読まずに小説書けますか 作家になるための必読ガイド (ダ・ヴィンチブックス)

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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784840134774

作品紹介・あらすじ

この二人だからこそ、わかる、憧れの人気作家になるための、必勝テクニック。

感想・レビュー・書評

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  • 岡野宏文氏と豊崎由美氏というおなじみの名コンビの、笑える小説対談。
    作家志望ではない身にとって、若干手を伸ばしづらい副題ですが、彼らの本へのコメントはとにかく的確で楽しくて、良質の読書ガイドとして重宝しています。
    今回も、とにかくたくさんの本が紹介されており、これを全て読んでいるとは、さすがプロ!と驚くばかり。

    幅広いジャンルの小説を読みこなしている点に、舌を巻きます。
    どうしても苦手なものは避けて通ってしまうものですが、やはりプロの書評家は、どんな内容でもお手のもので読みこなしていくのでしょうか。

    この手のタイトル本にありがちな、「恋愛小説の書き方」「犯罪小説」といった大まかなくくりではなく、「○○になりたかったら」といったテーマで、恩田陸、小川洋子、森見登美彦など、具体的な名前を挙げて人気作家を採り上げている点が、わかりやすいです。
    ただ、軸となるテーマよりも、彼らが語る文芸批評の方がおもしろいため、あまりメインテーマは気にせずに、読み進んでいきました。

    彼らの着眼点や読みこみはさすがで、はっとさせられることばかり。
    ハリー・ポッターのプロットはスター・ウォーズと一緒だそうです。
    初めは批判的だった二人も、最後には評価するようになったとのこと。
    しかし、出来事全てを会話で説明する点は納得できないと訴えていました。
    また、翻訳者のクオリティが若干問題だということも。

    翻訳者という点で、ドリトル先生シリーズを翻訳した井伏鱒二のことが話題に上りました。
    彼は、この本のために新しい文体を一つ作ったのだとか。
    翻訳以上の仕事をしていると、双方の評価が高かったため、いずれ訳に注目しながら読み返してみたいと思います。

    『博士の愛した数式』には、登場人物の本名が誰も出てこないと指摘されており、ハタと気がつきました。
    確かに主人公は私、その息子は√、博士にその姉。言われてみれば誰も固有名を持っていません。
    ストーリーのなめらかさに、そんなことまで見落としていたと驚きました。

    また、比喩が巧いと称えられる村上春樹の表現に「広大な平原をまっすぐ突き進む竜巻のような激しい恋」「元気だよ。春先のモルダウ河みたいに」などがあると知り、ううむと思いました。
    ロックをやっていたことが文章表現に生かされている作家として町田康、その逆として辻仁成を挙げているなど、なかなかきわどい本音トークが炸裂しています。

    やはり多くの本に親しんでいるためか、双方とも気持ちも言葉も若く、『センセイの鞄』をアラフォーとアラハン(アラウンド涅槃)の話だ、と言っている所では吹いてしまいました。
    あまりに紹介作品が膨大すぎて、キャパを超えそうになるほど。
    彼らの書評を読むだけでも、作家志望の人にとって得るところが多そうですし、読書家にとっては知らない作品がどんどん読みたくなってきて、つまりは本に対して前向きな気持ちになれる一冊です。

  • 対談形式、独自の切り口で有名書籍をメッタ斬り! ハラハラしつつも笑いながら読んでしまいました。指南書というよりは書評というか書籍紹介、作家志望でなくても楽しめる本です。

  • 対談形式
    断念

  • f.2023/1/18
    p.2010/9/17

  • 記録

  • 様々な本を読みたいと思い、見つけた本作。
    お二人の読書量に驚き。辛口だが、本への向き合い方が参考になった。
    紹介されている本を読んでみよ。まずは太陽の塔/森見登美彦を読もうかな?
    あと、他のブックガイドも探そ!

  • 豊崎由美さんの毒舌が良い。

  • 88:00:00

  • 2018/06/14読了


    結構辛口
    ただし、評価(というか主観)とリンクするところもあり
    現代日本文学に多く言及していて、とっつきやすい部分が多かった。
    でもまだ読めていない本、知らない作者もいたので
    いっかりしっかり読んでいかなければ。

  • 安心のブランド、トヨザキ社長の対談集を再び。しかも”百年の誤読”コンビってことで、弥が上にも期待は高まる。”読まずに小説書けますか”は、まんま”~読めますか”に置き換えることが出来て、上記の”誤読”以上に、本作収録作品はマストリード作品と理解。当たり前のことながら、その”誤読”とか、あと社長の書評集と重なる作品も多々あったけど、それ以外も気になるものはてんこ盛り。読書の楽しみが増えたことはいうまでもなく、それよりも何よりも、物語に向き合うときの心構えについて、示唆に富みまくり。本書を読んだだけで、ちょっと読める気にすらなっちゃいます。2人の掛け合いの面白さはもちろん、桜庭一樹のアドバイスも一緒に収録されちゃったりして、痒いところにも手の届く内容。思わず小説書いちゃいたくなったりして。

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