山白朝子短篇集 死者のための音楽 (幽BOOKS)

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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784840120920

作品紹介・あらすじ

…おばあちゃん、まるで後を追うみたいだったね。病院で、返事をしないおばあちゃんにむかって、話しかけてたよね。「ねえ、音楽は聞こえてる?」(「死者のための音楽」より)。怪談専門誌『幽』の連載で話題騒然の作家、待望の初単行本。

感想・レビュー・書評

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  • なかなか良かった、初めての山白朝子さん。
    七話の短編、少し怖い不思議な“日本昔ばなし”に“芥川龍之介”を漂わせたような雰囲気のお話も。
    最後の二話、「鳥とファフロッキーズ現象について」と「死者のための音楽」では、涙がポロリ…でした。
    「死者のための音楽」は、母と娘の往復書簡のような、本心を互いに語りかけるのですが、迂闊にもジ~ンときてしまいました。
    私は自分の母親とは折り合いが悪く、もし親子でなかったら知り合いにすらなりたくないと思っています。
    なので勝手に、自分と娘とで重ね合わせてジ~ンとしました。

    もちろんフィクションでですが、人間が死んでしまう話は平気なのに、動物に攻撃したり虐待する描写は、読むのが辛く苦しいです。
    動物が息を引き取るシーンなど読んでしまうと、数時間は心を持っていかれてます。

    次の山白朝子さんは、「エムブリヲ〜」です。

    • あゆみりんさん
      土瓶さん、「メアリー・スー」って、お洒落ですよね。
      日常生活の中で、どうにか「メアリー・スー」という言葉を使いたいんですけど、なかなかチャン...
      土瓶さん、「メアリー・スー」って、お洒落ですよね。
      日常生活の中で、どうにか「メアリー・スー」という言葉を使いたいんですけど、なかなかチャンスがなくて。
      本当に乙一さんて色々な事を知っていますよね、
      何でも知っていて、まるでタモさんみたいですね。
      2023/03/07
    • あゆみりんさん
      1Qさん、はいっバトンタッチッ( ˙ᵕ˙ )/!!
      1Qさん、はいっバトンタッチッ( ˙ᵕ˙ )/!!
      2023/03/07
    • 1Q84O1さん
      あれっ…!?
      何かあゆみりんさんからスーッとバトンがまわってきたぞ
      (゜o゜;
      私、今、乙一さんが増殖してるけど山白さんも増殖して大丈夫かな...
      あれっ…!?
      何かあゆみりんさんからスーッとバトンがまわってきたぞ
      (゜o゜;
      私、今、乙一さんが増殖してるけど山白さんも増殖して大丈夫かな…(^_^;)
      2023/03/07
  • 山白朝子さんの本は美しいです(^^)
    今作も白&黒、スピンが黒!死のイメージ…

    短編七作で一作が程よい長さですね♪
    静かで独特な文章
    まるで子供に読み聞かせするような静かな語り口
    ちょっと残酷なお話もありますが(^^;)

    どれも「死」にまつわる話
    ラスト二作はホロっときましたね(u_u)

    母親と過ごす事が後何年あるのだろうか…
    できる限りの事をしてやりたいと思う今日この頃
    そして娘との時間も大切にしたいな(^ ^)
    息子夫婦もまだまだ気になるし…

    まだまだ死ねぬ…頑張るぞ( ̄▽ ̄)


    • 土瓶さん
      まだまだまだまだ死ぬな!
      がんばらなくともいい!
      ( ˘ω˘)スヤァ
      まだまだまだまだ死ぬな!
      がんばらなくともいい!
      ( ˘ω˘)スヤァ
      2023/03/18
    • みんみんさん
      コレステロール値下げなきゃなぁ( ´Д`)y━・~~
      コレステロール値下げなきゃなぁ( ´Д`)y━・~~
      2023/03/20
  • グロさや恐ろしさはなかった。
    少し怖くて ほんのり悲しい7つの「別れ」の物語。

