不思議の国のアリス

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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784840115100

作品紹介・あらすじ

守ってあげたいアリスです。村山由佳(直木賞作家)の新訳。トーベ・ヤンソンの"幻のアリス"40年の時を経て初公開。

感想・レビュー・書評

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  • 先日、岩波少年文庫「不思議の国のアリス」を読んだ。
    (脇明子 訳・ジョン・テニエル 絵)
    そしてトーベ・ヤンソン挿絵のアリスがあると知り、こちらも借りる。

    トーベ・ヤンソンと言えばムーミンで有名だが、画家やイラストレーターとしても多くの作品を残しているそう。
    こちらの本も表紙から素敵で、目にしたらきっと手に取りたくなるはず。
    (残念ながらブクログの画像は薄暗くて魅力が伝わらない(T_T))
    アリスの物憂げな表情、チェシャ猫の不気味さ…

    作中の挿絵で好きなのは、帽子屋と三月ウサギのティーパーティーの場面。ネムリネズミも居る。
    この本では帽子屋が関西弁、三月ウサギは江戸っ子風に訳されているのが新鮮だけど、不思議の国がぐっと身近に感じて面白い。

    読み終えても、画集のように何度も見返してしまう。
    うーん、やっぱり好き。



    村山由佳さんの訳は、「キャロル自身がアリスに語り聞かせる口調をそのまま文章にした」
    とあとがきに記されているように、飾り気のない口調で親しみやすい。
    私には読みやすく感じた。

    • aoi-soraさん
      猫丸さん
      素敵な情報をありがとうございます!
      早速隣に並べてみました。
      断然キレイですね。

      オマケの記事では、イラストを見ることができて感...
      猫丸さん
      素敵な情報をありがとうございます!
      早速隣に並べてみました。
      断然キレイですね。

      オマケの記事では、イラストを見ることができて感激です。
      しかもカラー!!
      ありがとうございます(⁠*⁠˘⁠︶⁠˘⁠*⁠)⁠.⁠。⁠*⁠♡
      2024/01/16
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      aoi-soraさん
      猫は超が付くヤンソンファンなんです。
      特にイラストの、、、初期のムーミンシリーズに描かれた挿絵は不思議な世界観を十...
      aoi-soraさん
      猫は超が付くヤンソンファンなんです。
      特にイラストの、、、初期のムーミンシリーズに描かれた挿絵は不思議な世界観を十全に表しています。逆に後期のイラストは、行間を読ませる文章に呼応するかのように余白を活かした感じ。どちらも素敵です。
      そして猫が邦訳を待っているのが『ホビットの冒険』(イラストだけ観るなら原書でも良いのですが)。何所か出版して呉れないかしら、、、

      トーヴェ・ヤンソン挿絵『ホビットの冒険』(フィンランド語版) – トールキン書籍案内 - The Study of Bag End
      https://bagend.me/books-goods/tove_jansson_hobbit_finnish/
      2024/01/23
    • aoi-soraさん
      猫丸さん
      「ホビットの冒険」の挿絵、素敵です……
      これは日本語訳を待ちたくもなりますね!
      ムーミンシリーズ。確かに本によって絵柄の雰囲気が違...
      猫丸さん
      「ホビットの冒険」の挿絵、素敵です……
      これは日本語訳を待ちたくもなりますね!
      ムーミンシリーズ。確かに本によって絵柄の雰囲気が違うな、とは思っていました。
      なるほど、また最初から読みたくなります。
      ありがとうございます。⁠◕⁠‿⁠◕⁠。
      2024/01/24
  • 翻訳は、新潮文庫の『不思議の国のアリス』、矢川澄子さんの作品の方がずっと原作に忠実です。
    日本語という言葉のニュアンスをいかに英語に近づけ、読者に伝えるか・・・生みの苦しみすら匂ってくるような名訳です。
    原著か、矢川澄子訳を読んでから本書を読むことをお勧めしたいなと思います。

    こちらの作品は、トーベ・ヤンソン氏の挿絵が主役です。

    挿絵って、物語のすべてを絵にするものでなく、物語のイメージを豊かにするためについているものだと思います。
    だから、作り手の印象深い場面「ここを絵として表現したい」そんな思いのある場面が、絵になるんじゃないのかなと、勝手ながら想像しました。
    「え!?ここ??」
    今までイメージしてこなかった場面にふっと挿絵が出てきて、表現の仕方も、すごく面白いんです。
    トーベ・ヤンソンさんの頭の中のイメージは、ものすごく独創的で、可愛くも怪しくも、見たいような見たくないような、影も光もすべてを取り込んだ万華鏡のように変化する不思議な魅力に満ちおり、虜になってしまいました。
    今までに見たことも、感じたこともない、アリス。
    トーベさんは、こんな風に『不思議の国のアリス』について感じているんだぁと、そのセンスに圧倒されました。

