僕は友達が少ない CONNECT (MF文庫J)

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  • Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784840143653

作品紹介・あらすじ

三日月夜空は、十年前に離ればなれになった親友との物語を再び始めるために動き出そうとしていた/高山ケイトは、妹の幸せを喜びながらも寂しさを覚えていた/天才少女志熊理科は、その能力ゆえの孤独を抱えていた/孤高の男子高校生柏崎天馬は、自分に付きまとってくる同級生に戸惑っていた/柏崎家の新しい家令ステラは、お嬢様に対して複雑な想いを抱いていた/そして羽瀬川小鷹が主人公になった時、その裏では…。『はがない』待望の最新刊。小鷹以外の人物達によって綴られる、一つの奇跡へと続いていく、煌めく奇跡達の軌跡-"繋がりの物語"登場。

感想・レビュー・書評

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  • 「僕は友達が少ない CONNECT」
    小鷹以外の人物達によって綴られる、一つの奇跡へと続いていく、煌めく奇跡達の軌跡。


    このシリーズを読んだことの無い人にどんな話なのかを説明するのは簡単です。表題が全て。そう、友達が少ない僕(羽瀬川小鷹)が友達を作っていく物語です。友達を作る訳だから、他にも登場人物はいます。彼らは黒髪、金髪、眼鏡っ子、僕っ子の女の子であり、皆様容姿端麗。はい、ここら辺で、「あ、ライトノーベルだ!」と声を上げる方は続出でしょう。


    そして、こう思われるかも知れません。「主人公を可憐な女の子達がSっ気満載で蔑んだり罵倒したりするんでしょ?でも、それは本心なんかじゃなくて、主人公に心を惹かれている自分をどう表現したらいいか分からない結果で。でも、そんな気持ちを主人公は全く気づかないで。ようはそういう恋愛物でしょ」みたいな。


    その予感、結構当たっています。ライトノーベルを避ける人は、この王道がしっくりこないんだと思います。確かに、気弱な男vs果敢な女(美人、巨乳または変人)という対人構図はかなり使われてきたし、ラブとコメディの組み合わせもSF要素や妹などの家族構成を組み込み、そこから登場人物の成長を描くというのももう十分でしょ?と。そもそも表紙がもうアレですしねw


    そんなライトノーベルはちょっと・・・という人に、まあ読んでみたら?とお勧め出来るのが「僕は友達が少ない」ですね。といっても、私はライトノーベルを好んで読むという訳ではありませんがw


    理由としては、先に述べた“結構当たっている”にあります。結構当たっているということは、外れているのもあるということ。つまり、「僕は友達が少ない」は恋愛物では無いということです。


    もちろん、スタイル抜群、頭脳明晰、おまけにお嬢様であるというハイスペック美少女である柏崎星奈や黒髪ロングで星奈にも負けない美少女であり、ツンデレ要素も持ち合わせる怜悧な三日月夜空という2大巨頭に、天才であるが変態眼鏡っ子志熊理科、真田幸村にあこがれる僕っ子楠幸村という4人で争われる小鷹を巡る恋愛は、まさにコメディあり、エロありで、現実世界で味わえる青春を数倍バージョンアップしたもの。ということで、ここでさよならする恐れありw


    でも、もう少しだけ耐えてもらえれば、恋愛物で無い“何か”に気づけます(本作「CONNECT」はそれに特化している作品です。)その“何か”とは、“純粋”であり、それは“友達が欲しい”ということ。あくまで、小鷹を妬ましく思えるほどの恋愛模様は、サイドメニューであり、“友達を作る”という誰しもが恐らくあまり意識しないでしていることが、メインメニューなのです・・・と私は思っていますw


    なので、少々ラブコメディが強くても、表紙や挿絵がエロくても、エロゲーや凌○なんて言葉が出てきても我慢して頂きたいw。しかし、エロさがここまでいるかと聞かれたら、多分いりません。


    ようは、「友達を作るということは、簡単に見えてもそうでないのだ。容姿端麗でも得意ではない人はいるし、不良と思われて周りと上手くコミュニケーションが取れない人もいるのだ」ということであり、「だからこそ、友達になれるし、友達の大切さを感じ取ることが出来るのだ」ということであるわけです。


    本作は、主人公である小鷹を中心として描いていない作品です。なので、夜空や星奈、理科がなぜ友達を作らない、作れなかったのか、なぜ小鷹を慕うのかが分かります。そこにあるのは、純粋な友達を作りたいという思い。


