- Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
- / ISBN・EAN: 9784840224857
作品紹介・あらすじ
座敷童とは「福をもたらす童女の霊」という形だけでなく、愛らしいどころか不気味な姿をしたもの、また福だけでなく不幸の先触れである場合も『座敷童』の範疇に含むとしている。あくまでも、この童子の本質は『怪異』である事を忘れてはならない。「-ようこそ、みんな。"ここ"では久しぶりだねえ」その言葉とともに、"魔女"-十叶詠子は聖創学院に帰ってきた。そして、その"帰還"にあわせるように空目恭一ら文芸部の面々の間に微妙な亀裂が入り始める-。超人気現代ファンタジー第9弾。
感想・レビュー・書評
-
芳賀率いる機関による、占い師の処分から始まる。
その占い師から聞いた自分の欠けたものを補ってくれる儀式を実行した木村圭子。彼女は、過去に鏡に取り込まれて亡くなった美術部員である水内範子の友達だった。
魔女の使徒も現れ、小崎摩津方は武巳を味方にし、なんだか文芸部に不穏な流れが生まれ始める。
俊也は自分の力を信じられず、亜紀は空目の役に立てず、武巳は稜子を守りたい一心で、そんな各々の身勝手な動きでバラバラになっていく。
木村圭子の内気さに苛立って、みんなの身勝手さに苛立って、先を読むのが少し億劫になってしまった…。
どうじさま…。
それは想二と関係があるのかな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
みんなコンプレックスの塊で、それを誰にも言えずに抱えてる。
多分一番それを抱えているのは空目さんなんだろう。
だけど、一見彼が一番強く見えてしまうから、みんなそこに頼ろうとする。
でも彼にはそんな余裕ないのよ。
私の読み方が穿ってるのかもしれないけれど、きっとそう思う。 -
名称がいちいちあれなのはおいておいて、漸くラストに向かい始めた様子。
-
Missingの中で二番目に好きな狂気が描かれている巻。基城 兄が行った行動。
-
聖創学院大付属高校に“魔女”が帰還した。大勢の、“使徒”を連れて……。それと同時に突如流行り始めた奇妙な“オマジナイ”の正体とは?
-
怪異の物語は終結し、そして世界は異界に反転する…。
欠けた自分を補う不思議なおまじない。
今回のモチーフは座敷童。
微笑ましいイメージの多い伝承ですが、異国の似たような逸話には死者も出ているとのこと…。
民俗学には、不思議で、興味深い事が沢山眠っていますね。
私は普段ホラーなどは全然怖くないと云いますか、耐性が強いのですが、
この物語の怖い点はお化けや怪異ではなく、
人の心によって齎されるものだという事だと思います。
事によっては常軌を逸しているようなこともありますが、
まったく理解が及ば無い物かというとそうでもない…だからこそ怖いのだと思います。
今回の童子様のおまじないだって、
思い返せば幼い頃に似たようなおまじないがあったような気がしますし、
私ももう何だったかは覚えていないにせよ、おまじないの本を読んだり、
何かを実践したことだってあったと思います。
おとり捜査…とばかりに亜紀が童子様を実践するという、
何とも気になる場面で物語は終わっています。
武巳も亜紀も綾子も、みんな、秘密にしている色々な事がある。
でもそれは彼らだけではなく、誰にでもいえる事なのです。
恭介に近づきたいばかりに、聡明なはずの亜紀が危険な事に単独で挑む…
やっぱり女の子は魔女と紙一重ですね。 -
少しずつ、怪異の恐怖というよりも、それを招いてしまう人間の愚かさと危うさが露呈してきた印象。
馬鹿なことってわかっていても、少しの好奇心と期待でしてしまう「おまじない」。
それが与えてくれるものが魅力的なほど、「もしかしたら」と思ってしまうもので。
でも、それって、「おまじない」に限らないんですよね。
前にも同じこと考えた気がするけど。 -
あの人が帰ってきた学校は、変わらない日常を、と言いたいところですが
ものすごく変わった事がひとつ…人が周囲にいる事。
そして冒頭の黒服達。
一体今、学校に『何』が流れているのか。
どうしてこう人というものは、自分は大丈夫と思うのと同じくらい
取りつくろわれた日常に、見えているものを見ないでおこうとするのか。
平穏というか、自分を『普通』にしようと思うからこそ、なのですが
もうちょっとこう…何か考える事は、あっても無理なんですよね。
一体、何故なのでしょう?w
再び出てきた『あの人』に、止められた提案を実行した彼女。
どうなるのか、どうするのか。
対抗する手段というか、どうするつもりなのか。
もうちょっとあなた方ヒント下さい! と言いたくなります。
あっても分からない、というのが本音ですが…w -
再読。
今回も学園のおまじないが発端のエピソード。
魔女・十叶詠子も学園に戻り、文芸部との対立もクライマックスに向けて盛り上がってきます。
武巳の抱えた秘密はもう、どうしようもないレベルまで育ってしまってますね。