- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784840134996
感想・レビュー・書評
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不思議な物語。理解に苦しむ絆で同居する男と女。昭和半ばに生まれた私には理解に苦しむ関係性。人との繋がりに過敏すぎる女。異常なプライドと殻に閉じこもる男。そんな異常と言える二人から目を離せない二人。読んでいても居心地が悪い。巻末の穂村弘さんの解説が面白い。作品の理解に役立ちます。先に読むのも良いかもしれません。これからの世界、登場人物たちのように自分の命の使い方を見失った人間が、増えていくのかと思うと大丈夫かなと思います。
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同棲する男女のいびつで歪んだ関係の物語
以下、公式のあらすじ
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二段ベッドが置かれた、陰気な借家に同居する“妹”こと奈々瀬と“兄”英則。奈々瀬は家にこもり、「あの日」から笑顔を見せなくなった“兄”を喜ばせるため日々「出し物」のネタを考えながら、英則からこの世で最も残酷な復讐をされる日を待ち続けている。一方、英則はそんな“妹”を屋根裏に潜り込んでは覗く、という行為を繰り返していた。そこへ英則の同僚・番上が訪れ・・・・。文庫版の解説は穂村弘。
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映画を見たことあるけど、小説を読むとちょっと印象が異なる
実写だと英則の喋り方や動作が作り物めいていたのでコミカルに感じたけど
小説だと若干のねっとり感がある
奈々瀬のオドオド感は似たようなものかな
人に嫌われる事を極端に恐れるために却ってドツボにはまっていく愚かさ
マンガ もやしもん で「嫌われないように生きるのって大変だけど、嫌われないように生きてるってバレたら嫌われちゃうよ?」という言葉そのものではないですかね?
灰色スウェットだけど男をそそるという雰囲気は映画ではよく表現できていたので、小説を読んでいてもイメージしやすかった
復讐すると言いつつ、その根本の出来事を思い出せず
またその復習内容も本当の意味で考えてもいない
復習されることを望みながら今の生活を続けようとする
いやぁー、歪んでますねぇ
番上とあずさも、こんな二人に関わらなければよかったのにね
でもまぁ、あずさは高校の頃からの恨み辛みが溜まってるからなぁ
作中で面白いと思った言葉は
「ぼくは君のためなら死ねるけど、君のせいでは死にたくないよ」
かな
私は誰のためにも死ねないし、誰かのせいでも死にたくないけど
だけど実際には誰かのせいで死ぬことはあるかもね
解説は穂村弘
この人も結構なクズっぽい人生を送ってるので、本谷有希子の作品と相性はよいのではなかろうか? -
愛よりも憎悪の方が信じられる。そんな価値観を持つ男女の色々こじらせまくりの同居生活。
兄からいつか下される予定の復讐を待ち望む、あまりにも従順な妹(ダサい丸眼鏡、スウェット でも実は美女)、何をされたか忘れていながら妹に憎悪を募らせ、天井裏から彼女を覗き見る兄(変態顔)。動物を殺処分する仕事に就いて以来、悪夢にうなされる日々を送る兄の同僚と、その彼女。
こ、わ、い。 -
好きが過ぎる
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あー最高にめんどくさい。オタクの匂いがする。でも嗅いじゃうんだよな癖になる。
俺関係なくて良かったわーと思うわ。
ハマってる。読んでもいいことなんもない。子供がうっかりやばい動画見ちゃう感じする。 -
復讐されるために、一緒に暮らし続ける「兄」と「妹」。
その世界にうっかり引き込まれてしまいました。
いいなぁ、この生々しさ。
含まれている毒がたまらない。
終盤の奈々瀬の叫びは、正直羨ましくもありました。
この作者さんの他の作品も読んでみたくなりました。 -
2024.03.05
お互いが良ければ愛なんだな、と思った。
全く理解はされないだろうけど。
ただただ気持ち悪い、という感想を持つ人もいるかも。
江戸川乱歩『屋根裏の散歩者』の恋愛版みたいな感じかな。 -
破滅と救済の純文学。
異様な人間関係で息が詰まる。 -
『セックスじゃんそれは!』と切り返さなきゃならないあずさちゃんの、何とも哀しいことよ。本谷有希子の書く「女」って何でこうも不幸で愛しいのか。