嘘つきは妹にしておく (MF文庫 J し 2-1)
- KADOKAWA(メディアファクトリー) (2002年11月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
- / ISBN・EAN: 9784840106740
作品紹介・あらすじ
ある日、主人公・ヨシユキのカバンの中に、見覚えのないものが入っていた。それは、ほとんどのページが真っ白な、おかしな本。「その本はね、あるお芝居の脚本なの」突然現れた女の子は、自らを「現実じゃないの。妖精かな」と言う。ヨシユキはその少女「みど」と共に、失われたページを持つ人々を捜すことに…。果たして、そこに描かれていた物語とは?そして、みどの正体とは?あなたの心に切なさと懐かしさを喚起するファンタジックストーリー。
感想・レビュー・書評
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嘘シリーズ普通
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言葉選びが正しいかどうか確信がないけど、こういうのをジュブナイル小説っていうんだろう。
自分がまだ多感だった(はずだ)中高生の時に読んでたら間違いなく感化されまくって、不意に真っ白い本が鞄に入ってやしないかと期待する日々を過ごしてたんだろうなと思う。「もしかしたら自分の身にもこういう不思議で魅力的な出来事が起こるんじゃないか」ってワクワクが詰め込まれた物語。全体的に散りばめられた夏の季節感も相まって、好きです。ゆりか先輩。
話の展開やノリに時代を感じるけど、それも含めて学生時代への懐かしさがこみ上げてくる素敵な一冊だった。僕はゆりか先輩こと自分の世界を確立しているコスプレ好きを姉にしておきたい派です。 -
嘘と妖精と物語の話(そのまんまだな、なんか)。ボーイッシュな妹萌えにはたまらない。ストーリーはサクサク進むが、作者が戯曲家みたいなものをやっているせいもあってか、ちょっと地の文よりも台詞が多い気がする。全体的におとぎ話を現代でやっちゃったような雰囲気なのでありえないことが起きたり都合よく話が進んだりしてちょっと説明が欲しいところもあるが、物語としては面白い。やっぱり読後感の良いハッピーエンドが一番ッスよ。終わりよければすべて良しっていうしネ
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ん…微妙かな…
ストーリー自体は面白かったけど、話を集める過程、あるいは大切な人が傍に居ることのどちらかをもっと書いて欲しかったかな。
でも最後がよかったー!!ハッピーエンドバンザイ!! -
ライトノベルというよりはジュブナイル。
あー確かに舞台でやったら面白そうだなーと思う。
キャラクターも記号じゃない魅力があって素敵。 -
不思議な世界観の本でした。
それでいて、ちょっと胸がきゅうとするような話。 -
懐かしくなる
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ゆりかさんステキです。
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“「えっとね。いきなりだけど私、現実じゃないのね」
本当にいきなりだ。
「立場とか、説明するの難しいんだけど……ヨシユキ君が持っている本の、抱いている魂っていうか、物語を管理する人っていうか……
一番近い言葉でいうと、本の妖精かな」
「きついなーおい」
「きついよね。私もそう思う。羽もないし、不思議な力使えないし、ただ、その本をどうにかしてほしいっていう気持ちだけで、人間の形になっているようなもんだし。あ、そう考えると私って霊に近いのか」”
嘘と不思議の町物語の三部作の中では、一番しっくりした終わり方だといえる。
これは、バラバラになった物語を集めて欲しいという妖精のみどと嘘の話。
どこか飄々としている少年、川原ヨシユキ=太田さん
ヨシユキの父、ヨシオ
妖精で妹で嘘な、みど=イライザ
コスプレ趣味の、荻原ゆりか=地縛霊子
作家志望の、合田文乃=アリス
小柄で華奢な少年、紺野拓海=純平
みえる幽霊の、宮村直子=直ちゃん
カメラマンの、湯沢卓也=ヒロミ先生
同じくカメラマンの、石井和志=ナガタ先生
ヨシユキ君がいなかったら消えてしまう。
そんなみどの存在が、最後の最後には確かなものになった。
だから、うん。
この話は、ハッピーエンドといえるだろう。
“ぺちん、といきなりみどが自分の膝の上を叩いた。
「蚊にくわれた」
「どこまで人間的な妖精だお前は」
「あ、見て!あれ、文乃さんだよ」
薄緑のドアが少しだけ開いて、隙間をくぐるように文乃が出てきた。私服姿だ。
「よし、みど走れ!」
「瞬間移動は?」
「効率悪いから禁止だ、早く行け」
「うんっ」” -
結局…ミドは本の妖精なのか人間だったのか…
08'6'13