桶狭間は晴れ、のち豪雨でしょう 天気と日本史 (メディアファクトリー新書 38)

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  • メディアファクトリー
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  • Amazon.co.jp ・本 (185ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784840142779

作品紹介・あらすじ

雨中の奇襲を決行した織田信長、嵐が状況を一変させた元寇…。天気が歴史を左右したといわれる事例は多い。だが、われわれが知る「定説」は、真実なのだろうか?本書は、日本史に魅せられた気象予報士が当時の史料を徹底的に読み込み、土地の天候を調べることで、「あの日の天気」と、それが歴史に与えた影響を明かす試みである。

感想・レビュー・書評

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  • 日本史上のどんでん返しを気象に着目して新解釈を試みる。新鮮な視点の楽しい一冊。

    日本の気象に特徴的は「暑くて寒くて、雨や雪が多い」とか。普段住んでると気づかないが、実は際立った日本の気象。それを日本史にあてはめてみた作品。

    元寇、表題の桶狭間の戦い、薩摩島津家の琉球入り、二・二六事件、シーボルト台風。

    理系本なのでいたって真面目に当時の資料、主に日記から当時の気象を推測する。表題の桶狭間で発生したと推測されるダウンバーストや二・二六事件の前提の東北の冷害など、説得力のある解釈が満載。

    気象現象は身近なもの。それが日本史のどんでん返しに影響を与えたというのは実に分かりやすい。

    理系と文系の融合、楽しい一冊でした。

  • 日本史の有名な事件の展開を当時の天候を通じて考える興味深い本。気象予報士が書いているだけに面白い構成。

  • 桶狭間の戦いの章を読んでいるあたりでは、まだ、「歴史上の大きな事件のときに、運よく(運悪く?)お天気が急変するなんて、なんて偶然!」くらいにしか思ってなかったのだけど、だんだん読み進めていくうちに、「気象条件が特異だったからこそ、ある1つの戦いが、歴史を揺るがす、運命を左右する戦いに変わっていくのだ」という確信に変わった。そして、そうであるならば、他にももっともっとたくさん、その時の気象条件がその後の運命を分けたという歴史上の事件があるだろう。ぜひ続編を書いてもらいたいと思った。
    ただ、ちょっと気になったのは、反証はとても細かく丁寧なのだけど、ご自身の説を補強するような説などには、ちょっと証拠として採用するのに甘さがあるかなあ・・・と感じられること。でもまあ、この本は論文集で無くて新書であり、ページ数も限られているし、原稿には書いてあったのに編集でバッサリ切られている可能性もあるのかも。
    とにかく、こういう視点からの歴史上の出来事の検証はとても楽しかった。私は理科音痴で気象分野のいろいろな原理も実はよくわからないのだけど、それでも視点が新鮮だったから本当に面白かった。

  • 面白いなぁ、ホントいろんなことを考える人がいる。

  • 桶狭間の戦いではダウンバーストが起きていた!? 文永の役の際、神風は吹かなかった? 日本史を揺るがしたいくつかの事件を取りあげて当時の史料を読み比べ、舞台となった土地の天候データを漁り、やがて現れる「あの日の天気」の意外な真実! 
    著者は日本史に魅せられた気象予報士。専門家たちの歴史解釈に疑問をもち、執念の史料探しから気象予報士ならではの、まったく新しい歴史の読み解き方を展開する。読後、歴史の見方が変わること間違いなしの一冊。

    歴史と気象という新たな切り口で楽しませてくれました。「一般の人にわかりやすく」という命題を達成すべく、難しい気象用語を極力使わずに非常にわかりやすく元寇や桶狭間の戦い時の天気がどうであったかを解説してくれます。天気関係の本もいくつか読んできましたが、本書はかなり噛み砕いて説明してくてていてわかりやすかったですね。気象予報士とは思えないほど史実を調査し尽くしていて、さまざまな文献を引用しながら推測を重ねていくので説得力もあります。歴史と気象、意外なコンビネーションのこのシリーズ、続編希望します。

  • 著者は歴史家ではなく気象予報士!
    この本は、天気が歴史を左右した事例を天気図で解説した本。旧暦の5月19日は織田信長が今川義元を破った桶狭間の戦いがあった日。織田勢は今川勢の4分の1程度だったのになぜ勝てたか、それには天気が関係していた!

  • 三葛館新書 210||MA

    「文永の役」「桶狭間の戦い」・・・、きっと誰もが習ったことのあるあの出来事。気象予報士が歴史書から当時の天気を読み解く。教科書で習った歴史が事実とは異なっていた!?
    気象に関する知識も分かりやすく解説しながら、歴史の事実に迫ります。

    和医大OPAC →http://opac.wakayama-med.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=63315

  • 歴史上の有名な出来事(元寇、桶狭間の戦いなど)が起こった時、その場所はどんな天気だったのかを多くの文献や気象の知識から予測した1冊。日本史を眺める視点として面白かった。

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