- Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
- / ISBN・EAN: 9784839602932
作品紹介・あらすじ
タイのことを知りたいと思う人が最後まで一気に読めて、基本的な情報がすっと頭に入る。
〇読みやすい・・・研究者がひとりで執筆→全体のまとまりがある。
〇理解しやすい・・・各節2~4ページ。写真・図版・地図を多用。
〇必要最小限の知識・・・詳しくなりすぎない。固有名詞より流れや構造を重視。タイを代表する人物15名のコラムがユニークで役に立つ。
〇読者の立場に立ったレイアウト・・・細部まで気を配り、親切に。
感想・レビュー・書評
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最新の社会情勢も含めた基礎知識が分かりやすく記載されている。手元に欲しい。
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タイ旅行にあたって読了。
•タイも仏教だが、日本と流派が違う。日本は大乗仏教でタイは上座仏教。大乗仏教は他者を救済することを目的としているが、上座仏教は自己の救済、自身の徳を積むための行為が、来世ののより良い生活に結びつくと考える。
•タイには精霊侵攻があり、ピーと呼ばれている。祖先の霊、地域の守護霊、自然に宿る霊など…。タイの街(ムアン)には必ず町の守護霊をまつるラックムアンという柱もある。 -
タイに行った前後で一読。
政治状況、国王について、周辺国との関係、日本との関係、国民の気質、宗教観など、ガイドブックでは決して得られない知識を学べた。 -
地理気候歴史など幅広い分野をカバーしていますが、個人的に印象に残ったポイント:
<社会>
東南アジアはベトナム、ジャワ、ルソン(フィリピン)など一部の地域を除いて人口密度の小さい小人口世界であり、土地よりも人の方が重要な資源であったことから、伝統的な戦争における戦利品は人であり、二者関係が卓越した社会が形成された(保護を与えるピーと忠誠を尽くすノーン)。タイ社会は個人主義的な傾向が強く、集団主義的日本社会と比べて「緩い」社会と形容される。また、とりあえず社会の構成員の誰かと二者関係を構築すれば、新参者もすぐ社会の一員になれるという側面があり外国人にとって居心地がいい。タイの「能力があれば出自を問わず登用する」という伝統の基盤となっている。
<歴史>
・ラーマ4世はビルマや中国が列強に敗北するのを見て、 列強と対立するのではなく可能な限り列強の要求を受け入れて良好な関係を構築する道を選んだ。その結果、イギリスと不平等条約を締結し伝統的な皇室独占貿易を廃止し自由貿易を認めた。(このようにタイ経済を握っている存在であったことが、タイ王室が世界一お金持ちの理由?)最大の財源である王室独占貿易から収入を失うことになったので、これに代わる財源として輸出を奨励することになった。当時米は東南アジアの植民地化に伴い需要が増していた。
・ラーマ5世は、タイの独立を守るために分権的な国家体制の中央集権化を推進した(チャックリー改革)。結果的に中央集権化の推進と鉄道による経済的統合の成果によりイギリスとフランスが定めた緩衝地帯よりも多くの領土をタイ国の領土として保全することができた。 -
ハードカバーですが、平易に書かれていてとても読みやすかったです。大学の先生が長年の研究を踏まえて体系的にまとめられた本がとても読みやすく、知識を得やすい点で本書は良書と言えます。
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タイトルにもある通り、この本を読めばタイについての基本的なことは大体わかります。まじめに学術的に書かれているので、多少読むのに時間がかかりました。
国際関係の中でも特に周辺諸国との関係が興味深かったです。植民地になったことがないという点で、日本との共通点も多いと感じました。