拝み屋つづら怪奇録-異聞拾集篇- (マイナビ出版ファン文庫)

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  • マイナビ出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784839975081

作品紹介・あらすじ

愛犬の死を引き金に身近な人間に不幸な事故が相次いで起こるようになった紗雪は住職の紹介で拝み屋を頼ることに。
そこで出会ったのは、着物に身を包んだ美丈夫の津々良。彼は、紗雪を厳しく諭しながらも問題を解決してくれたのだった。
拝み屋の助手として半年近く雇ってもらっているのに、津々良の仕事について何も知らなすぎることに危機感を覚える紗雪。
少しでも恩人である津々良の助けになりたいと思い、勉強を始めることに……。

ほんのりダークな現代怪異奇譚
待望の第二弾!

感想・レビュー・書評

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  • 紗雪ちゃんの成長のお話ということで、少しずつ自分から行動できるようになった彼女を見守られたのは嬉しかった。
    料理も少しずつできるようになったし、何より苦手そうな相手にも自分の主張を言えるようになったのは大きい。
    一朝一夕に成長できるわけではないから、新キャラのデカさに怖がってしまうのは仕方がないけれど。
    この新キャラが本当にいい人で、最終的には紗雪ちゃんとも気が合いそうで安心した。
    何より懐がでかい。
    何でもおいしいと食べてくれるところも、自己評価の低い紗雪ちゃんにとってはいいリハビリになったと思うし。
    山で修行しているから、色々とスペックが高いし。

    その彼が結構出番が多いので、津々良さんの出番が少ないのがちょっと残念だった。
    ただその少ない出番でしっかり紗雪ちゃんとの距離を縮めてくるのは、流石ヒーローである。
    紗雪ちゃんへの甘やかしが凄い。
    ただ彼女へは届いていないみたいだが、傍から見れば十分特別扱いされているぞ。
    あと何気に山菜苦手とか可愛いところも。
    要所要所でおいしいところを的確に曝け出してくれる御仁である。
    ありがたや。

    作中にあった旅行の話が持ち越されてしまったので、これは3巻が出ると思っていてよろしいか。
    旅行になると津々良さんとの絡みが必然的に増えるだろうから、今から楽しみである。

    話が前後するが、個人的には花瓶に宿った老婦人の話が特に印象的だった。
    活けた花が枯れない花瓶。
    その花瓶に宿った想いは決して悪いものではないけれど、この世界の設定上、長くとどまる思いは悪霊となってしまう。
    それが切なかった。
    やはり自然の摂理を曲げてしまう存在は、いいものだとしても駄目なんだなと。
    でも、その想いをちゃんと紗雪ちゃんが昇華できたのは本当によかったと思う。
    その光景も美しかったので、より強く印象に残ったのかも。

  • 2巻嬉しい!道生登場。めっちゃいいやつ。
    紗雪ちゃん、まだ臆病でもったいないところあるけど、とにかく真面目で健気。今までその性質でたくさん嫌な思いしてきただろうけど、これからはそこが美点として輝くはず!3巻は旅行かな?楽しみ!
    今度近所の神様にごあいさつに行ってみよう。そんな気持ちになった。

  • 紗雪がまだまだながら色々頑張って成長して行ってるのは分かるのですが、なんかちょっとふわっとしてるというか何してるんだろうという感じがします。
    怪異もそんなにおきないし、怪談を読みふけるってなんだろうという気が。もうちょっとちゃんと事件がおきて欲しかったな。

  • #読了 紗雪の成長物語にふさわしいお話だった。まだまだ弱々しい印象の紗雪だけれど、自分を大事にしてくれる人たちのために立ち向かえる強さが見えてよかった。
    新キャラの道生がまたいい人で、静かな空気の津々良とおとなしい紗雪の物語のスパイスになってる。良い。

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著者プロフィール

福岡県在住。2017年「こんこん、いなり不動産」(マイナビ出版ファン文庫)で書籍デビュー。2019年「扉の向こうはあやかし飯屋」がアルファポリス第2回キャラ文芸大賞特別賞を受賞。

「2020年 『扉の向こうはあやかし飯屋』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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