短歌ください (ダ・ヴィンチブックス)

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  • メディアファクトリー
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784840138642

感想・レビュー・書評

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  • あなたのこころ、31文字でどうぞ。

    ダ・ヴィンチの連載のまとめ。怖い歌=良い歌ということで、意表をつく展開が多いかも。短歌が趣味っていいなと思います。

  • 心の奥底にある情感や気持ちを言葉にすることはできない。言葉にすると、そういう感覚は嘘になる。長いことそう信じていましたが、この本を読んで考え方が少し変わりました。

    日々生活を営んでいく中で感じる、何とも言えないモヤモヤした思いを揺さぶるような、心がハッとする表現にいくつも出会うことができました。それはまさに、本来伝えることの非常に難しい個人的な感覚を、言葉を使うことによって他人に伝える芸術でした。

    五七五七七という限定された語数だからこそ、想像力が刺激され、自分の中の感覚的な記憶や思い出とリンクするように感じたのかもしれません。

    穂村弘さんの解説も秀逸です。歌をどう感じ取るかの導きになる文章でありながら、意味を限定させず、一つ一つの歌をちゃんと引き立たせているのは素晴らしい。さりげない文章ですが、非常に難しいことをやっていると思います。

    この本を読み進めていく内に、言葉にするからこそ伝わるものもあると思うようになりました。

  • ダヴィンチ連載の短歌。

    毎回のお題と自由テーマの2本立てで、
    穂村弘が投稿作品を紹介していく。

    それぞれの短歌のレベルも高く(素人感覚)、
    ほむほむの寸評も面白い。

    世界の広がる感覚がして、短歌を作りたくなってくる一冊。

  • 短歌入門、読んだ。読者投稿に評をつけてく、お題ごとにいろんな人のをたくさん読めて楽しい、だんだん頭が韻を踏むモードになってきて楽しい

  • 短歌の中の世界は自由だ、と思う。呻るというより「おもしろいなぁ」って作品が多かったかなぁ。
    でも、やっぱり韻律は整っている方が美しいと思うし、気持ちいい。リズムと定型の持つ力は偉大だ。
    そろそろ2冊目が出てもいい時期。出ますように。

  • 旅先の図書館にて。ずっと読みたかったやつ。面白かった。短歌ってやっぱすごい。我ながら「何でこれで?!」と思うもので涙が出たり。この本が出された当時はまだ連載してたっつーから、続編も出るのだろう。まだ連載してんだろうか。自分でも短歌を作りたくなる。何度も読み返したくなる本。

  • 読み終わり わたしも詠めそう 勘違い まったく詠めずに 読む側まわる

  • もともとダ・ヴィンチのこのページを欠かさず読んでいたので購入。
    みなさんなんて鋭い感性を持っているのだろう!

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「みなさんなんて鋭い感性を」
      穂村弘は著者じゃなく、選者?
      ちゃんと本を読んでないのですが、チョッと気になってます。
      「みなさんなんて鋭い感性を」
      穂村弘は著者じゃなく、選者?
      ちゃんと本を読んでないのですが、チョッと気になってます。
      2012/07/17
  • 帯にも書かれていた短歌が秀逸。息がとまるような一瞬を味わえた。穂村さんによる解説が理解しやすいことも嬉しい。

  • 良かったものを抜いておく。


    おはじきの あか に潜んだ金魚たち 15年前のわたしの化石

    %光の洪水あちこちへ車は帰る私を残して

    イカ墨のパスタを皿に盛るように洗面器へと入れる黒髪

    靴たちのそれはそれは美しく並ぶ彼岸の玄関にいる

    ペガサスは私にはきっと優しくてあなたのことは殺してくれる

    この部屋にはてんとうむしを閉じ込めてあるからこれはひとりごとじゃない

    廃村をゆくとき春の匂いする消しゴムを持つ少女に出遭う

    せんべいの欠片ちらばる卓袱台に二人がつくった真昼の宇宙

    梅雨入りを言い当てたあと妹は産毛のように眠ってしまう

    たくさんの遺影で出来ている青い青い青い空を見上げる

    順番に蝶が死んでく夜の部屋まるで誰かの子宮のようだ

    目を閉じた人から順に夏になる光の中で君に出会った

    旅先で僕らは眠るすべてから知らない街の匂いをさせて

    楽園じゃないと言ったろ血へどまできらめくただの死なない国だ

    コーヒーのカップが落ちるのを自然体で見送るという欠陥

    キラキラがこぼれてしまわないように名刺をサランラップで包む

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著者プロフィール

穂村 弘(ほむら・ひろし):1962年北海道生まれ。歌人。1990年に歌集『シンジケート』でデビュー。短歌にとどまることなく、エッセイや評論、絵本、翻訳など広く活躍中。著書に『手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ)』、『ラインマーカーズ』、『世界音痴』『もうおうちへかえりましょう』『絶叫委員会』『にょっ記』『野良猫を尊敬した日』『短歌のガチャポン』など多数。2008年、短歌評論集『短歌の友人』で伊藤整文学賞、2017年、エッセイ集『鳥肌が』で講談社エッセイ賞、2018年、歌集『水中翼船炎上中』で若山牧水賞を受賞。

「2023年 『彗星交叉点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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