めない
書きたいことは山のようにある
空き時間は天からの贈り物
 
第3章 
生きていくのに一番大切な能力
 
■仕事のやり方を工夫する
 
ホームページを立ち上げる
発信したいことを次々アップ
出版社から声がかかる
東京一極集中がなくなる
 
■批判するより褒める
 
たくさん本を出せる理由
人の話からアイデアが生まれる
その人の一番いいところを見る
 
■決断や選択はするな
 
教え子と再婚
強く念じたことは実現する 
いつどこに自分がいるべきか
「人生をリセットする」前に
やりたくないことはやらないほうがいい
どちらへ行っても同じ目的地に
誰と結婚してもそこそこ楽しい
後悔は2種類ある
匿名の発信は無意味
触覚的に世界を理解する
どちらかに決めない 
 
*非日常写真館 
 
*コラム
1966年の日比谷高校【その1】  
1966年の日比谷高校【その2】
1966年の日比谷高校【その3】

感想・レビュー・書評

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  • 内田樹の自伝。説教臭いところ、自慢げなところは鼻につくが、どんなところで暮らしたか、どんな仕事をしていたか、どんな人と交流していたか、結構仔細に書いていて読み応えがある。NewsPicksでの連載だったからか、「仕事」が語りの軸になっていたように思う。
    学生時代に友達と起業していたという話は噂程度に聞いたことがあったが、本人が語っているのは初めて読んだ。義父についても同様。
    もし神戸女学院大学に職を得なければ翻訳会社で編集者になっていた、それでも同じように物書きになっていただろう、合気道だってそのときに習い始めていなくても、こちらを選ばなければ今の自分になっていなかっただろうという決定的な分岐点はない、という人生観は面白かった。

  • 本が出るのはツイッターで見て知っていた。あとがきも一部読んだ。単行本で買うほどでもないかな、と思いつつ、通勤途中のエキナカ書店で探したら1冊だけあった。こういうのは縁のものだから買って読んだ。まあ、内田先生の自伝だもの、おもしろくないはずはない。ただ、三島由紀夫の「戦後日記」と並行して読んでいたので、どっちに書いてあったのか定かでないことも多々ある。クリエーターの質を上げるには「いいところをほめる」しかない。そしてこれは教育についてもまったく同じことがいえる。うーん、ほめ方って難しいんだなあ。まあ、いいところをみつけたら、「それいいね」というようにしてるつもりだけど。でも、悪いところがどうしても目に付くんだな。で、いやみをいっちゃう。あっ、いかん、とまた思う。内田先生、出かけるのはあまり好きじゃないとどこかで書いていたと思うけど、でもとにかくしょっちゅうどこかに出かけているし、友だち多いし、選挙の応援にも行くし、全然出不精な感じではない。人生については僕も同じようなことをいっている。受験に失敗することもあるし、全然違う道を歩むことになるかもしれないけれど、結局は同じところに落ち着くかもしれない。まあ、なるようにしかならんのだろうなあ。ケセラセラ。直感にまかせるっていうのも結構大事なんだな。好きに理由はいらんもんなあ。しかし、日比谷高校おもしろそう。

  • 読了。楽しい本だった。

  • 『そのうちなんとかなるだろう』 内田樹46

    ウチダ狂の私としては、ツイッターで内田先生が「私の履歴書」の様なものを書きましたとツイートした瞬間にアマゾンで予約をし、発売日に読み切ってしまった。かれこれ約50冊もウチダ本を読んでいる自分としては、既知の内容も多かったが、師と仰ぐ内田先生をもってしても、3回院試に落第し、32校の就職試験に落ちているという事実は、こうして自叙伝的な本で読むと驚いた。確かに、本流の人間ではないところの魅力にひかれたところもあるが、読んでみると、はたから見ると意外にもたくさん失敗しているのだなと感じてしまった。アーバントランスレーションの話や、都立大時代の話は、初めて読む話も多く、面白かった。途中、コラム的に出てくる日比谷高校の同志たちの話も、内田先生らしく、「存在するとは別の形で」触れ合う亡き友人達について語っており、読みごたえがあった。
     兼ねてから、このような自伝的な本を書いてもらえないかなと考えていたが、正直自分としては、内田先生がゲバ棒をもって戦っている学生闘争の時の話を、もう少し読みたかった。『死と身体』だったか忘れたが、一緒にゲバ棒で戦っていた友人がなくなってしまった話など、ある種のトラウマ的な記憶なのかもしれないが、この時期の空気をしらない今の人間としては、内田先生をもって語られる学生闘争の時代の話や、高橋源一郎などからも伝説的な知性と評される竹信悦夫氏の話も、もう少し聞きたかった。
     極論として、この本の本旨は、強い現実に関しては、多少の入力に誤差があっても実現されるということであろう。自分自身、やりたいと強く願ったことに関しては、そのうちしっかりと叶うものであり、とにかくなんとか生き延びられることが、武道においても重要なことであるということであろう。

