ハケンアニメ! (マガジンハウス文庫)

著者 :
  • マガジンハウス
4.20
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本棚登録 : 893
レビュー : 103
  • Amazon.co.jp ・本 (622ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784838771004

作品紹介・あらすじ

人気声優の花澤香菜さん、
小林ゆうさん、雨宮天さんも絶賛!
アニメを熱くする仕事人たちの感動の物語

「どうして、アニメ業界に入ったんですか?」
男も女もない過酷な現場で、
目の前の仕事に打ち込むプロたちが、
追い求めるものはいったい何なのか?
監督・プロデューサー・声優・アニメーターたちが登場。
辻村深月が紡ぎ出す最高に刺激的なお仕事小説!

★文庫版特典として、スピンオフ作品「執事とかぐや姫」収録★
★アニメ界を牽引する新房昭之監督とのスペシャル対談も収録★

彼女は、猛獣使い? 女王様?
それとも軍隊アリ?

(ストーリー概要)

1クールごとに組む相手を変え、
新タイトルに挑むアニメ制作の現場は、新たな季節を迎えた。
伝説の天才アニメ監督・王子千晴を口説いた
プロデューサー・有科香屋子は、早くも面倒を抱えている・・・。
同クールには気鋭の監督・斎藤瞳と
敏腕プロデューサー・行城理が手掛ける話題作もオンエアされる。

ファンの心をつかむのはどの作品か。
声優、アニメーターから物語の舞台まで巻き込んで、
熱いドラマが舞台裏でも繰り広げられる――。

感想・レビュー・書評

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  • 辻村深月というと、伏線張り巡らしまくりで、上下巻モノともなると、「これ本当にこのあと面白くなるの?」というような、辻村深月愛を試されているのかと思うほどのドS小説もあったりするのだが、それに比べると、本書はのっけから緊迫感のある展開で、グッと引き込まれた。おそらく、アンアンという週刊誌の連載なので、早い段階で読者の心をつかんでおこうという配慮なのかもしれない。
    要するに、辻村深月という人は、そういう風に常に読者のことを考えているサービス精神旺盛な作家なのだと思う。本書は壮大な伏線回収やどんでん返しといったものはないが、常に一定の興味を引きつけて最後まで自然に読ませてしまう筆致はさすがだと思った。お馴染み『スロウハイツの神様』のキャラクターも登場し、既存の読者はニヤリとするだろうが、そうでなくても十分に楽しめる魅力的な作品に仕上がっている。

  • 2018年12月4日読了。2015年度本屋大賞3位の作品。ある期の売上トップを指す「覇権アニメ」の座を競い複数の力作アニメシリーズの制作が進行する中、プロデューサー・監督・アニメーターらそれぞれの目標・葛藤と達成感とは。アニメ制作といえば「安月給の超ブラック環境・やりがい詐欺」のイメージが強く、それは決して間違いではないのだが、胸が苦しくなるくらい「好き!」なものを仕事にし、愛情を注ぎつつ考えやゴールの違う他人とぶつかり、妥協したりアイデアを出したりする登場人物たちがとてもまぶしく、すがすがしい。「いいモノ」と言っても、作家性を出し切ったものなのか・視聴者が求めるものなのか・グッズ含めた波及効果が大きいものなのか・ローコストで達成できるものなのか、関係者はみな違うミッションを持っているしどれも間違いではなく、ぶつかりあって企画自体がポシャることも多いのだろうけれど、それでも皆の「違い」を超えて、共通の「思い」が実現し多くの人を巻き込んでいく、それが仕事にできてお金がもらえたら、こんな幸せなことはないのだろうなあ…とも思う。登場人物の中では行城プロデューサーに非常に共感する。

  • リデルライトを観てみたくなってしまう。アニメ業界は詳しくなかったので、色々と新鮮でした。元気が出るお話。
    カバーのCLAMP先生のイラストも良い味出してますね。

  • アニメとその周辺の仕事がどんなものか想像できてなかなか興味深かった
    王子が魅力的なだけに主人公が変わるのはちょっと残念な気がした
    最後の登場もちょっと強引な感じだった

  • 前々から気になってた「ハケンアニメ!」、文庫化してしばらくして「やっぱり読んでみたい!」と手にしました。結論としては、うん、想像通り、面白い。

    好きな仕事に打ち込む人達の話は本当に面白い。この「ハケンアニメ!」だけじゃなく、別の作家さん(例を挙げるなら有川浩さんの「県庁おもてなし課」「空飛ぶ広報室」など)もそう。

