山白朝子短篇集 死者のための音楽 (幽ブックス)

著者 :
  • メディアファクトリー
3.66
  • (44)
  • (84)
  • (100)
  • (8)
  • (3)
本棚登録 : 489
レビュー : 83
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784840120920

作品紹介・あらすじ

…おばあちゃん、まるで後を追うみたいだったね。病院で、返事をしないおばあちゃんにむかって、話しかけてたよね。「ねえ、音楽は聞こえてる?」(「死者のための音楽」より)。怪談専門誌『幽』の連載で話題騒然の作家、待望の初単行本。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 長い旅のはじまり ☆☆☆★
    井戸を下りる ☆☆☆☆
    黄金工場 ☆☆☆★
    未完の像 ☆☆☆☆
    鬼物語 ☆☆☆★
    鳥とファフロッキーズ現象について ☆☆☆★
    死者のための音楽 ☆☆☆☆

  • 【読み始め:2012年1月16日/読了:2012年1月16日/時間:2h】

    どれから読もうかな、で恩田さんの「六月の夜と昼のあわいに」と悩んで、結局先に開いた方にしてみました。全体的な所感としてはやっぱり乙一さんだなぁ、と。でも知らずに読んでたらどう思ったんだろうなぁ。
    読み易さは言うまでもなくピカイチ。癖のある表現、というかややこしい表現がないので途中文章に引っ掛からずさらっと読めます。短編集だけあって、寝る前に一話ずつさらっと読むのにも適しているような気がしました。
    相変わらず、というかいつ、どの作品を読んでも変わらない雰囲気が好きです。
    あの雰囲気はなんて表現すればいいんだろう。重すぎず軽すぎず、ゆったりとしているような、……ヒーリング系の音楽を聴いてる感じが近いんだろうか。
    内容はどれも面白かったです。そこと儚い不可思議とちょっとの不条理が盛られた感じが。どの話もすごい不思議な箇所が多々あるのに本筋に大きく関わらないからか大体スルーされてるのが好きです。
    以下は一話毎の簡単な感想。個人的なメモに近いです。

    ■長い旅のはじまり
    むかしの日本。坊さんと母子の話。
    全体的にあっさりとした感じ。ただ、母が子を慕い、子が母を慕う雰囲気が好き。話がちゃんと巡ってるあたりがすごくらしい気がした。結局どこのお経だったんだろう。読んでる途中実は坊さんが犯人でした!というオチと、お宮の子供の名前が物凄く長すぎて子供が川で溺れているのを坊さんに教えに言った子供が名前を呼んでいる内に亡くなった、というオチがくるんじゃないかと勝手にドキドキしてしまった。当然そんな事はない。

    ■井戸を下りる
    明治位の日本イメージ。お父さんが子供に昔を語る話。
    結局雪はどうなったんだろう。あと話の途中ずっとお父さんの子供の頃遊んでた相手が男の子だと勘違いしていた。いや、あれはわざと……だといいなぁ。全体的な雰囲気は好き。謎が多いのも乙一さんらしい。途中で京都の胎内巡りを思い出しました。

    ■黄金工場
    少し古い日本、憧れの女の人と少年と工場の話。
    乙一さんらしい。色んな意味で。登場人物の中でおかあさんが淡々としすぎて一番怖い。いやおかあさん以外は怖くない、の方が正し……くもないか!おかあさんが何処までも人間らしいのに、黄金の魔法が解けた途端急に空恐ろしくなる。ホント怖い。

    ■未完の像
    昔の日本。仏像を彫りたい少女と仏師見習いの男の話。
    女の子の気風の良い感じが好みです。あと、何となく仏師の男の人の気持ちが分かるような気がしました。相変わらず不思議。

    ■鬼物語
    むかしむかし、で始まるくらいの日本。一つの村と、一つの血筋の話。
    流石不条理!あと人が死ぬときの描写がいつもあっさりしてて空恐ろしい気分になる。なんか怖い。すごい怖い。寝物語とかに読んだらうなされる。間違いなく。鬼怖い。

    ■鳥とファロッキーズ現象について
    現代日本。鳥と女の子の話。あとお父さん。
    こういう話は乙一さんが書く中でも本当凄く好きです。鳥可愛い。殆ど描写の無い筈のお父さんに凄い和む。題名から想像できない、というか予想外の話でした。凄いオススメ。うっかりうるっときてしまった。

