Googleの正体 (マイコミ新書)

著者 :
  • 毎日コミュニケーションズ
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感想 : 101
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784839933463

感想・レビュー・書評

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  • なぜOSや携帯にまで手を伸ばしてもgoogleが儲かるのか
    無料のサービスで利益が出る仕組み

  • 読みやすく、わかりやすい。
    基本的なことを教えてくれる本でした。

  •  『グーグルの正体』というタイトルからすると、“グーグルの正体見たり!”といった、グーグルの裏の顔を暴いたように思うかもしれません。しかし、本書はそのようなものではなく、グーグルの収入源と、そのためにどのような戦略をもって進もうとしているかという、グーグルの成り立ちを正体として記している本です。
     一言で言えば、グーグルの収入源はアドワーズ広告によるもので、戦略はインターネットを普及することにあるようです。そのために無料のサービスがどんどん充実しているとのこと。
     しかしグーグルが利益追究型の企業にならないのは、インターネットの世界をもっと便利に、もっと確かなものにすることが、結果として地球全体の人々に利益(精神的な面での利益も含め)をもたらすという理念があるからです。グーグルが掲げる企業としての理念は、これまでにない企業の理念、ビジネスモデルとして注目を集めていますが、そういったグーグルという企業がもっている精神面の余裕は、見習うべきところがあるのかもしれません。
     「グーグルって何?」「どうやって成り立ってるの?」という面を知りたい方には、本書は最も基本的な一冊になると思います。もう少し突っ込んだことを知りたい方には不十分だと思います。

  • この1冊でGoogleの正体(成し遂げようとしている使命とそのためのビジネスモデル)は本当に理解できる。「広告事業でお金を稼いでいる」「検索エンジンの会社」「最近はWebサービスやOSの開発などいろんなことに手を出している」といった面は、Googleの一部を表層的に理解しているにすぎない。その裏には、はっきりとした1本の線が通っている。

    まずはビジネスモデル。Googleのお金の稼ぎ方は「広告」である。Googleで検索した結果ページに表示される3行広告「Google AdWords」。クリックされることで広告主からもらう数十円の広告料が、年間2兆円もの売り上げにつながっている。

    非常におもしろいのは、 AdWordsが屋外広告や交通広告などの「プロモーションメディア」にお金を掛けていた企業を対象にしている点だ。マスメディアに多額の広告を支払えない地域企業や中小企業はあまたある。それらの企業の広告出稿量の総額は、実はテレビなどのマス広告を上回っている。広告で売りたい商品やサービスはニッチである場合が多く、マスに打つ必要はない。真にそれを欲している人(検索エンジンで情報を調べる人)にさえ広告が届けばいいのだ。これを実現するのがAdWordsである。

    世界中のロングテールの需要をテクノロジーでかき集め、欲しい人に適切な情報をわずか3行の広告で届ける――というビジネスモデルが、今のGoogleを強烈に支えている。

    この「検索連動型広告市場」は、まだのびしろがあるという。全世界でインターネットを使っている層は、全人口の3分の1程度。裏を返せば、インターネットを使っていない人が3分の2以上もいる。その人たちがGoogleを使って検索をするようになれば、利益は単純計算で今の3倍以上になる。Googleが次に目指すべき市場は、ここにある。

    それを狙い撃つのがWebでの利用に特化したOS「Chrome」であり、携帯電話のOS「Android」だ。これらはいずれも無料で公開されており、誰もがそれを自由に改良したり、再利用したりできる。普通OSは企業が多額の投資をして独自開発するため、市場に出回る時には価格が伴う。だがGoogleが提供するOSは無料。当然価格競争が激しく起こっているPC(Netbook)や携帯電話(スマートフォン)において、GoogleのOSの採用が進むだろう。

    そうして誰もがGoogle OSが搭載された機器を低価格で手に入れ、使うようになる。当然Googleの検索エンジンが搭載されており、人々はそれを使って検索をする。その行為が、Googleの広告のクリック率を高め、利益に結び付く。Googleが提供する種々の無料サービスは、最終的には「Googleの検索エンジンを一人でも多くの人に使ってもらう」というミッションを達成するためのものだ。これがGoogleのビジネスモデルの正体であり、「世界中の情報を整理」し「世界中の人々がアクセスできて使えるようにする」というミッションの達成につながっていく。

    Googleが打ち出すあらゆるサービスの裏には1本の線が通っている。冒頭で挙げたこの事実は、本書を読むことですっと腹に落ちるのだ。

    Googleが「人々の生活のインフラになっている」という示唆的な論考も記述されているが、あながち間違いとはいえない。われわれは情報を集めるときに、必ずといっていいほど検索エンジンを使う。日本ではヤフーが強いが、世界を見ればGoogleのシェアは圧倒的だ。Googleが打ち出すWeb関連のサービスは、結局のところGoogleの使命とビジネスモデルをまっとうするためのもの。Googleの挙動は、われわれの生活インフラが今後どう変貌していくかということと、密接に結び付いているという。

    ネット時代を生きる人にとって、Googleとのつきあいは避けて通れない。Googleを理解することは、ネットを使うあらゆる人にとって必修なのかもしれないと強く感じた。

  • Googleが何を考えて色々なサービスを無料で提供したり、Android・ChomeOSというOSまでを提供するに至る背景がわかります。
    その辺を知りたい方はぜひどうぞ。

  • googleが世に便利なサービスをなぜ供給出来るのか
    googleはどこから利益を生み出しているのか
    googleは神か悪魔か
    とても丁寧でわかりやすかった
    google入門的な

  • googleの成り立ちや利益の得かたなど色々な面が書かれていて分かりやすい。後半はちょっとSFみたいな話になっていたが、そこまでありえない話でもないなあと思わされてしまう。

  • あらためてグーグルって感じ。

  • google入門的内容。もう少し考察もしくはバックデータがあるとよし

  • googleが提供してくれる多くの無償サービス。どこから経費が出てくるのだろうか、ビジネスモデルが気になるところ。また個人情報が収集され、行動把握までされているが大丈夫か、そんな疑問を持つ方はお読みください。

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著者プロフィール

ITジャーナリスト。ITビジネスやIT機器について、消費者や生活者の視点からやさしく解説する力量に定評がある。著書に『Google の正体』(マイコミ新書)、『インターネット社会の幻想―世界最強のメディアをめぐる誤解と正解』(アルク新書)、『グラフはこう読む! 悪魔の技法』(三修社)、『Macの知恵の実』(毎日コミュニケーションズ)、『ゲームの父・横井軍平伝―任天堂のDNAを創造した男』(角川書店)などがある。

「2013年 『あなたの家族がよろこぶiPad生活入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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