    特に好きだった話。雪との愛を選び、産まれてきた子どもたちの未来を案じる『井戸を下りる』
    いつも気丈に振る舞い 決して泣くことのなかった少女が 桜の天井の下で弟を想い涙を流す『鬼物語』
    今際の母と娘の往復書簡の形式で語られる『死者のための音楽』
    3作とも、悲しみの中で相手の幸せを祈る余韻の残る終わり方がよかった。
    なかでも『死者の~』は、ここ数年で急に老いて小さくなってしまった自分の母を重ねてしまったり、また母親目線で自分の娘の成長と重ねてしまったり…。美沙の誕生日にデパートへプレゼントを買いに行くシーンはたまらなかった( ¯꒳¯̥̥ )︎

    ✍︎┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
    「ぎゅっと心がつかまれるような、泣きたくなるような、そういう音楽」
    読後感もまさにそういう感じだった

    山白朝子作品は4冊目かな?
    どれもカバー、見返し遊び、とびらが凝っていて綺麗!



    • ゆーき本さん
      1Q8401さん
      ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔゾウショクチュウ
      笑!!
      1Q8401さん
      ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔゾウショクチュウ
      笑!!
      2023/03/14
    • 1Q84O1さん
      か、かわいい〜٩(♡ε♡ )۶
      これなら感染してもいいやw
      か、かわいい〜٩(♡ε♡ )۶
      これなら感染してもいいやw
      2023/03/14
    • ゆーき本さん
      1Q8401さんは すでに感染…………
      (*´艸`)ムフフ
      1Q8401さんは すでに感染…………
      (*´艸`)ムフフ
      2023/03/14
  • 山白朝子さん単独の本を読むのは初でした。
    白髪の上品なおばあさんが優しく語りかけているような不思議な本でした。
    中身はホラーなのに。昔話を聞いているような。
    ホラーなのに優雅な時が流れているような不思議な感覚でした。
    どれも良かったけど、黄金工場がなんとも言えない冷やっと薄寒い、残暑の今ごろにぴったりな話でした。女って怖っ!

  • さまざまな時代の人々が体験する生と死。
    主に死者の世界や異界のものについてが軸となり、詳細に描写されている。またそれぞれに悲しみや悔しさ、切なさなどのマイナスの感情、救いを求めたり、憧れを持ったり、人とふれあったりするプラスの感情が複雑に絡み合っており、なんとも言えない気持ちにさせられる。

  • 長い旅のはじまり ☆☆☆★
    井戸を下りる ☆☆☆☆
    黄金工場 ☆☆☆★
    未完の像 ☆☆☆☆
    鬼物語 ☆☆☆★
    鳥とファフロッキーズ現象について ☆☆☆★
    死者のための音楽 ☆☆☆☆

  • 「エムブリヲ奇譚」が面白かったのでこちらも。
    エムブリヲの方もそうだったけど、こちらも装丁が美しい。
    幻想的で不思議な雰囲気の短編集でした。
    「鳥とファフロッキーズ現象について」と表題の「死者のための音楽」には泣かされた。特に「鳥と~」の方はミステリ的な面白さもあってお気に入りです。健気な動物が登場する物語には弱い。

  •  美しかった。ミステリ風のドンデン返し、陰惨なホラー描写も交えながら、語られる世界観は淡々としてただただ美しかった。同じ空のどこかを彷徨う親子、井戸の底の空のない国、鬼の追ってくる一面の桜、人語を解する謎の鳥。
     乙一さんの別名義とのことで言われてみれば確かに、なのですが、手に取った理由はあらすじと感想に惹かれたからで、それは間違っていませんでした。学生時代に好きだったけどずっと音沙汰のなかった作家さんの本をこうしてまた手に取れるのが嬉しい。

  • じんわりと静かな物語たち。
    どの話にも何か共通する
    寂しさのようなものがあって良かった。
    個人的には「鳥とファフロッキーズ現象について」が
    父親の椅子の下でうずくまる鳥が
    哀しくて印象に残った。

