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- Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
- / ISBN・EAN: 9784839976965
作品紹介・あらすじ
将棋に関する12編のアンソロジーです。
田井ノエル『盤上の記憶』
水城正太郎『勝ってくれ』
桔梗楓『将棋を忘れなかった人』
溝口智子『どこまでも高く駆け上れ』
矢凪「成駒のごとく」
猫屋ちゃき『一番強い龍になる』
朝来みゆか『小さな森で眠る鳥たち』
日野裕太郎『一緒に違う場所を見て』
編乃肌『ふたりの歩』
澤ノ倉クナリ『白い昼と月の夜のエチュード』
他二編収録
感想・レビュー・書評
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将棋界隈で何度か宣伝されていた本だったので、気になって購入。
5分で読める「泣ける話」っていうのもナンだかなぁという初手(笑)
そして将棋の駒が名前に冠されているのは、将棋小説あるあるなんだろうか。
個人的に印象的だったのは「勝ってくれ」。
この話は「百折不撓」から始まる。
それだけでニヤリとする人が多くいると思う。
最年少棋士が中年の星からタイトルを奪取したあとの、NHK杯での一局が、ストーリーの背景に流れ続けている。
5分で読めるお話に含まれた、見えない所にある深い想いと物語。素敵な構成だと思う。
もう一つは「小さな森で眠る鳥たち」。
曾祖父が取った駒を使わなかった意味と、孫たちが遊ぶ「どうぶつしょうぎ」の愛らしさが、こんな風に重なってくるのか!と、最後は驚かされる。
ゲームとしてだけではなく、そこから棋風や思想を見出すことの意味。
「盤上の物語」という言葉にワクワクさせられた私にとっては、棋士が織りなす一局から目が離せなくなる理由は、きっとそういう所にあるのだろうなと感じている。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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