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本 ・本 (624ページ) / ISBN・EAN: 9784838771004
作品紹介・あらすじ
アニメ業界の舞台裏を描いた
熱血エンタテインメント、待望の映画化!
吉岡⾥帆 中村倫也 / 柄本佑 / 尾野真千⼦
2022年5月全国ロードショー
「どうして、アニメ業界に入ったんですか?」
時間に追われる過酷な現場で、
目の前の仕事に打ち込む仕事人たちが、
追い求めるものはいったい何なのか?
監督・プロデューサー・声優・アニメーターたちが登場。
辻村深月が紡ぎ出す最高に刺激的なお仕事小説。
人気声優の花澤香菜さん、小林ゆうさんも絶賛!
(ストーリー概要)
1クールごとに組む相手を変え、
新タイトルに挑むアニメ制作の現場は、新たな季節を迎えた。
伝説の天才アニメ監督・王子千晴を口説いた
プロデューサー・有科香屋子は、早くも面倒を抱えている・・・。
同クールには気鋭の監督・斎藤瞳と
敏腕プロデューサー・行城理が手掛ける話題作もオンエアされる。
ファンの心をつかむのは
トウケイ動画「サウンドバック 奏の石」か?
スタジオえっじ「運命戦線リデルライト」か?
今クールも、熱き戦いが始まっている――。
感想・レビュー・書評
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これは、これは!
黒辻村に白辻村が追い討ちをかけて
ブラックと言われがちなアニメ業界を
憧れゴールドにしてしまうお仕事小説
第一章 王子と猛獣使い
イケメン孤高の猛獣王子監督と 社畜根性女子プロデューサーとの 辛辣から信頼、そして愛情?
魔法少女モノ「リデルライト」深夜枠アニメで覇権を目指す
第ニ章 女王様と風見鶏
アニメ大好き女王様監督と根回し営業上等風見鶏敏腕プロデューサーが、土曜夕方アニメゴールデン枠、ロボットアニメ「サバク」で覇権をとりにいく
第三章 軍隊アリと公務員
業界の軍隊アリと自分を揶揄する極上アニメーターの地味目女子と 「サバク」で地域おこしを成功させたい市役所観光課の公務員男子
非リア女子が 誠実青年の思いに動き出す
連作の形態をとりながら、登場人物を見事に絡ませて読ませる
流れが上手いから 読み直さなくてもすっきり人物像が残る
制作されるアニメ2作もストーリーがしっかり考えられていて、作中作だけ収めるのは惜しいほど
アニメが好きだから、だけでなく、応援したくなる作品です♪ -
派遣ではなく覇権なのね…
覇権アニメ…そのシーズンに最も商業的成功を収めたアニメ作品。
辻村さんの作品だし、特に第一章は王子を探すストーリー展開なので、ミステリー的要素の強い作品なのかと思ったが、読み進めると、アニメへの愛に満ちたお仕事小説であった。
プロデューサー、監督、アニメーター、それぞれにとってのアニメ業界を描いた群像劇。最後に全てが集結して怒涛の結末を迎える。
辻村さんの作品らしく、読者をぐいぐいと圧倒的な力で物語の中へ引きずり込んでいく。
気づけば、選永市の祭りに参加している自分がいる笑
「アニメ好きにはたまらない小説ですね」とこの文庫本を貸してくれた後輩君は言っていたけど、アニメ好きでなくても充分楽しめます。
熱い思いがこもったお仕事小説は、やっぱりいいね。
明日を一生懸命生きてみようと思わせられる。
♫アイドル/YOASOBI(2023) -
アニメの世界に入りづらかったが、読み進めていくうちに入り込んでいた。登場人物のこだわりがぐっときた。感動した。
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大変良かった!この作家の作品をたくさん読んでいくと、とにかく序盤に嫌な奴が現れる。今作では並澤和奈には、「なに意固地になってるんだよ。」と感じたが、またこの作家の術中にハマってしまった。最後には感動を貰い、まさに辻村ワールド!
しかし以前東洋経済で読んだが、アニメ業界は製作委員会なるものが牛耳っていて、儲かるのは委員会と版権を持つ出版社で、現場の制作会社は赤字で仕事をさせられていると。いくら夢があっても続かない仕事で、だから中国に優秀な人材が流れていってしまう。この環境を改善して、これからも良質なアニメが作られていって欲しい。 -
小説大好き(あ、皆さんもですよね)。
もちろんマンガもアニメも映画も大好き。
作者の辻村さんもきっとそうに違いない。
本を読んだ後とか映画とか観た後に「あー面白かったー♪」なんてさらっと言ってるけど、この本を読んで少し反省。ごめんなさい。
薄々?気付いていたけど、作品を「見る」(読む)と「作る」とでは当然のことながら大違い。
生みの苦しみ。自分の納得するものを作るために妥協しない精神。そしてその人達の時間と労力から産まれた創作物を受け止め、感動をもらう私達。伝わるんですよね、そこから何かが。
心して受け止めますよ!いつでも!どこでも!
