悠久展望台のカイ (MF文庫 J は 4-1)
- KADOKAWA(メディアファクトリー) (2006年7月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
- / ISBN・EAN: 9784840115728
作品紹介・あらすじ
本日、響依泉子はブルーだった。一大決心して精一杯おしゃれした依泉子はクラスメイトの男子に告白したのだが、あえなく振られてしまったのだ。ショックのあまり「バカ!」と叫んで平手打ちしてしまい、私って嫌なやつ…と落ち込んでいた帰り道の橋の上で、依泉子は見知らぬ男の子に声をかけられる。同じ高校の制服を着た、どこにでもいるような印象の彼は、「依泉子はいい子だと思う」となぞめいた言葉をかけ、あっという間に消えてしまった。いったい、誰だったのか-?知らない、なのに懐かしい。依泉子はもう一度彼に会えないだろうかと考えるのだが…。出会えないはずのふたりが出会うとき、優しくせつない物語が始まる。
感想・レビュー・書評
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再読しようかな。
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よくも悪くも変り種な話でした。
作者様が執筆当時高校生だったそうですが、
若い作者様でないと描けない話だなぁという感じ。
色々青臭さも感じるんだけど、それがないとこういう
感触の話にはならなかっただろうなぁというか。
一昔前のドロドロ青春ドラマのような展開もありますし、
主人公の女の子の一直線も、書き手が若いので
いい意味で生々しくてリアルにくるところもあるというか。
やっぱり、若い主人公の若い心は、若い人が
書き出せるものかもとも思いますね。 -
その日、依泉子(いいこ)はブルーだった。一大決心して精一杯おしゃれして告白したのに振られてしまったからだ。あまつさえ、動揺して「バカ!」と叫び平手打ちをしてしまう。そんな自分に後悔していると不思議な少年と出会って……。
「世界の恋人」という設定がまずおもしろかったです。
世界は、世界でおこる全てのものを「ただ見るだけの存在」です。
意識だけがあった彼が依泉子によって形を与えられる。
しかし、依泉子はだんだんと世界の存在を認識できなくなっていく。
一方、どこか遠くの海辺では一つの恋の物語が繰り広げられていて……。
全くと言って良いほど関係のなかった二つの話が一つに溶け合っていく様子は、おもしろかったです。こういうの好きだなあ。
又、キャラクターの行動理由が明確に示されていて、わかりやすかったです。
ああ、あと、男の作家さんなのに女の子の心情や関係性を書くのがやたらうまいなあ、と関心しました。
最後のタイトル「ハッピーエンド、だったよね」が示すとおり、ノー天気な話ではありませんが、それでも良い終わり方でした。
ところでこれっていつの時代を想定した話なんでしょ?
2006年発行の割にはケータイ一切出てこないし。
というか、その前にポケベルが出てこない。
依泉子の家には食器洗い機も掃除機もあるけど、それが全くない家も出てくるし。
昭和の終わりか平成の初めくらい?
ああ、あと、途中のヤンデレ展開(未遂含む)にびっくり、びっくりだよ! -
近くの高校の文芸部の方が書いたデビュー作品なのですが、良すぎます!設定が良い!そしてせつない!正直言ってまだ未熟な面も読み取れますけど、今後が楽しみな作家さんです!騙されたと思って読んでみて下さい。
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近くの高校の文芸部の方が書いたデビュー作品なのですが、良すぎます!設定が良い!そしてせつない!正直言ってまだ未熟な面も読み取れますけど、今後が楽しみな作家さんです!騙されたと思って読んでみて下さい。
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絵買いで買ったのですが、久々にあたりを買いました。新人ということらしいですが、個人的にはヒットですよ。
こういう青春物にものに弱いま、俺...。
おそらく読みきりっぽいけど、続けようと思えるので、シリーズ化してほしいなあ。
あとがきによると、しばらくは新刊はしばらくでないだろうけど、この人の名前はしばらく覚えていこうと思うよ。