- Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
- / ISBN・EAN: 9784840124133
作品紹介・あらすじ
男友達の大地と大好きな後輩がつきあいだした。彼女なんてつくらないって言ってたのに-。二人に接するうち、大地への微妙な想いに気づいてしまったかずら。一方藤枝は、気持ちにふたをするかずらへの、一途な想いともどかしさを抑えきれず…。悩み、揺れ動く図書委員たちを描いた第3回ダ・ヴィンチ文学賞編集長受賞作が文庫書き下ろしで登場。
感想・レビュー・書評
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本の貸し出しに滞りがないよう、当番のローテーションに心を砕き
仕事の合間には『ノルウェイの森』やエヴァの話題で盛り上がり
凛とした先輩に憧れたり、控え目で可愛い後輩を羨んだり
恋を叶えたり、恋してる仲間をひそかに見守ったり
司書室のストーブで和気藹々とお餅を焼いたり。
こんな図書委員たちがいたら、可愛すぎて抱きしめたくなってしまいます♪
さすがにこの歳で「仲間に入れて~!」とは言えませんものね。
資格さえあったら、司書としてぜひ、紛れ込みたい!
どんなことも阿吽の呼吸で一緒にこなせた男友達に彼女ができたことに戸惑い
そんな自分が許せない、潔癖なかずら。
ラノベも読めないのに彼氏お薦めの『ノルウェイの森』にけなげにチャレンジし
遠距離恋愛になっても追いかけるから!と、ひたむきなあゆみ。
勉強もスポーツもソツなくこなし、いざというときも頼りになるステキ男子なのに
オンナゴコロにはちょっと疎い大地。
学校のどこにも居場所がないと思っていた自分を屈託なく受け入れてくれたかずらの
視線の行方を辿り、労わりたいのにつっかかってしまう藤枝。
大きな身体に温かい気遣いをいっぱい詰め込んだワンちゃん。
特別大きな事件はないのだけれど、図書委員会のみんなの描写がこまやかで
恋や悩みが飛び交う初々しい日々を、きゅん♪としながら見守りたくなる物語。
3巻まで出ているんですね。楽しみです!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
冒頭------
雨上がりの微妙な湿気が残る六月の外通路を通って、自転車置き場をぬける。重い鉄製の引き戸をがらがらと無理やりのように開けて中に入ると、急に空気がひんやりする。
うちの高校の図書館は校舎とは別館になっていて、それがちょっとした離れみたいで、文学的な感じがする。校内で私が一番好きな場所だ。
なんか、いいよなあ、この年頃って。
取るに足らないことなのに、一生懸命悩んだり、迷ったり、苦しんだり、泣いたり、笑ったり。
大人になると、本当に大変なこと------人生の岐路だったり、自分だけじゃなく、家庭や家族のことに関して、判断を誤ればその後の一生に関わってきたりする心底重要なことで悩まざるを得なくなるわけだけど。
この年頃の考え方を本当に“純粋”って言うんだろうな。
かずも、大地も、藤枝も、あゆみも、みんな良い子ばかりだ。
今の時代、こんな真面目な高校生ばかりいるのだろうかと疑いたくなるくらい。
僕が高校の時はかなりの受験校だったというのもあるけれど、ワルなんて一人もいなかった。みんな大学受験目指して、部活と勉強以外のエネルギーに時間を割く余裕なんてなかったからだ。
唯一の欠点は、男子校だったから好いた惚れたが学内で出来ないことだったけれど。
それでも、今思い返せば楽しい高校生活だった。
この本に出てくる子たちも、ささやかだけど十分に青春を満喫している。
その感じが読み手にしっかり伝わってくる。
現代は昔と違って色々難しいことがたくさんあるだろうけれど、今の高校生たちの多くが、こんな爽やかな青春時代を送って欲しいと願わずにはいられない。
そんな小説だ。 -
レビューで気になっていましたが、いきつけの図書館には蔵書が無く未読でした。先日ブックオフで見つけて購入。
いやー、やはり若いっていいなあ。よくあるような設定ですが、側にいれば波長の合う異性だが、突然のライバル?出現に恋心なのか、真剣に悩むかずらの姿、”動かんかい!”と気合を入れたくなってしまう。
その悩むかずらの傍らで、毒舌をつきながらも自分の気持ちを伝えられず、頭の中でぐわーっと考えだけがぐるぐる回る藤枝、”そうだよねー、つらいねー”と同情してしまう。
こんなに素直でピュアな気持ちの学生ばかりではないとは思いますが、恋に、希望に大いに悩みなさいとエールを送りましょう。
続編、続々編と続きがあるようです。 -
さらさらと読める青春小説。
ミステリーでもホラーでもファンタジーでもない、
家庭崩壊も闘病も深刻な事件もない。
高校生の日常を描いた青春小説となるとヒリヒリかキラキラかというところだけど、これはキラキラ寄りのほのぼのーって感じ。
登場人物みんないい子でみんなかわいい。
軽いけど、この奇をてらわない平凡さが気持ちいいです。
甘酸っぱいのぉ。
司書の先生になってみんなを見守りたいわ。
さあ、続き読もっと。 -
高校の図書委員会を舞台にした青春小説。もう何もかもが眩しくキラキラ輝いています。ああ、これが青春、これが若さなのですなあ。
潔癖で自分の行動が自己満足に陥ってないか気にしたり、好きな相手に少しでも近付こうと背伸びをしたり、好きという気持ちを相手に伝えたいけど伝えたくなかったり。そんなひとつひとつの事柄が瑞々しく描かれています。
また図書委員会という舞台設定がいいんですよね。部活動ではないから好きでなく参加している人もいる。好きで自ら好んで参加した人がいる。その温度差から生じる出来事も描かれているし、ただ単なる文化系ちょっとオタクな若者ではない括りにもなる。高校というのは急に世界が広がる時期。そこに戸惑いもあり不安もある。でも楽しみも面白味もある。そんなことが、さり気なく素敵に描かれています。 -
自分がこういうふうに過ごせたらよかったなーと今では行動を起こさなかった事を少し後悔しながら羨ましくほほえましく青春を過ごしている委員会のみんなの日常を読みました。まさに甘酸っぱくほのぼのな高校生活。いいですね。
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読みたいと思ってたところ、古本屋で発見購入。
イラストが今日マチ子さんだと気づいてなかった。
ほんわかしてて、のんびりしてて
でも制服を着てる時代というのは、やっぱりきらきらしてるよね。
お気に入りです。 -
青春が甘酸っぱすぎて思考が脱線しちゃって大変だった(笑)
ついつい読みながらタイムスリップしちゃってこんなに短いのに時間がかかっちゃったなー。
楽しそうな図書委員会。
高校ということで少しゆるいのかな。
でも図書委員の仕事は本格的。
「天使なんかじゃない」の生徒会的な仲間うちでがやがや集まりながら忙しくも楽しくて、そして恋!なーんて青春ど真ん中すぎてが羨ましい。
素朴な恋愛がいい。
それぞれが羨ましく思う学生ならではのあれこれ。
よりどころにできる居場所が学校にあるって本当に素敵なことだ。見習いたい。 -
人のことを羨ましく思ったり、そんな自分に嫌気がさしたり。読んでて甘酸っぱい気持ちになると同時に少し切なくなったり。学生の気持ちはせわしない。早く続きが読みたいです。
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