密室入門 (メディアファクトリー新書)

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感想 : 23
  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784840142205

作品紹介・あらすじ

世界最初のミステリ小説『モルグ街の殺人』は、密室モノだった。以来170年、密室は数え切れないミステリ作品で扱われてきたが、その魅力や可能性が示し尽くされたわけではない。密室とは何か?密室を分類すると?現実的に密室は作れるのか!?本格ミステリの第一人者と、ミステリ愛にあふれる一級建築士が古今東西の作品を例に挙げながら、密室の謎と可能性に挑む。斬新なアイデアと刺激に満ちた、驚くべき対談集。

感想・レビュー・書評

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  • 「なぜ密室を書くのか?」
    「そこに、それがないからだ」
    だそうですが。そりゃねー、無理だよね、現実には密室。建築士連れてこなくたってそんなことはわかってます。
    でもやっぱり面白いんだもの密室物。数々の制限と出尽くされてきたネタを掻い潜りどう面白いものが出せるかって。

    エレベーターに棺桶を入れるスペースがあったのは知らなかった。
    あと有栖川先生って面白い人だな。不動産チラシの見取り図につい死体を描いてしまうそうです。

  • ミステリの代表ともいえる「密室」について、ミステリ作家の有栖川有栖とミステリファンの建築家・安井俊夫が対談形式で語り合っている作品。
    ミステリ作品からみる「密室」の定義や、建築からみる「密室」の定義の違いのほか、なぜ「密室」がミステリの原点ともいえるのか、というところまで丁寧に説明されています。
    文章も平易で、コアなミステリファンでなくとも楽しむことができる一冊で、図や写真なども用いて解説してくれているところも丁寧でわかりやすいです。
    さらに、現代の「プライベート空間を外界から隔離して、自身の安全・安心な環境を確保しようとする」という風潮は、「プライベートな空間を破られるときの不安や嫌な感情を想起させる密室殺人を恐れる気持ちを強くする」ということにもつながっており、すでにトリックは出尽くしたとされる「密室」を扱う作品が今もなお根強い人気を博している原因でもあるという分析は説得力がありました。
    2021年は、世界で初めての密室が描かれた(というより世界初のミステリが密室殺人だった)『モルグ街の殺人』が出版された1841年から180年。
    ほぼ2世紀にわたってエンタテインメント作品の代表格として世界中で愛されている「ミステリ」という世界の奥深さにも触れることができたように思います。

    いままで有栖川有栖の作品をしっかりと読んだことはありませんでしたが、これを機に手に取ってみようかと思います。

  • ミステリ作家・有栖川有栖と一級建築士・安井俊夫が「密室」に立ち向かう!
    ミステリに登場する「密室」とは何か? 現実に「密室」を作ることはできるのか?
    古今東西の作品を例に、論理と建築の両面から「密室」に迫った、初めての入門書。



    有栖川有栖さんはこういう試みが大好きですね。
    密室を美しいイラストで紹介する「有栖川有栖の密室大図鑑」(磯田和一さんとの共著)や、名作の犯行現場を実際に訪れてみた紀行エッセイ「作家の犯行現場」などの著書が他にもあります。

    根っからのミステリ好き。
    本当にそうなんでしょうね。
    こんな人がミステリ作家でなければ何になっていたのでしょう?(前職は書店員さんだったようですが)

    さて本書の内容ですが。
    ミステリを建築の観点から考えるというのはとても面白い試みだと思います。
    ミステリ世界にはとても奇妙な館が乱立していますが、果たしてそれらはどこまで現実味があるのか。
    ほら、斜めになったあの館とか、地下に迷路が作られたあの館とか(笑)

    ミステリ好きにはとても興味深い会話が続きます。
    ミステリのネタになりそうな材料がいくつもあって。
    たとえば、エレベータには壁のカーペットを剥がすとトランクルームというエクストラスペースがあるのだそうです。
    僕、知りませんでした。
    (棺桶など横に長いものを搬送するときなどに利用したりするとのこと)
    鍵が掛かっているとは言え、その鍵を手に入れてしまえばそこに人が潜むこともでき、犯人が消失する密室殺人のネタになり得ます。

    ただ、これらはあくまでも素材。
    エレベータの一般的に知られていないスペースを利用したトリックをそのまま使ったところで、面白いミステリにはなり得ません。
    そんな結末を見せられても「へえーそうなんだ」という感想しか出てこないでしょう。
    それらをどう料理するか。
    魅力的な密室になりえるかどうかは技巧ではないという好例でしょう。

  •  個人的に大好きな密室ミステリは「本陣殺人事件」と「斜め屋敷の犯罪」である。前者は小学生のころ少年マガジンの特集記事で見開きの図解を見せられ、概要を知ってから読んでも面白かった。同じ特集でノックス「密室の行者」のトリックを明かされたのはコ・ノ・ウ・ラ・ミ……。絵で見せられれば一目瞭然のトリックなのだ!

  • ネタは「密室」一本。
    さすがに一冊丸々じゃあ、話もそれるだろうと思いきや、ひたすら密室・密室・密室。オミゴト!
    往年の名作が一堂に会す懐かしさもさりながら、最近の作品もあり(ゆうても「硝子のハンマー」とかですが。このトリックは忘れられない)それなりにあり。有栖川有栖、遅筆なわけだと納得。

  • ミステリ作家・有栖川有栖と建築家・安井俊夫による密室対談。
    文章のそこかしこから二人のミステリ愛、とりわけ密室への並々ならぬ愛が垣間見られて、微笑ましい。
    有栖川さんはミステリ作家である前にミステリファンの読者だと言っておられるように、その知識量は半端ではなく、安井さんがこんな感じの、というのを受けてそれは、、、と解説されるくらいたくさんのミステリを読んでおられる。一方で安井さんはミステリで描かれる建物を専門家の目で解説し、その上でミステリだからこそ許される建物の魅力にまで迫っておられる。二人の脱線しまくる盛り上がり方も、はたから見ていても楽しそう。
    古今東西いろんなところで繰り広げられてきた密室の分類・解説の単なる焼き直しではなく、今後の密室ミステリの将来にも言及した、新たな密室解説書となっている。

  • 密室のあれこれ。
    対談の形で、楽しめます。

  • ミステリ作家と建築家による密室談義。
    いまは町中でも防犯カメラがたくさん設置されていて、社会は密室化してきている。夜に銀行のATMにいて、扉が開けられると物凄く怖い・・・
    なるほど。

    個人的には密室モノといえば、綾辻行人の館シリーズ好きだった。邪道だろうけど。

  • 推理小説家と建築家の密室談義。建築家の視点から見た密室はこれだけだろう。

  • とりあえず、ここに載っているのは全部読もう。

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著者プロフィール

有栖川 有栖(ありすがわ・ありす)
1959年大阪府生まれ。同志社大学法学部卒業。’89年『月光ゲーム』でデビュー。’03年『マレー鉄道の謎』で第56回日本推理作家協会賞、’08年『女王国の城』で第8回本格ミステリ大賞、’18年「火村英生シリーズ」で第3回吉川英治文庫賞を受賞。本格ミステリ作家クラブ初代会長。近著に『濱地健三郎の幽たる事件簿』、『論理仕掛けの奇談』など。

「2021年 『カナダ金貨の謎』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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