キノの旅 (7) the Beautiful World (電撃文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
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  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784840223867

作品紹介・あらすじ

-モトラド(注・二輪車。空を飛ばないものだけを指す)の反対側で、運転手が草の上に座っていた。両足を前に出して、後ろに手をついて、そして空を見上げていた。春の暖かい太陽に、蒼い空を背景にいくつかの雲が流れていく。運転手は十代中頃で、短い黒髪に精悍な顔を持つ。黒いジャケットを着て、腰を太いベルトで締めていた。-人間キノとモトラドのエルメスは"動いている国"に出会い入国する。その"動いている国"が進む先には"道をふさいでいる国"があった(「迷惑な国」)。他全8話収録。短編連作の形で綴られる、新感覚ノベル第7弾。

感想・レビュー・書評

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  • ■書名

    書名:キノの旅〈7〉the Beautiful World
    著者:時雨沢 恵一

    ■概要

    人間キノと言葉を話す二輪車エルメスの旅の話。
    短編連作の形で綴られる、第7弾。

     ▼収録話

    「何かをするために・b」
    「迷惑な国」
    「ある愛の国」
    「川原にて」
    「冬の話」
    「森の中のお茶会の話」
    「嘘つき達の国」
    「何かをするために・a」

    ■感想

    キノシリーズ、第7弾です。

    この巻、面白いです。

    「迷惑な国」「冬の話」「何かをするために」の3つが好きですね。

    「迷惑な国」は話的には読んでいてイライラするので好きではない
    のですが、裏を返せば、自分もこうやって考えている部分があるな~
    と思い、好きとしています。
    自分と物語の登場人物で違うのは、程度の差だけです。
    これを読んで頭で考えると、自分のご都合主義(矛盾)がはっきりと分
    かりました。

    このような文化、宗教、考え方の違いは、論理的なものではなく、感情
    的なものなので、分かりあるのって本当に難しいです。
    この物語のように、一方が自分の考え方を押しつけてしまうと結局戦争
    に発展するように思いますが、押しつけないで妥協点を探せば違う物語
    が成り立ったのではないかと感じました。
    (恐らく、わざとだと思いますが。。)

    本当に世の中には、灰色の部分が蔓延しているな~


    「冬の話」は医療が許されていない国に辿りついた医師の話です。
    中々、深いです。
    医師の過去の事情と葛藤ともう少し丁寧に描いても良いのでは?と
    思いましたが、この医師の行動は、医師の鏡だと思います。
    また、この話では、珍しくキノが感情を揺さぶられている描写があ
    るのも、面白い点です。


    「何かをするために」は、キノが旅に出る前の、キノと師匠の物語
    です。(a,bで分ける必要性は皆無だと思いますが・・・)

    キノが(恐らく)初めて自分の身を自分で守った話だと思います。

    人を疑わない事の怖さ、人を信じる事のむずかしさ、自分の身を守る
    事のむずかしさ、文化を知ることの大事さなど、色々と考えさせられ
    る物語です。

    細かいですが、キノが、現代よりも女の子なので、話し方の違いも
    面白い部分だと思います。

  • 注:残酷・暴力的な描写が(少ないが)あるので、学校図書として置くかどうかは慎重に(例:人間の頭部に銃弾が当たり、顎から上だけが吹っ飛ぶ、脳が飛び散る等)

    内容:
    「「ひとつの国に滞在するのは3日間」というルールで様々な国を訪れる旅人キノと、その相棒で言葉を話す二輪車のエルメス。キノたちが訪れる国は個性豊な人たちが暮らし、キノと様々な形で出会い、そして別れていく。」
    ベストセレクション、コミック・アニメもあり。

    第7巻:
    「生きていると 悲しい 生きていることは 悲しくない」 -I am alive.-
    発売日:2003年6月25日
    登場人物:キノとエルメス、シズと陸、師匠と弟子

    目次
    ●プロローグ「何かをするために・b」
    ●第一話「迷惑な国」
    ●第二話「ある愛の国」(師匠のお話)
    ●第三話「川原にて」(シズのお話)
    ●第四話「冬の話」
    ●第五話「森の中のお茶会の話」(師匠のお話)
    ●第六話「嘘つき達の国」
    ●エピローグ「何かをするために・a」

  • お師匠さん多め。

    意地悪に読むとキノは結果的に「キノ」の人生を乗っ取ったようだなあ。「キノ」の代わりをし続けなければならない呪いでもあるかも。
    まあキノはこういう特別なエピソード以外は、個人というより象徴って感じである。

  • 4-8402-2386-6 c0193¥530E.

    電撃文庫 し-8-9.

    キノの旅 Ⅶ

    著者:時雨沢恵一(しぐれさわ けいいち)

    発行所:株式会社メディアワークス
    発売元:株式会社角川書店

    2003年6月25日 初版発行
    2004年2月10日 7版発行

  • 記録。

  • ずーっと思ってたんだけど、キノの旅って星新一感あるよな、一つの事実に対して多面的な視点を当てるところとか。他国や他人に対して、キノがあくまで客観的な立場を保っていることが効いてると思う。

    ■何かをするために・b
    ■迷惑な国、、、「ある程度の迷惑」で割り切れるレベルじゃないと思うけど、彼らの国の技術力からしたら「ある程度」。これも価値観の相違というかなんというか。通りすがりだからできること。
    ■ある愛の国、、、羊てあんた
    ■川原にて
    ■冬の話、、、情景描写が特に秀逸、なんてことは全然ないんだけど、キノの旅のこういう静寂に満ちた、閉じた話は好き。時々挟まる雪の描写が好きだなあ。オチは別にどうでも良かった。
    ■森の中のお茶会の話、、、キノの旅らしい残酷さ。師匠お化け苦手なのめっちゃ意外。
    ■嘘つき達の国、、、これはすごく印象に残ってた話。まさか男も嘘つきだとは。幸せの形とは?
    ■何かをするために・a、、、キノにもこんな時代があったんだなあーって話。罪悪感とかじゃなくて、キノはちゃんと自分で選んで今のキノになったんだなという安心感。師匠との日常が可愛い。

  • 2020.5.21 読了

    いつもの冒険譚。

    キノの過去の話もあった。

  • し 頂きもの ハコ05

  • ストーリー上の大きな展開もなく、国々を経めぐるキノとエルメス、そしてシズ様と陸の旅をえがく本シリーズですが、ここにきてキノとその師匠の過去や、シズ様が旅をする理由など、ストーリーの中核になる設定が、すこしずつ明らかにされています。

    正直なところ、本シリーズに対する興味の中心はそこにはないのですが、それでも今後どのようなかたちでこれらの設定がストーリーに絡んでくることになるのか、もうしばらく見守っていきたいと感じました。

  • キノの旅、第七弾。秀逸な話「迷惑な国」「冬の話」「嘘つき達の国」

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著者プロフィール

2000年『キノの旅 the Beautiful World』でデビュー。アニメ『ソードアート・オンラインII』の銃器監修も担当。

「2023年 『ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンラインXIII ―フィフス・スクワッド・ジャム〈下〉―』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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