    自分の仕事に愛と誇りをもっている主人公たちが眩しく感じる一方で、その仕事の見えざる苦悩や悩み、困難を多角的に捉えているところが凄い。んで、辻村さんの場合、複数の主人公のそういう細かいところまでうまーく絡めていくから。プロデューサー、監督、作画と役割の違う人達。素人からしたら一緒に働いてるイメージを持ちそうだけど、実際はバラバラの仕事で、でも接点はしっかりあって……みたいなうまい絡み。

    もっともっと、彼ら彼女らの話を読んでみたいと思わされた一冊でした。

  • 本屋大賞2015年3位。アニメ業界を題材とした女性スタッフ視点のお話。アニメの覇権争いや地域とのタイアップ企画の内幕が章毎にプロデューサー、監督、アニメーターを主役として生き生きと描かれている。とにかく登場人物が魅力的で躍動してるし、話も引き込まれて何度か感動してうるっとくる。平易な文章で展開も自然でわかりやすくラノベっぽいけど、サクサク読めるし自分的にはこういうのはとても好み。終盤まではこりゃ最高傑作だなと思って読んでたけど、最後に関係者が全員集まって大団円を迎えるところで、さすがにこれでは話が甘すぎるしちょっとしまりがないって感じになる。もう少しピリっとした何かが欲しかった。自分はアニメ全然興味なかったので業界も全然知らなかったけど、いろいろ知識が得られてお得感あり。

  • またしても辻村深月にやられた。
    買ってしばらく置いておいたのに。
    よみ始めたら、瞬殺。

    第1章で、王子の描く『リデルライト』がもう観たくて観たくて。
    伝説のチヨダ・コーキ回なんて垂涎モノで。
    ああ、この空間が、王子に振り回されて覇権アニメなんてクソ喰らえだ!と痺れていたくなった

    のに、第2章!

    そんな『リデルライト』を見据える『サバク』のストーリーがまず、凄すぎません?
    辻村深月、ここで才能使って裏方描いて大丈夫なんか、と。衝撃すぎた。
    斎藤監督と行城さんのシビアコンビが、王子と有科コンビの対極を行くのに、この二人にはこの二人の良さがあって、ツライ。

    二つの最終回がきちんと書かれていたのも良かった。あああ。すごいな。
    そんな二作を上回るアノ作品が気になって仕方ないけれども。。。

    裏方のあり方をしっかり書いた小説としても、小説内のアニメを、観れるわけではないのに堪能する読み方をしても、どちらも楽しめる。

    あー。実写化しないかな。『リデルライト』と『サバク』。

  • 元気、エネルギーをチャージ出来ちゃう、そんな物語でした。チヨダ・コーキも登場でうれしいな~。みんな応援したくなる、愛しい登場人物たちに心奪われ一気読みです。

  • 愛があふれている。登場人物たちの仕事への愛、作品への愛、そして作者の辻村深月さんのアニメへの愛が熱い。アニメ業界に限らず、どんな仕事にも通じる愛。うらやましくもあり、勇気づけられる。特に軍隊アリと公務員が好き。いい仕事は、自分も他人も助ける。

  • 一章、二章…と意外な繋がりがとても楽しかった。そして魅力的な人がたくさん。大好きな作品になったと思う、ハケンアニメ。

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著者プロフィール

辻村深月(つじむら みづき)
1980年山梨県生まれ。千葉大学教育学部卒業後、2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。2011年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、2012年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、2017年『かがみの孤城』で「ダ・ヴィンチ ブックオブザイヤー」1位、王様のブランチBOOK大賞、啓文堂書店文芸書大賞などをそれぞれ受賞。本屋大賞ノミネート作も数多く、2018年に『かがみの孤城』で第6回ブクログ大賞、第15回本屋大賞などを受賞し、2019年6月からコミック化される。他の代表作に『子どもたちは夜と遊ぶ』『凍りのくじら』『ぼくのメジャースプーン』『スロウハイツの神様』『名前探しの放課後』『ハケンアニメ!』『朝が来る』など。新作の度に期待を大きく上回る作品を刊行し続け、幅広い読者からの熱い支持を得ている。2020年、河瀬直美監督により『朝が来る』が映画化される。

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