さあ、次のスピンオフへGo!(変なテンション)
「ハケンアニメ!」映画の公式サイトも見たら、話の中のアニメ映像まであってすごい作り込んでそう。
映画を観るのも楽しみだあ! -
とても面白かった!
最近見ているアニメは極めて限られているものの、やはり現代日本の文化だと強く思います。長年にわたって培われてきた。
「ハケンアニメ」を書かれるにあたって、辻村さんも業界の方々から学びながら作品を作られたとおっしゃっていましたが、全く門外漢の私でもアニメ作成現場の厳しさがひしひしと伝わってくる内容でした。
監督、プロデューサー、アニメーター、声優等々それぞれの役割を持った人々がどのようにアニメの作成に携わっておられるのか、とても興味深かったし、よく理解できました。また、巨額のコストが必要となるため「・・・製作委員会」というスポンサーの協働組織が立ち上げられるというのも近年の常識になってきているようです。私が「・・・委員会」を認識したのは「となりのトトロ」が初めてでしたが。
読んでいて気がついたのが、最近のアニメは土曜日の夕方、あるいは平日、土日の深夜に放映されている事が多いということ(今頃何に気がついているんだ?)。そういえば、家人が録画した深夜番組を数日後に観ています。アニメの対象が子供だけではなく大人に向けたものも多くなってきているという事ですね。それらは深夜に放映されているアニメです。
時代遅れの私は、この作品を読んで「そういえばそうだよね!」という事象が数多く出てきたのでした。
しかし、この「ハケンアニメ」の構成やストーリーの作り方が、「さすが!辻村さん!!」という感じで途中から大きな盛り上がりを見せてくれました。最後の盛り上がりで、ひょっとして裏切られたらどうしようと危惧してしまうほど、素直に盛り上がる事ができました。複雑さはなくシンプルに楽しめました。
読み始めでは、「ハケンアニメ」の意味すら???の状態だったのに、読み終えた時には少しはアニメの世界に詳しくなれたような?そんな気がします。
ブクログの先輩方の情報によると続編が出ている様子。これは読まねばなりません。 -
本書は一言で言うなら様々な要素を無理なく詰め込んださながら幕の内弁当のような小説でした。
アニメ業界を描いたお仕事小説でもあり、女心を描いた恋愛小説でもあり、創作物を作るプロの熱意に触れられるドキュメンタリーでもある。魔法もなければ、殺人事件も起こらない。至って私たちの日常に近い世界で描かれる普通の働く女性の人生にここまで惹きつけられるのかと感心しました。本書を読み終わった後に改めて表紙の3人の女性を見た時はさながら戦士のようにも見えてきました。
本書は働く全ての人々に日常をドラマに変える力を与えてくれると思いました。 -
映画も気になってたけれど辻村美月ファンとしては先に原作から読みたかった。と思いながら、数年経ってやっと読めました。
まず感想は、圧倒的に面白い!魅力的なキャラクターたちが頭の端から端まで駆け回り、ページを捲る手が止まりませんでした。
好きなアニメの声優が出演する動画や記事はたまに読んでいましたが、裏側ではこんなにもたくさんの人とお金が動いているのかと驚きました。
この原作を読んだ後、映画も観ました。
原作を上手くかいつまんで、俳優さんたちが素晴らしく表現されていました。スタジオえっじとトウケイ動画の対比は、原作よりもわかりやすい構成になっていました。ただ、それでもカットされていたエピソードも本当に素晴らしかったので、映画を観た方はぜひ原作も読んでほしいと思います。
それと、スロウハイツに出てくる例の彼にもここで会えました。辻村美月さんは、時系列を崩さずに過去作と絡め方が上手で毎度感動します。 -
アニメ業界で働く女性たちを描いたお仕事小説。
全3章+最終章に加え、特別篇という構成。
主に、天才アニメ監督を走らせるプロデューサー、
敏腕プロデューサーに食い物にされる新人アニメ監督、聖地巡礼事業に精を出す公務員に付き合う神原画の人気絵師といった、会社や立場も別々の3人の視点を通して、リアルで熱い物語が紡がれる。
なかでも、厳しい業界で日夜戦う彼女らの思い、
人と人との繋がりといったものが結集していく
第3章のクライマックスは、特に読み応えあり。
アニメと言えば、「スロウハイツの神様」より懐かしい人が再登場。相変わらずのカッコ良いムーブで、最高でした。こういうの、もっと欲しいです。
映画の方は原作より先に鑑賞済みで、読了後に改めて観ましたが、配役など、完成度が高かったです。
あと、かつて観た「SHIROBAKO」というアニメを
思い出しました。
著者プロフィール
辻村深月の作品






俺が買ったのはたしかブックオフでお手頃価格だったな^^
俺が買ったのはたしかブックオフでお手頃価格だったな^^
映画は見ないけど
映画は見ないけど