    また、星奈の父親と姉の話や主要人物であるシスター姉妹、小鷹の父親と妹の話も登場。話の時間軸は、8以降になるのだろうか、かなり進んだものですが、ライトノーベルが苦手な人には、これから入ってもらって、感触を得るのも一興かと。


    私は、結構このシリーズを読んでいるので、とても良かったです。友達を作りたいっていうのが前提にあるから、共感することも応援することも出来るし、何より微笑ましくもあります。それに、一人ひとり、様々な背景を持っているし、覚悟というか決心みたいなものを持ってもいるんです(星奈は持っていないな)。まぁ、小鷹が死ぬほど羨ましいという私の思いは、強化され続けるわけですがw


    そんな空気が、同じライトノーベルでも、べたべたラブコメディやごりごりラブなんかよりもずっと良い。

  • 本編の裏話的なストーリーが詰まった短編集。
    8.5巻の位置付けだそうです。
    小鷹の転校初日を夜空視点で描いた話とか、天馬さんと小鷹父の若かりし頃の話から、実はステラが星奈の姉だったことが分かったり、理科や幸村の生い立ちが語られていたりと、面白かった。
    あとがきでCONNECT2で夜空の架空の友達であるトモちゃんの誕生秘話が語られるとか書いてあったけど出てないなあ。。ゆにばーすの方で書かれているのだろうか。

  • 外伝やスピンオフのような雰囲気ですが、結構重要な巻。
    主人公 小鷹以外の登場人物の視点で描かれる裏話や、小鷹&小鳩の両親に関わるお話、柏崎家のとある人物の正体、幸村や理科の事情……等々内容盛り沢山。
    この表紙にも非常に意味があり(あとがきにて記されています)そういう点でも心を揺さぶられる巻でした。

  • 番外編と言いつつほぼ本編。特にステラさんについて重要な情報があります。いつもより笑い少なめだけど、趣深い一冊。

  • 短編集。おっさんらの話がおもろかったな。

  • 積読本にあったのでとりあえず読破。小鷹以外の登場人物の視点から見た、これまでの補完短編集。予想の斜め上を行ったのが星奈姉の存在。少々作り過ぎのような気もしないではないが、まぁ、天馬の恋の結果でもあるので、良しとしたい。ただ、それ以外は、わざわざ書かなくても、と。読者に想像(創造)させるのも必要かと。

  • 主人公を取り巻く人々…の、さらに周囲の人々も、な
    ちまちま短編集。

    若干続きあり、なものもあって、面白いような
    しょっぱいような…w
    お父さん達の過去も、何だか残念な感じもありますが
    知り合ったお母さん…そのままそっくり、です。
    幼馴染その1のバイト先も知ってしまいました。
    似合っているというよりは、納得なバイト先。
    そして理事長娘は、うん金持ちお嬢、でした。

    そして最後。
    これは、次への複線でしょうか?
    それとも、前回の主人公のように、ぐだぐだと
    色々逃げ回ってみるのでしょうか?

  • 主人公以外の視点から語られる短編集。小鷹の主観を通さない分読みやすい話もあった。ここ数巻の、単純に見えるコメディの裏側は実は複雑シリアス路線は継続。
    8巻の理科の、あの台詞はなんだと思っていたけど素の一人称が「僕」だったと。しかしなぜ僕。
    次回は夜空が当番らしい。がんばれヒロイン。

  • あらゆる本はあらかじめネット等で検索しないと
    大変な目に遭う…
    その典例がこの本でしょう。

    巻数こそついていませんが
    これとっても重要な本です。
    小鷹の視点で語られていない他の人たちの本です。

    結構興味深いのはわれらが名前禁止令の出ている
    あの方の視点の作品。
    そしてこれを読むことで表紙の意味が
    理解できることでしょう。

    でもその後の関連人物の視点は
    大変にっ!!残念なことになってしまっています。
    DNAは残酷だったねぇ…

    最後がつながりがある部分ゆえ必読です。

  • 小鷹君の視点で進められてきたストーリーを、別の視点から見る。
    人生、予想がつかない方向に転ぶから面白い。
    少なくとも彼らにとっては、彼らの思い通りに事が運んではいないのだけど、彼らが必要としていたものを得ることができたのではないかと思う。
    それがこのまま続いていくかは、これからの小鷹君の行動次第だけど。

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著者プロフィール

第0回MF文庫Jライトノベル新人賞にて「ホーンテッド!」が優秀賞を受賞しデビュー。
「妹さえいればいい。」(ガガガ文庫) 、「僕は友達が少ない」(MF文庫J)ほか。

「2021年 『〆切前には百合が捗る2』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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