半分の月がのぼる空3 wishing upon the half-moon (電撃文庫 は 2-19)

著者 :
  • アスキー・メディアワークス
3.73
  • (156)
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  • (5)
  • (2)
本棚登録 : 1385
感想 : 47
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784840227834

作品紹介・あらすじ

里香の深刻な病状を知ってしまった以上、僕はもう単純に笑うことなんてできなかった。でもさ、だからこそ僕はむりやり笑うことにしたんだ。里香のために。里香に笑ってもらうために。やがて里香が写真を撮ってほしいって言いだした。しかも学校に行きたいなんてことまで。僕は里香の望みをかなえてやろうと、父親の形見のカメラを持ちだし、幼馴染からセーラー服を借りて、みんなと学校へ向かった。一日だけのスクールライフってわけだ。里香はもちろん喜んだよ。彼女の笑顔は最高だった。だけど、そういう幸せな日々がいつまでも続くわけがなかったんだ…。

感想・レビュー・書評

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  • ★2.5
    2巻では裕一の扱いが散々だったので、恐る恐る3巻を。前と比べるとマシになってて安心した。相変わらず病人らしさは無いけど。
    新キャラもちらほらと。このシリーズの苦手なところは、まともな大人がいないところかなーと思い始めた。ただでさえウジウジやってる主人公なのに、周りの大人もしっかりしてないのはちょっと嫌だな。あ、いいところもあるじゃん。とかそういうレベルではなく、ちゃんと子供たちを支えられる大人が欲しいかな。
    反対に、みゆきのキャラはとても良いと思う。病気を抱えている里香と、いわゆる普通の高校生のみゆき。この対比は、このシリーズの核となる部分を際立たせていた。
    ラストはかなりシリアスな展開になっていたけど、こういう展開こそ、しっかりと描いてほしい。このシリーズを読んでる理由はそこなので。

  • シリアス。登場人物が増えてにぎやかになった。相変わらずな裕一を見ていると不思議と落ち着く。

  • 一日だけの学校生活〜手術と、幸せな気持ちから叩き落される感じ。
    周りの大人たちも影響を受けてもがいてる。

  • 登場人物の心情が丁寧に描かれていて面白かった。死に対する感覚、幼馴染に対する微妙な感情と嫉妬、舞台は病院と学校くらいだがたくさんの感情に触れることができて心に残る内容だった。
    二巻に引き続き次の巻が気になる終わり方になっているのがにくい。

  • 相変わらずのグダグダって感じだが、それも悪くはない。ちっとも煮え切らない主人公に苛立つことがあまりないのは、その場その場に流されやすいとは言え、方向性がはっきりしているからなのか。それとも文体のせいなのか。断定できるようなものは何もないが、辛い話なのに読後感はそれほど悪くない。
    ストーリー的に特別なイベントがあるわけでも無いが、多分、主人公にとっての世界とか社会とかそんなものが描かれている。そう感じられた。

  • 里香がついに手術を迎えます。

    だけどそれは、わりとどうでもよくって。

    裕一も里香も、お互い好きだけど、
    その「好き」には差があるなと思います。

    里香の世界は狭いから、裕一だけをひたすらに愛してる。
    彼も本当に欲しいのは里香だろうけど。

    里香の幸せは、箱庭の中の砂糖菓子。
    彼女の心のなかで作っている、ほろほろと崩れる幸福。
    容易く崩れていく幸福なのに。

    裕一は、ねじ切れそうな寂しさを抱いてでも
    里香が死んだあとだって、生きているだろう。
    他の誰かを抱きもするだろう。

    そんなものだ。真っ当で、残酷で。

    自分勝手な言い分だけど、どうして残されるひとたちは
    たかが砂糖菓子の幸せすら、嘘でいいから夢見させて
    くれないのか。

    当たり前だ。

    その嘘に付き合ってあげるほうだって疲れもする。
    楽になりたくもなるだろう。

    まして病気はなくなったわけじゃないし。
    すごく嫌な言い方だけど、里香が美人じゃなかったら
    裕一はこんなに必死にならずに。

    いや、それどころか恋にさえ落ちていないだろうから。

  • ※1~3巻までの感想をまとめてこちらに。
    普通の少年・戎崎裕一と少女・秋庭里香の出会いから始まる、だけど特別な物語―。
    この作品は例によってアニメから入りました。けれど、アニメでは夏目小夜子さんのことがあまり詳しく描かれず、どんな女性だったのか気になったので、原作を読んでみることにしました。
    時には物語の重要な鍵になる、数々の文学作品が出てくるのが、この作品の魅力の一つだと思います。ちょっと大変そうだけど、『チボー家の人々』を読んでみたくなりました♪
    アニメでは分かりづらかったけれど、原作では里香の性格の悪さ、それも長期に及ぶ入院生活に起因する性格の悪さ、が良く表れているなと感じました。
    裕一の伊勢を出たいという気持ちも、よく分かります。こういう気持ちって、ちょうど大学受験を控えたこの年頃によくある話じゃないかなと思います。ここじゃないどこかで何かを見てみたくて、掴んでみたくて…そのくせ離れるのが怖くって。田舎がイヤっていうか、本当は自分が生まれ育った大切な、愛着のある土地だからこそ、寂れていくばかりなのを見るのがツライんでしょうね。
    引用は3巻219ページの、裕一のモノローグから。私の悪い癖でもあるなと思って、印象的でした。1~2巻までの裕一は、まだまだコドモ。それでも『銀河鉄道の夜』を通して里香の病状を知り、同時に自分の弱さと幼さを知った3巻あたりから、少しずつ成長が感じられます。美紗子さんとの失敗は、限りなく現実逃避に近く見えるけど、それはようやく現実を見るようになって、壁にぶち当たったからだとも思います。
    里香のために、寄り添うために、裕一はまだまだ強くならないといけません。迷いながら、時には失敗しながら。...4巻に続きます。

  •  前巻の最後の場面直後から始まります。
     今までの巻では平気だったのですが、この巻ではなぜかページをめくる手がよく止まりました。
     話の大筋は好きなのだけど、ところどころ自分には合わないなと感じるようになってきました。

  •  良かった。続きはとても気になるし、アニメ版と比較しても面白い

  • どきどきの展開になってきました。
    里香と祐一の関係も複雑になってきましたね。祐一が必死になってがんばっていたり、それを知っていて自分もがんばっているのを見せない里香。
    そして、夏目と亜希子さん。
    最後の夏目のセリフはドキッとしてしまいます。
    続きが非常に楽しみです。

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