私はフーイー 沖縄怪談短篇集 (幽BOOKS)

著者 :
  • メディアファクトリー
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感想 : 105
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  • Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784840148924

作品紹介・あらすじ

ヨマブリと胡弓の響き、願いを叶えてくれる魔物、ニョラの棲む洞窟、林の奥の小さなパーラー、深夜に走るお化け電車、祭りの夜の不吉な予言、転生を繰り返す少女フーイーが見た島の歴史と運命とは-。

感想・レビュー・書評

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  • 恒川光太郎作品3冊目。読みやすいし、予測できないタイトルや怖い表紙!またイッキ読みしました。怖いというより薄気味悪い、しかもクセになります。

    • アンシロさん
      さすよこさん、こんばんは。いいね、たくさんありがとうございます!嬉しいです。

      こちらの作品、表紙のインパクトがすごいですね。怖いです。。
      ...
      さすよこさん、こんばんは。いいね、たくさんありがとうございます!嬉しいです。

      こちらの作品、表紙のインパクトがすごいですね。怖いです。。

      私は読書を始めて日が浅いですが、読むスピード以上に買ったり借りたり…読みきれないのが少しストレスですが笑、楽しみが増えていくのはいい事と思ってます(*^^*)

      本棚を参考にさせて下さい。よろしくお願いします。
      2023/12/05
  • 表紙の絵で敬遠して
    なかなか手を出せなかった一冊だったけど、
    天使の絵などで有名な寺門孝之さんだったとわかってびっくり。

    沖縄の独特な方言が
    わからないことで逆に薄気味悪く、
    怖さを増幅させている。

    恐怖に取り付かれた人たちが
    妄想の世界へ引きずりこまれて行く様子が恐ろしい。

    わたしの好きな恒川ワールドとは
    ちょっと違うけど、
    いつものようにすーっと引き込まれ、
    怖いけどたのしく読めた。

  • 独特の湿気。
    この土地の闇の深さ、暑苦しさを彷彿とさせる怪談集。

    とはいえ、「怖!」というものではなく、どれもこれも人の体臭のする、じわじわと絞め上げるような、ひたひたと背後に迫るような怖さ。

    どれもこれも怖いというより、人間に対してのほのかなおかしみ、慈しみを感じさせる話でありました。

  • 恒川さんの沖縄怪談。怪談というより昔から伝わる民話といった方が近いかな。(本当にある話なのかは知らないけど)
    相変わらずの恒川ワールド全開。現実の地続きに異世界がある…この不思議な、不気味な雰囲気がたまらない。淡々とした語り口も良い。
    表題作が一番良かったかな。転生を繰り返す女の子の話。

  • やはり恒川ワールドは独特ですね!
    ねっとりとまとわりつくような闇。背筋がスッと冷えるような怖さ。
    現実と地続きでありながらも、あっという間に異世界に連れて行かれる。

    沖縄は修学旅行で一度行ったきりですが、
    その時はカラッと明るい、爽やかな印象しかありませんでした。

    でもこの本を読むと、
    それは沖縄のひとつの側面にすぎないという気がしてきます。
    今思えば沖縄は、独自の文化を築き侵略という憂き目に遭った場所。
    むしろ本質はこちらの方なのかもしれない、とふと思いました。

    「夜のパーラー」のいやぁな後味がたまらない(笑)
    表題作「私はフーイー」は、輪廻転生する娘のお話。これも良い。

  • 「怪談」とあるが、よくある「友達の友達に聞いた話なんですが…」的なものではなく、昔話のように語られ、非常にファンタジック。怪談雑誌『幽』での連載作品とはいえ、ホラーよりファンタジーにカテゴライズして売った方がいいと思うのだが。
    そしていくらなんでもこの表紙は酷過ぎる。売る気あるのか出版社。

    この人の作品の、ファンタジーとミステリーとホラーの狭間を揺れる不思議な雰囲気が好き。

  • カテゴリーをホラーにせず沖縄にしたのは、ささやかな抵抗?(意味不明)
    「夜市」は、鋭意積読中←冬に読むのもオツかも(変な言い訳)

