BRUTUS特別編集 合本・読書入門。 (マガジンハウスムック)
- マガジンハウス (2016年6月15日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
- / ISBN・EAN: 9784838751242
作品紹介・あらすじ
年末恒例のブルータス「本」特集、3年分をまとめて1冊に。
自由で個性的な本の読み方、選び方、関わり方を集めた「読書入門」。
人生のちょっとした悩みに対する答えが見つかる本を探した「この本があれば、人生だいたい大丈夫」。
そして、ただただ物語の世界に浸ることの贅沢さを再確認した「夢中の小説」。
55人の本好きたちが語り尽くした読書の楽しさ、みっちり詰め込みました。
また、全国の目利き書店員たちがテーマに合わせて本をセレクトする好評企画も再録。
計714冊、今後のあなたの読書計画に大いに役立つ1冊です。
感想・レビュー・書評
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まだまだ自分の読書は浅いな、と感じてしまう。
もっともっといろんな本を読みたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
積読本が増えそうだ
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愛菜ちゃんのインタビューとポップ付き書店員さんのおすすめ本コーナー★★★★★
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<小説の醍醐味を教えてくれるMOOK>
●「分からない」が増えていくことが「分かる」に近づくことだと思う。
●読書は魔法(知識▪想像力)。本さえあれば大丈夫。
●自分が大丈夫であるために本はある。だから本を読む。読まねばならないのだ。
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雑誌ブルータスの本特集を3つ集めたもの。
世の中には面白い本がまだまだたくさんある。
読む時間の方が足りない。
ということに気づかせてくれる特集。 -
読書に関する面白い考え方がいくつかあったので
前半部分からいくつか抜粋します。
☆角田光代
家のいろんなところに本を置いておくらしい。
そこにこだわりがあって面白い。
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トイレなら短く笑えるもの。
寝室には現代作家ではなく、今は亡き作家のもの。
風呂場では急いで読む必要のない趣味の本。
ダイニングには「読みたいが今は読めない、
しかし本棚にしまうと読めなくなりそうな本」
☆田川欣哉
本棚ではなく20冊しか入らない本箱に
収納できる本しか所有しないときめているそう。
一冊、入れるのは一冊を処分するそう。
残す本の基準は、「情報じゃない価値がある本」だそうです。
もうひとつ面白いなと思ったのは、読んだ本のカバーだけを
残して本体は処分、なぜかというとそのカバーに
その本の内容や感想などをメモしているから、
という事。この手法は初めて聞いたけど凄いなあ。
☆豊崎由美×中島京子
中島「私が大事にしているのは、本を読んで自分が変わる体験をすること」
豊崎「人生がかわるとかおおげさなことでなくても、本を読んでもう道にごみ
を捨てるのやめよう、と思う程度でいい」
☆並木裕太
本に書かれていること(=ファクト)から意味合いを抽出して(=自分の解釈)、
アクションにつなげる。空さえみせてくれれば(=ファクト)きっと雨がふることがわかる(=解釈)ので、今日は傘をもっていこう(=アクション)となるはずですから。
一方、”傘をもっていきなさい”(=ノウハウ)まで書いてある本からは、なかなか自発的なアクションが生まれない。
☆松浦弥太郎
すべての読書は、作者との対話です。1000ページ、話を存分に聞いた後に、じゃあ、谷岡ヤスジさんに対してどう答えるのか?そのやりとりこそが読書でしょう。
☆水道橋博士
読書は人生の予行演習。自分は今50代なので、60代はこういう境地にいるとか、そういうことを事前に学習したい。人間何歳になっても人生のロールモデルが必要なんです。自分の人生を引っ張られる誰かの人生のストーリーを追いかけていたい。
