- Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
- / ISBN・EAN: 9784840151726
作品紹介・あらすじ
"体験談にもとづく怪談実話作品"のみを募集した第4回『幽』怪談実話コンテスト。大賞受賞作は、濃厚な過去の生活者の吐息を感じる不動産怪談「痕跡」。幼い記憶に紛れ込んだ奇妙な"友達"を描いた下町怪談、京都を歩く男性二人が交わす何気ない会話のなかの怪異の断片など、個性豊かな受賞作8篇と書き下ろし8篇を収録。巻末には同賞の選考会リポート付き。
感想・レビュー・書評
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ネタと話術と文章力が、怪談には必要なんだとわかった。
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「痕跡」
考えすぎとは思うけど、そう感じてしまったらそれが真実。
「母の人形」
スレチガイともつれた情念と執念。
「怪獣スタンプ」
二十世紀少年思い出すね。こういうのって、好き。
「ラジコンおじさん」
今の御時勢なら、障害者には近づかないように、で終わっちゃいそう。差別につながることには、教育よりも排除。そんな風潮が、そこはかとなく増えつつある御時勢。いやな時代です。
「黄昏」
身近な神有地。こういう場所って、聞かなくなったような。
「青森の娘」
怪談ですよ。哀しいせつない。
「つたえたいこと。」
これって、あの港区のマンションなんじゃないの?とか思ってみたり。
「キャンプ場にて」
悪気はないけど、大迷惑。ご愁傷様。
「三角池」
子供の頃の一日が長かった感覚。その中で、不意に訪れる摩訶不思議。いいよねぇ、郷愁あふれる怪異な話好きです。年取ったから?
「豹変行」
単なるすれ違い、行き違いなんだけどね。他人からすると。こんなことがあってさ、といわれても。いや、怖いんだけどね。
「耳をみた」
気持ち悪いねぇ。見ることもそうだけど。両親の描写も気持ち悪いね。ぬめっとしてる感覚。全体的に。
「あのときの四人」
ミステリチック。え?あれ?でもさ?っていう感じで印象強いです。
「耳の後ろに顎を乗せる女」
普通に怖い。しゃべんないで、お願いだから。こっちが気づいていることに、向こうも気づいて、コンタクト取ってくる怪談って、とても怖い。
「うたたね」
ONとOFFの隙間に、ぬらりと存在するって気色悪いですよ。意識と無意識の狭間に、さらっと入り込まれたら。
あぁ、きもちわるい。
「生き写し」
うーんと、怪談?「残穢」のようなルポものなんだけど、ホラーよりルポのほうが色合い強い。自分の調べたことの発表の場を探してたら、ここに行きあたりました、って感じ。
「微笑みながら」
ほっこりします。最後がこれでよかった。
選考会の稲川淳二の会談が、やっぱり怖い。第一人者って、すごいね。当たり前のように、すぎことやってのける。
そこにしびれる、あこがれるゥです。