ゴーストハント 7 扉を開けて (幽BOOKS)
- メディアファクトリー (2011年11月18日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (455ページ)
- / ISBN・EAN: 9784840143073
作品紹介・あらすじ
「オフィスは戻り次第、閉鎖する」能登の事件を解決し、東京への帰路についた一行は、道に迷ってダム湖畔のキャンプ場にたどり着いてしまう。ナルの突然のSPR閉鎖宣言に戸惑う麻衣たちは急遽、湖畔のバンガローに滞在することに。そこへ舞い込んだ、廃校になった小学校の調査依頼。幽霊が出るという校舎には恐るべき罠が仕掛けられていた-。すべての謎が明らかにされる最終巻。驚愕の真実とは。
感想・レビュー・書評
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再編集版、ついに完結。
この巻は、看板に偽りなしと言える
かなりの大幅リライト版だった。
元版では前半後半でほぼ分断されていた
物語が、今回はひとかたまりになっていて
ひとつめのクライマックス(教室のシーン)での
麻衣の心情がより深く伝わったように思う。
全体的にそれぞれの人物や感情についても
エピソードの追加を含めて掘り下げられていたし。
元版で微笑ましくて好きだったアドレス交換の
場面がなくなっていたのは少し残念だったけど、
1冊の物語としての構成が良く、全体の流れが
綺麗なのは新版なので、やむなし。
それにしても。
あー、終わっちゃった。
また好きになったなぁ。
なんとなく予感がして見たカバー下に
ジーンがいて、嬉しくて泣きそうになった。
そんなふうに好きな作品なので。
やっぱり終盤はうるうるしながら読んでいたし。
小野さん、メディアファクトリーさん、有難う。
さて。
んで「ゴーストハント」(ホワイトハート版)の方は
再版したりするのかな?まだ絶版じゃないのかな。
それに。続きも書く気にはなってくれただろうか。
ホワイトハートでの「ゴーストハント」は、多分
元々最初のシリーズを書いた時にやりたかった
イメージに近いんだろうなと思っているので
本人の中に物語がない訳ではないと思うんだけど。
少なくともここに一人は続きを期待している
人間がいるのだと呟いておくしか出来ない。
あー・・・ほんとに楽しい1年だった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
シリーズ第7巻。最終巻。
SPRの面々が調査に向かったのは、幽霊が出るという廃校舎。そこには恐るべき罠が仕掛けられていた。
SPRの活躍も今回で最後。最終巻らしく、感動できる物語だった。
昔の友達に連絡とってみようかなって思わせてくれるような話だった。 -
とうとうリライト終了しちゃいましたね。
一巻から伏線の張られていた例のあのお方の謎が解ける最終話、何度読んでもやっぱりやられたーと思いますね。
二巻分の話を一冊にどうまとめるのかと思っていたら、オリジナルと違って学校の問題と謎の解決編は同時に進行していくのですね。学校の話は一人一人消えていく過程のぞぞっとする感じがよし。謎の解決ではあのお方の態度がオリジナルの時より軟化傾向にあるのが今回の収穫かな。ぼーさんが一気呵成に謎を解くシーンも好きだけれど、今回の版の方が1冊としてはまとまっていて良いです。
ただし最後の謎はやはり最後に明かされます。幾重にも重ねられた謎を、推理小説ではなく、少女小説で描かれていたことに当時は非常に驚いたものです。解決することを少しも考えていないところにいきなり目の覚めるような解答が提示されることの驚きは、とても幸せな読書体験でした。少女小説では一人称で書かなければいけないことを逆手にとったある意味の叙述トリック、うーん、すごいとしか言葉がでません。
続きの『悪夢の棲む家』も入れるのは蛇足だと判断したのかなあ。ホワイトハートでいいので、出ないでしょうかねえ。 -
いつかもし、私が記憶喪失になってまっさらになったら、是非もう一度まっさらな状態で読みたい。
旧作を読んでいて、悔しいと思ったのはこの巻が初めてだ。
ずるい!私もこの謎解きと初めましてがしたかった! -
別れのない人間関係なんてない。さあ、扉を開けてーーー。
ゴーストハントの七作目にして最終巻。能登からの帰り道、迷い混んだ先でナルが突然足を止める。そしていきなりのオフィス閉鎖宣言に戸惑う一行。そこにその町の町長から廃校の調査以来が舞い込んできた。時間潰しに受けた依頼は思わぬ事態を招く…。
怖さもあったが、それ以上に胸がつまる思いで、涙が溢れた。麻衣の成長が嬉しくもあり、切なくもなる。麻衣が作中で、仲間たちを家族に当てはめてみる描写が出てくるが、私自身この彼らの関係に心地よさを感じていて、このまま続いて欲しいと思っていたから、この結び方(終わり方)はすごいと思った。むしろずっと続くより断然良いとさえ感じる展開はまさに小野不由美。脱帽です。 -
シリーズ読み終わった。
怖がりの私が全部読めた。
いろいろなものを大切にしたくなる。
巻を追うごとに面白くなっていく。特に4巻以降。
そしてこの第7巻でいったん区切り。
最初のうちなれ合いで大騒ぎのシーンをやかましく感じたが、幾多の危険をかいくぐった仲間であれば、このなれ合いもまた良しという感じ。
仲間が子供に入れ替わっていることを、違和感ありつつそのまま受け入れているシーンに鳥肌が立ちました。
桐島先生との対峙も、最初のは不快感に包まれ、2回目のは癒しの光で涙が出ました。
魂の本質を、こうあらねばならないという自我が正反対の見かけを作ってしまう。
桐島先生もそうだし、そうか、ナルもそうだなと思いきや、
麻衣ちゃんの夢のなかで優しく導いてくれたのは実は!!
続きがありそうですね。