    他に「長い旅のはじまり」
    「井戸を下りる」「黄金工場」
    「未完の像」「鬼物語」
    「死者のための音楽」収録。

  • 【読み始め:2012年1月16日/読了:2012年1月16日/時間:2h】

    どれから読もうかな、で恩田さんの「六月の夜と昼のあわいに」と悩んで、結局先に開いた方にしてみました。全体的な所感としてはやっぱり乙一さんだなぁ、と。でも知らずに読んでたらどう思ったんだろうなぁ。
    読み易さは言うまでもなくピカイチ。癖のある表現、というかややこしい表現がないので途中文章に引っ掛からずさらっと読めます。短編集だけあって、寝る前に一話ずつさらっと読むのにも適しているような気がしました。
    相変わらず、というかいつ、どの作品を読んでも変わらない雰囲気が好きです。
    あの雰囲気はなんて表現すればいいんだろう。重すぎず軽すぎず、ゆったりとしているような、……ヒーリング系の音楽を聴いてる感じが近いんだろうか。
    内容はどれも面白かったです。そこと儚い不可思議とちょっとの不条理が盛られた感じが。どの話もすごい不思議な箇所が多々あるのに本筋に大きく関わらないからか大体スルーされてるのが好きです。
    以下は一話毎の簡単な感想。個人的なメモに近いです。

    ■長い旅のはじまり
    むかしの日本。坊さんと母子の話。
    全体的にあっさりとした感じ。ただ、母が子を慕い、子が母を慕う雰囲気が好き。話がちゃんと巡ってるあたりがすごくらしい気がした。結局どこのお経だったんだろう。読んでる途中実は坊さんが犯人でした!というオチと、お宮の子供の名前が物凄く長すぎて子供が川で溺れているのを坊さんに教えに言った子供が名前を呼んでいる内に亡くなった、というオチがくるんじゃないかと勝手にドキドキしてしまった。当然そんな事はない。

    ■井戸を下りる
    明治位の日本イメージ。お父さんが子供に昔を語る話。
    結局雪はどうなったんだろう。あと話の途中ずっとお父さんの子供の頃遊んでた相手が男の子だと勘違いしていた。いや、あれはわざと……だといいなぁ。全体的な雰囲気は好き。謎が多いのも乙一さんらしい。途中で京都の胎内巡りを思い出しました。

    ■黄金工場
    少し古い日本、憧れの女の人と少年と工場の話。
    乙一さんらしい。色んな意味で。登場人物の中でおかあさんが淡々としすぎて一番怖い。いやおかあさん以外は怖くない、の方が正し……くもないか!おかあさんが何処までも人間らしいのに、黄金の魔法が解けた途端急に空恐ろしくなる。ホント怖い。

    ■未完の像
    昔の日本。仏像を彫りたい少女と仏師見習いの男の話。
    女の子の気風の良い感じが好みです。あと、何となく仏師の男の人の気持ちが分かるような気がしました。相変わらず不思議。

    ■鬼物語
    むかしむかし、で始まるくらいの日本。一つの村と、一つの血筋の話。
    流石不条理!あと人が死ぬときの描写がいつもあっさりしてて空恐ろしい気分になる。なんか怖い。すごい怖い。寝物語とかに読んだらうなされる。間違いなく。鬼怖い。

    ■鳥とファロッキーズ現象について
    現代日本。鳥と女の子の話。あとお父さん。
    こういう話は乙一さんが書く中でも本当凄く好きです。鳥可愛い。殆ど描写の無い筈のお父さんに凄い和む。題名から想像できない、というか予想外の話でした。凄いオススメ。うっかりうるっときてしまった。

    ■死者のための音楽
    現代日本……から少し昔くらい?お母さんと娘の話。
    これもうるっときてしまった。母と娘系の話は弱いから困る。これと鳥の話がこの短編集の中でも乙一さんらしいなぁ、と個人的に思いました。他のどの話も乙一さんにしか書けないと思うけども。娘の独白と母の独白に、お互いが慕っているのを見て和んだり泣けばいいのか、それとも所々噛み合わないお互いの感情に複雑な気分になればいいのか、と悩むような気分になるなぁ。でも母親のとった行動は娘にしか理解されないだろうし、反対に娘にだけでも理解されるのはとても幸福なんだろうな、と思いました。

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著者プロフィール

怪談専門誌『幽』で鮮烈デビュー。著著に『死者のための音楽』『エムブリヲ奇譚』がある。趣味はたき火。

「2023年 『小説家と夜の境界』 で使われていた紹介文から引用しています。」

山白朝子の作品

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