2100年、人口3分の1の日本 (メディアファクトリー新書 24)
- メディアファクトリー (2011年4月28日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
- / ISBN・EAN: 9784840139038
作品紹介・あらすじ
日本の人口は、現在の1億3千万人が50年後に9千万人に、100年後には4千万人にまで減ると予想されている。この変動が政治や経済や労働環境、家族関係や恋愛のあり方までをも大きく変えてしまう。それは、滅びゆく寂しい社会なのか、それとも意外なユートピアなのか?歴史人口学の第一人者が数々のデータを駆使して描き出す、人口という名の未来予想図。
感想・レビュー・書評
-
2011年に既にこの本が出ていたとは。
早くからこの予想を知ることはできたのだな。
最近は人口減についての本はたくさん出ているが、顕在化していくこれからは、さらに増えていくに違いない。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
昼休みの間に一気に読んだ(何回かコックリコックリしたけど)。
各章ごとにポイントがまとめられているので、要点は掴みやすいが、そう容易な内容でもないのに。
まぁ、ちきりんのBlog記事がなかったら、全く頭に入らなかっただろうな。
[private]第1章
◎将来人口の推計は、「このまま何も対策を講じない場合」の警告として受け止めること。
◎日本政府は1974年に「出生を規制すべき」と明言していた。
◎出生率が下がった大きな要因には、現代文明の行き詰まりに対する不安がある。
◎「人の数は食料生産数よりも増え方が大きいため、人口は増え続けることが出来ない」とするマルサスの人口原理は現在も生きている。
◎日本列島では4階の人口変動が起こっていて、現在は4度目の減退期にあたる。
◎過去の変動との違いは、エネルギー資源や原材料があまり残っていないこと。そのため、人口が再び増加することは期待できない。
第2章
◎2050年に日本の人口順位は17位まで後退し、世界の経済情勢は大きく変わる。
◎経済成長の持続、あるいは生活水準を維持する為には、大胆な産業構造の改革が必要。◎21世紀は「支えられる側」が「支える側」を上回る人口オーナスの時代。
◎のんびりと年金生活を営むフランス人と違い、日本では多くの高齢者が高い労働意欲を持っている。労働力の担い手を増やすため、高齢者の定義が引き上げられるかもしれない。
◎女性がもっと社会で活躍し、夫と一緒に安心して子供を祖だれられる社会に。
◎そのためには伝統的なジェンダー観から抜け出すことが大切。
第3章
◎歴史的には人口が増える時には特定地域へ集中し、人口が停滞すると集中度は低下してきた。
◎今回(4度目の減退期)は例外で人口が減っても東京圏や名古屋圏への集中度が更に高まると予想されている。
◎ただし、将来は都心ほど「支える側」の負担が増すので、人口の一極集中は和らぐかもしれない。
◎2050年までに数千もの集落が消滅し、都市の集約化が進む。
◎新しい都市造りや集落の移転には、土地所有者との感情的な衝突が伴う。
第4章
◎今後は一人暮らしの老人が劇的に増え、2030年に700万人に達する。
◎戦後になってから核家族をつくってきた日本人は、一人きりの生き方に慣れていない。◎「人生90年」の時代には人間関係の問題から、三世代同居をためらう家族が増える。
◎「ほどほどの距離感」と「緩やかな関係性」で世代間が助けある家族社会に。
◎結婚に「適齢期」はなくなり、子供づくりを目的としない新しい結婚文化が生まれる。◎既存の自治体や世代を超えた地域コミュニティが作られる。
◎学校はコンパクト化し、学生や世代を超えて友人を作る時代に。
◎世界に向けて発信する為の外国語教育が進み、中国語などを学ぶ人も増える。
第5章
◎国内労働力を維持する為には外国人の労働力を大量に取り入れる必要がある。
◎減る分の労働力を総て移民で補うと、2050年には人口の3分の1が外国人になる。
◎外国人の受け入れは農業や工業、医療、IT分野で進んでいるが労働環境に課題あり。
◎日本の貿易依存度は世界でも最低レベル。諸外国との分業的な連携が必須。
◎食料自給率100%も夢ではないが、その場合は国民の大半が農民になる。
◎日本人口が増えるのは、例外なく外部の文明を取り込んで言った時代。
◎東京の大久保、群馬県の大泉町のような外国人街が各地に増えていく。
◎アジアを中心に、外国人と結婚する人も増えていく。
第6章
◎21世紀中に世界中で人口増加がとまると予測されているが、問題はそれまでに人口が膨大な数に膨れ上がること。
◎発展途上国の人口増と経済発展によって、世界のGDPは数倍に拡大する。
◎今後、食料需要を補うための農業開発には常に環境問題がセットになる。
◎食料と同じく資源やエネルギー不足が深刻になる。
◎地球が支えられる人口は多くて100億人。すでに限界が近づいている。
◎しかし2050年以降、世界人口は停滞的局面に入る可能性が高い。
◎世界に先駆けて人口減少が始まった日本には、イノベーションを率先する役目がある。◎新しい文明システムを作るには、異文化との積極的な交わりが必要になる。[/private] -
人口関連のニュースを読み取る必要のある人におススメ。人口減そのものが国策だったという認識はなかったなあ。その後もPDCAサイクルが回り軌道修正されるところまで制度設計されてなかったのが不幸の始まりか。
-
今後、日本が人口減少するにあたって、マクロな視点からの対策を述べた一冊。
もう少しミクロな視点での分析や今後の提言が欲しかった。 -
日本の人口は、晩婚化・非正規労働者の増加(所得減)など子供が増えにくい状況になっていることを分析。実は政府が1974年に人口減を提言していたことはびっくり。対策としては、高齢者の活用、女性の社会進出、移民の受け入れ等の大体は予想していた内容。この状況を乗り越えるには結局は社会システムの大きな変革が必要と言うことか。
-
人口が減少し、2050年とか2100年になると日本の人口は大幅に減るという話は昔から言われている話であるが、本で改めてじっくり読むのは初めてだった。この本では過疎の集落が次づきと消滅し、これに歯止めをかけるためには移民を受け入れ外国人との関係を築いていくべきと述べられていた。そんなことをすると隣の中国とかイスラム移民が大量に押しよせ取り返しがつかなくなると思う。そんなことをするより女性が働きやすい仕組みを作るとか、高齢者も70歳ぐらいまで働ける仕組みを作るとか、そちらに力を入れたほうがいいと思う。
-
正直そんなに面白くはないよね。誰もが知っているところをうまくまとめるのがこの本の価値かな。
-
遠いようでそう遠くない2100年の日本。
人口が3分の1になった日本。
今とはかなり違った日本になるようだ。
悲観しているばかりではしょうがない。
人口は増えればそれでよいということではない。
社会を営む上で必要な人口を維持することが大切。
これからの日本社会はどうあるべきなのか。
日本の衰退ばかりをいう内容ではなく
人口減少をきっかけとした新しい国作りを提言するような内容だったので良かった。
でも問題はやはり深刻なようだ。