江戸将軍が見た地球 (メディアファクトリー新書)

著者 :
  • メディアファクトリー
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  • Amazon.co.jp ・本 (186ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784840142182

感想・レビュー・書評

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  • 「鎖国」といっても本当に国を閉ざしていたわけではないし、当時の公儀にもそこまでの感覚はなかった。江戸時代の外国観・対外政策と歴代将軍の人物像・施政を絡めながら解説する。

    家康は本当にいろいろ考えて対外政策のレールを敷いたが、後代になるにつれて勢い惰性的な政策になっている。その中で、本来は将軍になれないような生まれから出世して、自ら改革を主導した吉宗の評価が高い。朝鮮人参の国産化とか、馬の輸入とかいろいろ具体的な貿易政策もやっている。

    しかし、歴代の将軍を「評価しよう」という視点は、何となくハナにつく。

    キリスト教布教をきらって、ヨーロッパでつきあう相手をオランダに絞ったはよいが、それがのちのち西洋情報をオランダに頼る結果となり、多角的な情報評価が出来なくなった。

    朝鮮に対しては小さな華夷秩序で建前的には上から目線で付き合っていた。オランダとの付き合いもそんな雰囲気が。家光くらいからだいぶ泰平ゆえの内向きぶりは感じられる。

  • 新書文庫

  • トップは外国をよく知っているが庶民は知らない。という某国のような状態は江戸時代の情報統制が上手くいっていたことを示す。
    外国人顧問まで抱えていた初代家康は傑物。

  • 2013/03/24
    自宅

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著者プロフィール

1962年、信州『たのめの里』(長野県塩尻市・辰野町)生まれ。1985年青山学院大学大学院文学研究科史学専攻博士後期課程満期退学。2001年博士(歴史学)。明海大学教授等を経て現在東洋大学文学部教授。
著書『予告されていたペリー来航と幕末情報戦争』(洋泉社新書y、2006年)、『江戸無血開城―本当の功労者は誰か?』(歴史文化ライブラリー、吉川弘文館、2018年)、『ロシア海軍少尉《ゴローウニン事件》ムールの苦悩』(右文書院、2021年、共著)、『見る・知る・考える 明治日本の産業革命遺産』(勉誠社、2022年)、『「文明開化」と江戸の残像』(ミネルヴァ書房、2022年、編著)、『江戸無血開城の史料学』(吉川弘文館、2022年、編著)など。

「2023年 『信州から考える世界史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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