  • 2019/8/21 新しい時代の生き方は、内田樹に学べ!! 内田樹さんによるト-クイベント 「そのうちなんとかなるだろう」マガジンハウス発刊記念 企画No.239 - 隆祥館書店
    https://atta2.weblogs.jp/ryushokan/2019/07/2019821-%E6%96%B0%E3%81%97%E3%81%84%E6%99%82%E4%BB%A3%E3%81%AE%E7%94%9F%E3%81%8D%E6%96%B9%E3%81%AF%E5%86%85%E7%94%B0%E6%A8%B9%E3%81%AB%E5%AD%A6%E3%81%B9-%E5%86%85%E7%94%B0%E6%A8%B9%E3%81%95%E3%82%93%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8B%E3%83%88-%E3%82%AF%E3%82%A4%E3%83%99%E3%83%B3%E3%83%88-%E3%81%9D%E3%81%AE%E3%81%86%E3%81%A1%E3%81%AA%E3%82%93%E3%81%A8%E3%81%8B.html

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    「やりたいこと」を諦めたことも、
    「やりたくないこと」を我慢したことも、
    僕には一度もありません。

    思想家・内田樹の痛快人生案内!

    心と直感に従って生きればいい。
    無理して決断する必要はない。
    「なんとなく」選んだことが、自分にとって一番いい状態だから。

    豪快すぎる半生記!

    いじめが原因で小学校で登校拒否
    受験勉強が嫌で日比谷高校中退
    親の小言が聞きたくなくて家出
    大検取って東大に入るも大学院3浪
    8年間に32大学の教員試験に不合格
    男として全否定された離婚
    仕事より家事を優先して父子家庭12年

    *昭和の時代を伝える「非日常写真館」も

    あとがきより
    「自分らしさ」という言葉が僕はあまり好きじゃないのですが、それでもやはり「自分らしさ」というのはあると思います。
    ただ、それはまなじりを決して「自分らしく生きるぞ」と力んで創り出したり、「自分探しの旅」に出かけて発見するようなものじゃない。
    ふつうに「なんとなくやりたいこと」をやり、「なんとなくやりたくないこと」を避けて過ごして来たら、晩年に至って、「結局、どの道を行っても、いまの自分と瓜二つの人間になっていたんだろうなあ」という感懐を抱く……
    というかたちで身に浸みるものではないかと思います。

    僕がわが半生を振り返って言えることは、僕は他のことはともかく「心と直感に従う勇気」については不足を感じたことがなかったということです。
    これだけはわりと胸を張って申し上げられます。
    恐怖心を感じて「やりたいこと」を断念したことも、功利的な計算に基づいて「やりたくないこと」を我慢してやったこともありません。
    僕がやったことは全部「なんだかんだ言いながら、やりたかったこと」であり、僕がやらなかったことは「やっぱり、やりたくなかったこと」です。
    というわけですので、この本はできたら若い方に読んでいただいて、「こんなに適当に生きていてもなんとかなるんだ」と安心してほしいと思います。
    https://magazineworld.jp/books/paper/3059/

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著者プロフィール

東京大学フランス文学科卒業。武道家。凱風館館長。専門はフランス現代思想、ユダヤ文化論、映画論。『私家版・ユダヤ文化論』で小林秀雄賞、『日本辺境論』で新書大賞。第三回伊丹十三賞受賞。

「2018年 『待場の読書論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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