    メディア・ファクトリーのPR
    「日本ホラー小説大賞受賞のデビュー作『夜市』が直木賞候補になり、その後も山本周五郎賞や吉川英治文学新人賞にノミネートされる注目作家である著者が、デビュー前から長らく住んでいる沖縄を題材にした短篇集。在住の作家ならではの、沖縄文化の描写と息遣いにあふれている。怖さと不思議な心地よさが同居する、沖縄幻想譚全7篇。」

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「なら大丈夫かと思われます。」
      有難うございます。チャレンジしてみます(リアル書店で購入したら、カバー掛けっ放しなので、絵は見なくて済む筈)...
      「なら大丈夫かと思われます。」
      有難うございます。チャレンジしてみます(リアル書店で購入したら、カバー掛けっ放しなので、絵は見なくて済む筈)
      「または希望や郷愁といった人の心に由来」
      恒川光太郎 は、その雰囲気が多いのでしょうか?
      2013/03/01
    • 翠嵐さん
      そうですね、二度とは戻れない何処か遠くを想う様な切ない郷愁はよく感じます。
      ただ私が読んだ事のあるこの方の著書は四冊と非常に少なく、一概に...
      そうですね、二度とは戻れない何処か遠くを想う様な切ない郷愁はよく感じます。
      ただ私が読んだ事のあるこの方の著書は四冊と非常に少なく、一概には言い切れないので本当に参考になるのかどうか…
      2013/03/01
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「本当に参考になるのかどうか…」
      いえいえ有難うございます。
      本にはカバーを掛けたままにして、ウッカリ表紙を見ちゃわないようにします。。。
      「本当に参考になるのかどうか…」
      いえいえ有難うございます。
      本にはカバーを掛けたままにして、ウッカリ表紙を見ちゃわないようにします。。。
      2013/03/02
  • 図書館。
    日本と外国のあわいにある南の島でしか書けない、起こり得ない、現実と神と怪異の話だった。
    ちょっと怖い、全体的に切ない、何だか美しい。

  • 妖しげで怪しげなデビュー作『夜市』にすっかり囚われてから、6作目までずっと新刊を買い続けた大好きな作家。ただやっぱり本作も含めて『夜市』を超える作品が未だないのが残念。
    本作は沖縄の怪異譚をまとめた短編集。「弥勒節」最愛の妻をヨマブリに盗られた男は胡弓を奏で続ける。「クームン」あばら家に住み人々の靴に異様な執着を見せる男クームンの優しさ。「ニョラ」洞穴に住む怪物が人間という怪物を呑み込むまで。「夜のパーラー」人気のないパーラーで出会った女と老婆。「幻灯電車」生きているから生きている。例え人を殺し家族を失っても。「月夜の夢の、帰り道」碌な人生ではなかった、子供の頃かけられた呪いじみた予言の言葉のせいで。「私はフーイー」何度でも何度でも、私はこの島で生まれ変わる。
    沖縄的な妖の存在がチラつくが、それらの存在よりも、この人が描く人間が何より一番恐い。

  • かんかんと降り注ぐてぃだの光のイメージとは裏腹に歴史に翻弄され暗黒の闇をも内包する島国沖縄が舞台の短編集。
    だがそれはキジムナーやマジムンの類の伝統的な民話説話ではなく全くもって恒川氏のオリジナル、クームンやヨマブリなどあたかものそうであるかのような創作には改めて「巧いな」と素直に感心してしまう。
    とは言うもののそこは怪談専門誌「幽」の掲載作品だけにグロさやエグさが前面に出ており読後感はあまりよくない(亀甲墓やガマと殺人死体遺棄を結びつける発想はいただけない)
    やはり恒川さんには下手にテーマに縛られることなくあの独自の幻想的な世界感の作品を期待したいものです

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著者プロフィール

1973年東京都生まれ。2005年、「夜市」で日本ホラー小説大賞を受賞してデビュー。直木賞候補となる。さらに『雷の季節の終わりに』『草祭』『金色の獣、彼方に向かう』(後に『異神千夜』に改題)は山本周五郎賞候補、『秋の牢獄』『金色機械』は吉川英治文学新人賞候補、『滅びの園』は山田風太郎賞候補となる。14年『金色機械』で日本推理作家協会賞を受賞。その他の作品に、『南の子供が夜いくところ』『月夜の島渡り』『スタープレイヤー』『ヘブンメイカー』『無貌の神』『白昼夢の森の少女』『真夜中のたずねびと』『化物園』など。

「2022年 『箱庭の巡礼者たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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