  • ふしぎの国のアリスは、多くのアーティストが影響を受けてきました。

    アリスもののオマージュ作品の多いこと、そしてアリスが今もなお影響を与え続けている事を考えると、ルイス・キャロルのこの作品は本当にすごいと思っています。

    ふしぎの国のアリスは、定番のジョン・テニエルだけではなく、多くの絵描きさんがその挿し絵を描いています。
    そのなかで、アーサー・ラッカムのもすごく良いですが、このトーベ・ヤンソンのもかなり好きです。

    内容に関しては、ノンセンスや言葉遊び、そして陰鬱さの中にはっきりと見えるアリスの存在感は本当にすばらしいです。

    個人的には、あんなに怖い思いもしたのに、夢から覚めた時に、アリスはなんてステキな夢だったのだろう!
    って言うんですよね。

    どんな時でも好奇心を失わない、アリスのその姿が本当に好きです。

    ふしぎの国のアリスに、もれなく多大な影響を受けている一読者でした。

  •  行きつけの図書館、佐々木マキ挿し絵のアリスを借りようとしたら、かたわらにトーベ・ヤンソン挿し絵版があるではないか。
     マキ先生には悪いけど、そちらを先に借りてしまう。
     何せヤンソンと来たら、イラストレーターとしても一家をなし、トールキン『ホビットの冒険』の挿し絵も手掛けている。決定版とも言うべきアリスを描いたジョン・テニエルと渡り合える腕前だ。
     美女・美少女が皆目でてこないムーミン・シリーズだが、ことアリスとなれば、美少女に描かざるを得ないはず。
     読む。村山由佳による訳文は語り口調で、英語のシャレも果敢に翻案してくれる。
     さて、挿し絵。さすがはヤンソン、不思議の国の幻獣はウキウキ生き生き描いているのに、アリスは何だか物憂げで、よく見れば可愛いのかな……? 美少女が犇めくフィンランド。モデルには事欠かないだろうに。
     難癖をつけたが、97頁・114頁の挿し絵は気に入った。後者に描かれた帽子屋は隠者のようで憧れてしまう。

  • 不思議の国のアリス 原作者のルイス・キャロルの作品です。

  • 原著の銅版画が魔術書の気配を残していたのに比べ、トーベ・ヤンソンの挿絵はさらに陰鬱、畜生や変質者の類に囲まれる息苦しさが切実に迫ってくる。村山由佳の翻訳は臨場感をもってこれから思春期を迎える少女の動揺を描写していた。古風な英語までも忠実に大仰しく訳すようなことがないので、数多くアリス本のなかでもかなり感情移入しやすい内容だった。

  • 帰宅途中、本屋でこの本に強く呼ばれてしまったので、我慢できずに買ってしまいましたよ。
    税別¥1500なり。
    2014/12/24 読了。
    ちびちびと大事に読んできて、やっと読み終わった。
    どのアリスもそうだけど、あいかわらずわけがわからなくて楽しい。
    どの訳者のアリスも良いなー。
    もちろんこの村山由佳版もちょっと違ってなかなか良かった。
    アリスコレクションにまた幅が広がった。
    トーベ・ヤンソンの挿絵もホントよいね。
    ちなみにトーベ・ヤンソンの描くキャラクターは鼻がとんがった動物が秀逸。
    鼻がとんがった動物が一番好き。

  • トーベヤンソンの絵で読む、不思議の国のアリスです。ニョロニョロみたいだったり、ムーミンの家みたいだったりします。訳は村山由佳さんです。

  • トーベヤンソンさんが挿し絵のアリス。トーベヤンソンさんらしいほの暗さ全開で、チェシャ猫もハートの女王も気持ち悪いのなんのって。でもそこがまた魅力的ではまってしまいます。
    村山由佳さんの訳もなかなか素敵ですが、ダジャレ満載のウィットにとんだ文章は翻訳で読むにはやはり限界があるのかも。とは言え原訳のまま読む能力はないのだけれど。

  • 『アリス・オンパレード』第10弾。縦22.0cm,横15,5cm。カラー挿絵を活かすために上質紙を用いており、重い。メディアファクトリーの出版。訳者は人気小説家の村山由佳。語りに工夫が凝らされていて、全体は男性というよりは少年による語りのようなスタイル。また、中の登場人物たちも、例えば三月ウサギが東京下町方言で、帽子屋は大阪弁で会話を交わしている。ただし、本書で最大の価値を持つのは、本国でも手に入らないトーヴェ・ヤンソンの挿絵だ。ウサギ穴の中とはいえ、ほの暗くどこか陰鬱なアリス。寂寥感さえ漂っている。

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著者プロフィール

ルイス・キャロル (Lewis Carroll, 1832-98)
イギリスの作家。本名Charles Lutwidge Dodgson(チャールズ・ラトウィッジ・ドッドソン)。チェシャー州の牧師の家に生まれ、オックスフォード大学クライスト チャーチ学寮に学び、卒業後、同大学の数学講師となる。『不思議の国のアリス』(1865)、『鏡の国のアリス』(1872)の作者として最もよく知られているが、本来の数学者・論理学者としての、また最初期のアマチュア写真家としての功績も高く評価されている。

「2021年 『鏡の国のアリス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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