    ■死者のための音楽
    現代日本……から少し昔くらい?お母さんと娘の話。
    これもうるっときてしまった。母と娘系の話は弱いから困る。これと鳥の話がこの短編集の中でも乙一さんらしいなぁ、と個人的に思いました。他のどの話も乙一さんにしか書けないと思うけども。娘の独白と母の独白に、お互いが慕っているのを見て和んだり泣けばいいのか、それとも所々噛み合わないお互いの感情に複雑な気分になればいいのか、と悩むような気分になるなぁ。でも母親のとった行動は娘にしか理解されないだろうし、反対に娘にだけでも理解されるのはとても幸福なんだろうな、と思いました。

  • 中田名義が『幸せは子猫のかたち』的だとしたら
    山白名義は『天帝妖狐』とか『石ノ目』的だろうか。。
    何となく逆だと思っていたので驚き。。

    オチがどれも、忘れがたい結末になるのだろうなぁ。。。
    黄金、が強烈で
    鳥、が印象的だった。


    長い旅のはじまり
    井戸を下りる
    黄金工場
    未完の像
    鬼物語
    鳥とファフロッキーズ現象について
    死者のための音楽

  • 乙一のむかし変名で出していた書籍。ホラーということで、怖い話が中心だが、いまいち。最後の二編は乙一さんらしさが出ていて、よかった。

  • 小説

  • 乙一の別名義作品。
    七篇からなる短編集です。収録作品の全てが、不思議で不気味で怪しく美しい。
    乙一だからどうこう言うのではなく、単純に「好きだな、いいな」と思いました。
    一番印象的だったのは鳥の話ですが、鬼の話もなかなかに切なかったです。
    さらっと読めちゃってインパクトに欠ける気がします。そこが少し残念でした。

  • 表題作の死者のための音楽が美しくて泣けた。

  • …おばあちゃん、まるで後を追うみたいだったね。病院で、返事をしないおばあちゃんにむかって、話しかけてたよね。「ねえ、音楽は聞こえてる?」(「死者のための音楽」より)。怪談専門誌『幽』の連載で話題騒然の作家、待望の初単行本。

  • 見て。地面全部、桜だよ。今年はやけに赤いね

  • ホラー強化月間につき乙い…じゃなくて山白さんから一冊。
    一番最後のページに出版社勤務後作家へ、とか嘘八百な経歴が書いてあって笑いました。

    ・長い旅のはじまり
    どこか日本っぽい村で起こった処女懐胎

    ・井戸を下りる
    日の光の下で縛られ続けることより、暗闇での自由を選んだ話。

    ・黄金工場
    偽りの黄金、平静を装った憎しみの感情。
    何で金になったんだろう。

    ・未完の像
    優れた彫刻師は樹や石から命を掘り出す。
    ただし、自分の寿命と引き換えにして。

    ・鬼物語
    ただただ、大きな鬼が人を引きちぎって食べる。
    この世界は残酷だ、みたいな。

    ・鳥とファフロッキーズ現象について
    ファフロッキーズ現象とは、空から魚とかわけのわからないものが突然降ってくる現象のこと。
    何だかよくわからない大きな黒い鳥が人間に懐くが、鳥が飼い主のためになす行動は時折残酷であったりする。
    天帝妖狐とかでもあったけど、この作者さんの書く異形の者は心優しい。純粋すぎるほど。
    税理士さん好きなタイプだったのに犯人でショックだった。

    ・死者のための音楽
    表題作。
    あの世へといざなうのは音楽だった。
    これを子守唄に聞いていると心休まるのは、眠りという行為が死を模しているような感じだからかな。意識が別次元へ行くという意味で。

    装丁がすごく凝ってるなーと思った。
    カバー取ると立体的な感じの加工になってるし、なんといってもスピン(栞紐)が特徴的。

全83件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

怪談専門誌『幽』で鮮烈デビュー。著著に『死者のための音楽』『エムブリヲ奇譚』『私の頭が、正常であったなら』がある。趣味はたき火。

「2019年 『私のサイクロプス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

山白朝子の作品

山白朝子短篇集 死者のための音楽 (幽ブックス)を本棚に登録しているひと

ツイートする