☆嶋浩一郎
ボクの言う無駄は無意味とは少し違うんです。すぐに役立つわけじゃないけど、いつか役にたつかもしれないもの。小説の主人公の料理のレシピとか、SFの中の極限を生き抜くサバイバル術とか。例えばねじまき鳥クロニクルでボクはアイロンのかけかたをしりました。でも”アイロンのかけかた”という本を読んでも同じ情報にたどり着けるかもしれない。でも出会い方は違う。物語のなかで発見した情報には、自分で発見したという付加価値がある。ここに感動しろとか、こう役立つとか、読み方は人に規定されないほうがいい。
読書はもっとフリースタイルでいいんです。無駄を許容し、愛すべき無駄を集める。意識的にそうしないと、今はすべてが効率化された時代ですから。ささやかなこころの動きを感じ取る。それこそが本を読む贅沢ではないでしょうか。
2017/04/10 18:36
いろんな人の読書のついての思いが書かれていますが、
今日はその中から対照的な二人の読書感を並べて考えてみます。
①椎木里佳(中学3年で起業し女子高生社長と呼ばれているお嬢さん)
小説は話題をつくるためのエンタメのひとつだそうだ。
「リアル鬼ごっこの山田悠介は、女子高生の間では神的存在。怖いとか刺激的なもの、イメージしやすいものが好きなんですよ。スマホですぐ調べて、白黒つけられることに慣れているせいかな、モヤモヤした小説は疲れるんですよね。一回村上春樹を読んでみたんですけど、無理でしたね〜」
「悩みがあるときですか?うーーん病む(笑)ツイッターにばー、っと書いて、みんなから大丈夫?とか言ってもらって、立ち直る。小説に感情移入したり、救いを求めたりはしないですね。あるとしたらノンフィクション系とか?現実世界から解決法を探したり、目標を見つけたりすることはあると思います。けっこうみんなリアリストなんですよね」
②草彅洋平(編集者)
「もし僕が今の時代に生まれおち、ネットの記事だけ読んで育ったのなら、日常で何一つ救われなかったに違いない。文学は孤独な人や
落伍者に寛容なメディアなのだ。読書をしていると、世間的にはネガティブな出来事を書いたり、面倒くさいやつだったり、自殺したり、そんな作家の人柄を愛おしいと思える時がある。そう、人間というのは本来どうしようもない生き物なのだと、自分の弱い部分とリンクし、安心できるのだ。文学の良い所はマイナスの部分をストレートに出すことによってプラスに転ずるところに尽きるだろう」
「フェイスブックでは本音や本当にプライベートを投稿できないというユーザーがほとんどだろう。日常がメディア化された時、我々の生き方も既存の旧メディア、すなわちテレビや新聞社などのコンプライアンスと同じになってしまう。炎上しない投稿をこころがけ、ネガティブにならない表現に気を回し、聖人君子のごとく品性方向で、自身のブランディングに毎日気を使う。だがツラいときにツラいと素直に話せない、ポジティブな情報しか発信できないという世界は、はっきりいえば異様だ。」
「ネット疲れによる閉塞感からツイッター、インスタグラムへとユーザーが移動しているのも時代の流れだが、メディアに関わりながらメディア化しない方向へ、実名から匿名へ、そもそそも言葉から逃げていくように見える」
「ネット疲れした現代人が読むべき本、それはビジネス書ではなく私小説ではないか?」
↓
いかかでしょうか?
おふたりは年齢や職業が違うので言葉の饒舌さぐあいは全く違うわけですが、
そのあたりの表面的なところではなく本質的な部分を比べて考えてみたくなるところです。
2017/04/11 17:46 -
あまりヒットなかったけど、いろんな人のオススメ本って、刺激になっていいですよね。
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気になる人たちの読書スタイルやおすすめ本はもちろん、
テーマに沿った本をツマミに語り合ったり。
読書を楽しむヒントになりそう。
それにしてもブルータスならではの絶妙な人選ですね。
あの人のオススメ本も気になるけれど
巻末の目利き書店員がオススメする本の方が惹かれました。
書店員のレビューが秀逸。
興味のないジャンルの本でも惹きつけられるプレゼン力です。 -
脳内積ん読本がまた増えてしまった。