戦争で死んだ兵士のこと

著者 :
  • KADOKAWA(メディアファクトリー)
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  • Amazon.co.jp ・本 (1ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784840103978

作品紹介・あらすじ

シンプルな絵と文が心にひびく本。今こそ世界中の人々に届けたい、感動の1冊。

感想・レビュー・書評

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  • タイトル通り。
    戦争でひとりの兵士が死に、彼の人生を少しずつ遡って描いていく。淡々と。

    泣けた。

    「今日、〇〇地区で銃撃戦が行われ、およそ〇人に及ぶ犠牲が出た模様です。」
    このようなニュースを、我々は時々耳にする。
    海外の、知らない地区の、知らない人たちの生死を、ただ数字として、ぼおっと聞いている。想像力は働かないか、働かせない。
    けれど、そこで犠牲になった人間には、一人一人にこのような人生があった。
    自分と同じように。または、自分の子と同じように。
    戦争とは、人が死ぬとは、そういうこと。

    高学年から。

    英語併記。
    海外の作家の作のような雰囲気だが、日本の作家さんであった。
    1997年刊行の作品に加筆復刻。

  • ブクログのおすすめから。赤子のいる身として、耐えきれない気持ちになる。

  • 私にはお母さんが二人いる。そしてお父さんも二人いる。でも本当の意味でお母さんとお父さんは二人だけ。それは私の入学式に喜んで来てくれた二人。運動会で大きな声援をくれた二人。参観日にきてくれた二人。あっという間に高校へ通わなくなったけど一度も責めなかった二人。成人式にお祝いしてくれた二人。私が生きてきた歴史を知っている二人がお母さんとお父さん。ありがとう。

    戦死をした兵士。彼にも生きた歴史がある。生まれた日。初めて言葉を口にした日。自転車に乗れた日。入学式に卒業式。受験勉強や恋愛。彼だけではなくて人には生きてきた歴史がある。そして、それを見守ってくれたり、一生に泣き笑いをしてくれた人がいる。綺麗事かもしれないですが大切な命。それは自分も相手も同じ。戦争で命を落とすなんて勿体無い。

  • 人は

    どんな人にも
    親があり

    しんでいい人なんて
    どこにもいない

    戦争が
    永久に
    なくなることを
    祈りたくなる

    そんな本です

  • ずーっと以前に購入した「小泉吉宏」の絵本『戦争で死んだ兵士のこと』を、息子が私の書棚から取り出して読んでいました。

    再読してみたくなり、久々に読みました。

    -----story-------------
    今は、のどかな森のほとり、ひとりの兵士が死んでいる。
    1時間前、兵士は生きていて闘っていた。
    2時間前、兵士はひとり道に迷っていた。
    …10日前、恋人にプロポーズをし将来を誓い合った。
    バスケットボールが好きで高校時代は毎日していた。
    8歳の時、近所の犬の顔に落書きをしておこられた。

    この絵本は戦争の絵本でありながら、戦争を描いたものではない。
    今は死んでいるひとりの兵士の人生を誕生までさかのぼっていくのであるが、その人生はあまりにも普通で、だからこそ胸に響く。
    ニュースでの戦死者は数で語られることが多く、その映像も現実味のないもの。
    しかし、そこで死んだ兵士のみならず一般の民衆にも、それぞれ普通で当たり前の幸せがあったのだということに気付かされる。
    シンプルな絵に簡潔な文章。
    淡々と描かれるそのページの余白に、何かを考えずにはいられない。
    -----------------------

    いやぁ… 再読なのに目頭が熱くなりました。

    普通の人が普通に暮らしていたのに、戦争が人生を変えてしまう… 淡々と描いてあるのに、それが逆に心に響きますね。

    戦争が起きると、大きな話題ばかりに目をさらわれてしまいますが、、、

    実際は一人ひとりの人間が生死を賭けて闘っているんですよねぇ。

    わかってはいるけど、知らず知らずのうちに目を背けていること… 現実から目を背けていることに気付かされる一冊です。

  • 戦争で死んだ兵士にもまた他の誰とも変わらない日常があった。

    非日常な戦争と日常は一体どこで分かれていくのだろうか。

    じんわりと響く本です。

  •  誰もが、生まれたときから兵士だった訳じゃない。
     殺しあうために生まれてきたわけじゃなかったんだ。

     湖のほとりで死んだ兵士の時間を少しずつ巻き戻していく絵本。めっちゃ短いけど、すごくいい作品だと思った。
     ただ、生活のためとはいえ、この兵士は自ら軍に入った人だったので、「戦争が起きればそりゃあ出撃させられるだろうにその覚悟はなかったのかい?」っていう疑問と、「生活のために軍に入って、戦争に巻き込まれるところにこそ悲劇があるんじゃないか?」っていう反論が同時にわたしの心のなかにあって、そのあたりがまだ自分の中でモヤっとしている。

     そして、そんな兵士の自己責任うんぬんをいちいち考えて、ただ純粋に一人の人間の死を悲しめるようなやさしさに欠ける自分に、ちょっとがっかりする。


    ※この本はahiruさんのまとめ「戦争について考えてみる」http://booklog.jp/matome/1020/donadona で知りました。
    素敵な本との出会いに感謝。
    このまとめ、わたしも作ってみたいので、鋭意選定中。

  • 実在するフィクション。

  • score:4.4

  • 「今は、のどかな森のほとり、ひとりの兵士が死んでいる。1時間前、兵士は生きていて闘っていた。2時間前、兵士はひとり道に迷っていた。…10日前、恋人にプロポーズをし将来を誓い合った。バスケットボールが好きで高校時代は毎日していた。8歳の時、近所の犬の顔に落書きをしておこられた。
     この絵本は戦争の絵本でありながら、戦争を描いたものではない。今は死んでいるひとりの兵士の人生を誕生までさかのぼっていくのであるが、その人生はあまりにも普通で、だからこそ胸に響く。ニュースでの戦死者は数で語られることが多く、その映像も現実味のないもの。しかし、そこで死んだ兵士のみならず一般の民衆にも、それぞれ普通で当たり前の幸せがあったのだということに気付かされる。シンプルな絵に簡潔な文章。淡々と描かれるそのページの余白に、何かを考えずにはいられない。(小山由絵)」

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著者プロフィール

小泉吉宏(こいずみ・よしひろ)
1953年静岡県浜松市生まれ。武蔵野美術大学卒業。漫画家、絵本作家。著書に第45回文藝春秋漫画賞を受賞し、累計250万部のベスト&ロングセラーとなった『ブッタとシッタカブッタ』(KADOKAWA)シリーズや、第6回文化庁メディア芸術祭優秀賞を受賞した『大掴源氏物語 まろ、ん?』(幻冬舎)のほか、絵本『コブタの気持ちもわかってよ』(幻冬舎)、『戦争で死んだ兵士のこと』(KADOKAWA)など多数ある。また、卒業式や結婚式で読み継がれている詩『一秒の言葉』の作者でもある。

「2021年 『生きるん。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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