夜明けのブギーポップ (電撃文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 1301
感想 : 44
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784840211970

作品紹介・あらすじ

君はこの世に取り返しがつかないことはないと思うかい?辛い過去も、どうにかして精算することができると思うだろうか。それとも過去は、触れることのできない暗部でどうしようもないかな?昔に起きたことはその後のすべてを決めて変えることはかなわないのだろうか?…これはぼく、ブギーポップの誕生に関する物語だが、ここには四人の変わり者が登場する。彼らは探偵で、人の恐怖を喰らう者で、作家で、暗殺者だ。彼らが炎の魔女と出会うときに、四人が辿る道を、あなたは取り返しのつかぬ失敗と見るか、それとも-ささやかで不可思議な、六つの異形の視点から語られる、ブギーポップ最初の事件。

感想・レビュー・書評

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  • 巻を追う事にアツい展開がくる。今の世界や社会情勢をうまく著してるようにも感じた。この巻だけでも読んでみる価値がある。

  • これは虫の話だ。その人間が考えてもしょうがないものとして忘れようとすることを食べながら大きくなっていく虫。誰しも心に抱えるその虫は、いずれ自分の命運を決定づける存在になる。
    その虫が騒いでしまった人間たちの起こした奇妙な事件と不気味な泡の誕生物語。

    当時は虫の話にピンときてなかったんだけど、今読むと味わい深いね。
    少年と凪の言葉の対比がいい。
    それに、虫の話はモ・マーダーに対してだけに留まらず、他のキャラもそうだし、読者に言えることでもあるよね。
    「虫も悪くない」と言って終わる人生でありたい。

  • 「ブギーポップ」シリーズの第6弾です。ブギーポップがエコーズに出会い、その名前の由来を語りはじめるというかたちで物語がスタートし、霧間凪(きりま・なぎ)のこれまでたどってきた人生とそれにかかわった人物たちのすがたがえがかれる展開となっています。

    ミステリ作家である霧間誠一(きりま・せいいち)の娘としてこの世に生まれた凪は、長く病に苦しみ、療養生活を送っていました。彼女は偶然、統和機構の合成人間であり探偵として世間に溶け込んで生活を送っているスケアクロウに出会うことになります。スケアクロウは、凪が統和機構のさがし求めていた、特殊な能力をもつ少女であることを知るものの、凪を守るために統和機構を裏切ります。やがて暗殺者のモ・マーダーが統和機構から送り込まれ、スケアクロウは殺害されますが、彼らのもたらした波紋がひろがり、凪は自分の身のうえに起きていることを知らないまま、さまざまな事件にかかわっていくことになります。

    本シリーズは、比較的短いとはいえそれなりの歴史をもつライトノベルのなかで重要な位置を占める作品ですが、おそらく本作などの影響を受けていると思われる成田良悟などの後年の作品などと比較すると、キャラクターの造形が多少弱いようにも思えます。そのなかにあって本巻は、幼い凪をはじめとして、キャラクターの魅力をあじわえる内容になっているのではないかという気がします。

  • 「炎の魔女」霧間凪と彼女が出会う人物の過去のお話。凪の病気が治った理由などいろいろなことが書かれていて面白い。
    またブギーポップの名付け人も登場する

  • 初期の中で
    三大好きな作品の1つ。

    パンドラとペパーミントと夜明け。

    主要キャラクターの外せないエピソード。

  • 感想

    むかしむかし、子供の頃から、ゲームなどで前作の主人公が出てきて、今作の主人公と、こんにちわと対面する場面で、むふふと喜悦した笑みをこぼすような子供だったので、そのような場面が小説から現れては、心の中で喜びと興奮が手に手を取って舞い踊った。

    読み進めるたびに、どんどん楽しくなっていく小説だった。

  • ブギーポップ誕生の話でもあり、炎の魔女のルーツ話でもあり、ビートの叔父貴の話でもあり。ブキポワールドを読む上で欠かせない作品

  • 2012 7/30読了。自宅蔵書。
    名作ラノベ再読週間(たぶん週は何度もまたぐ)2冊目。
    ブギーポップシリーズの中で個人的に2番めに好きな話。
    霧間凪/ブギーポップの起源の話で、イマジネーターと霧間誠一が出会っている話で、さらにエンブリオの原型も出てくる上にエコーズとブギーが出会っている、しかも歪曲王に出てきた空間の中で・・・と、いろんな要素がてんこ盛りの連作集。
    ただ、それらの要素ももちろん各々嬉しいし面白いんだけど、本作で一番の特徴は人の恐怖を食らうフィア・グール、強い人が恐怖した時の脳分泌物を好むMPLSが、自分が好むような強い人はほとんどが女性である、って言い切ったことではないかと思う。
    確かにブギーの世界観だと戦闘力の高い男性はいくらでも出てくる(それこそ「最強」だのイナズマだの)んだけど、じゃあ彼らが「強い」のかって問われると・・・ってなるようなことはあって、自分の実感としてもそれは男性一般に広げられそうな気がする。
    フィア・グールが好むような「強さ」は女性の中にしかない(生き物として強いのは女性だ)ってのはまあ創作物に限らず散見する考えではあるけれど、それをラノベの中で言い切ってみせる上遠野浩平は典型的なラノベのようでいて全然そうじゃないんだよなあ、とか思ったり。うーん。

  • 霧間凪の物語。

    名は体を表すというか、<炎の魔女>こと凪の患っていた能力は炎などに関係しそうなものだったんだね。

    ブギーポップがいつから活動していたかって言うことは明らかになっていないけど、名前の元である「不気味な泡」という言葉が決まったのはここかもしれない。
    ブギーポップの登場した場所は『宮下家の葬儀虫の火葬場』だったらしいけど、ブギーポップについて何か関係あったりするのかな?

    それにしても、凪の父親「霧間誠一」は脇役のくせにググるとたくさんページが見つかるというのは不思議で面白い!

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著者プロフィール

第4回電撃ゲーム小説大賞〈大賞〉受賞。『ブギーポップは笑わない』ほかシリーズ著作多数。

「2019年 『ブギーポップ・オールマイティ ディジーがリジーを想うとき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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