海の底

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  • メディアワークス
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  • Amazon.co.jp ・本 (451ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784840230926

作品紹介・あらすじ

横須賀に巨大甲殻類来襲。食われる市民を救助するため機動隊が横須賀を駆ける。孤立した潜水艦『きりしお』に逃げ込んだ少年少女の運命は!?海の底から来た『奴ら』から、横須賀を守れるか-。

感想・レビュー・書評

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  • 有川浩さんの小説が好き。
    哀しくて零れ落ちてしまう涙、堪えないといけない涙、そして笑顔とともにある涙。
    面白い小説でした。

    お話は、
    桜祭りで一般に開放された横須賀米軍基地に突如海から巨大生物の大群が襲来し、次々と人を襲う。
    自衛隊員2人(夏木、冬原)は逃げ遅れた子供たちを連れ、米軍基地内に停泊していた海上自衛隊の潜水艦でろう城することに。
    米軍、内閣、警察上層部の思惑を絡み合い、潜水艦に取り残された者は...

    まず巨大生物が生きている人を次々に捕食していく描写が結構エグい。
    シーンを想像すると鈍い恐怖が沸き起こってくる。
    現代社会に巨大生物ってなんだよ、興ざめる...ってコトにならなかった。

    極限の密室で過ごす子供たちの描写がすーっと入ってくる。
    子供ってこういうコミュニティを作っちゃうし、素直だったり素直じゃなかったり。

    もちろん恋愛ありです。有川浩さんの恋愛の甘さがほんと心地良い。
    そして、アホなお偉いお役人と反体制なカッコイイ漢もでてきます。

    怪獣に、青春に、自衛隊ネタに、恋愛まで。
    またまたてんこ盛りでした!
    満腹!

    自衛隊三部作「陸・空・海」完食しました!
    いや〜おいしかった!
    有川浩さんの作品を1つでもいいなーと思った方は、ぜひご賞味ください!

  • やばい、有川浩さん★5ばっかりや!(別にやばくない)もういいです、普通にファンですわこれはもう、しょうがない認めます
    これから自己紹介の時は必ず好きな作家は横溝正史と有川浩ですって言います(真逆やないか)

    今回はザリガニの大きいのが大量発生です
    有川浩さんなりに古き良き怪獣映画を踏襲しているのが見て取れますね
    また機動隊の人たちがみんなカッコいいんだよね、これ主役完全に機動隊やん
    そしておそらく多くの読者の期待を裏切らずに10点満点の着地!内村か!内村航平か!というね(引退してしまったけども)
    まとめると内村航平は日本体操界のレジェンドだ!ということですね!(この着地は0点)

  •  第一部の敵は空からやってきた塩の塊だったけど、今回は、巨大エビ!?エビって・・・
     ガシャガシャキシャーって、海から出てきて、もんのすごい速さで陸を移動して、人を食らうエビ。ぎゃあー,怖い。エビのハサミで、人の腕とか足とかちょん切られるし。ぎゃー。

     県警と自衛隊の間にも軋轢というか、テリトリー争いというか、出張る順番というか、とにかく暗黙のルールみたいなものが、こんなに存在していることを初めて知った。

     機動隊とはいえ、重火器は使えない。使えるのは、盾とガス弾くらい。自衛隊が出れば、一発で撃滅できるのに、出動命令が出ない。そんな中で、烏丸さんが下した決断がすごかった。これ、事件解決後に叩かれただろうなあ。かつての管総理のように・・・

     
     しかし、今回も夏木さんと冬原さんのコンビはいいオトコたちだった。直情型の夏木と、策士型の冬原。そして子どもゆえの残酷さを存分の発揮させる子どもたち。彼らが相模レガリスこと巨大エビのせいで、潜水艦にとじこめられた6日間。どきどきしました。

    夏木三尉があまりにも自分をごまかすのでハラハラしたけど、そこは森尾望の女子側の底力と冬原さんのえげつなさでカバー。 
    私は、どちらかというと、冬原さんのような仕事の仕方がしたい。

  • 想定外の事態の中、子ども達は一体?最後スカッとした。

  • 戦艦大和のことを『最強の戦艦と謳われながら戦場に到着すらせずに沈んだ』とだけ説明してのけている。
    これぢゃあ、まるで大和が就航してすぐの出撃で沈んだみたいぢゃないかぁ。ひどい!
    浩さん!現代の自衛隊には親しみあっても、旧軍には全然興味ないのだろうか。なんか嫌悪感すら漂うぅぅ。

    そんで、えっとよぉ、ぢつわオレは結構横須賀の近くに住んでたのだけど、そのレガリスなんとかってのは喰ったことがねえなぁ。
    しらぁ~、住んでたってそれいつの話よ。すまぬ。ざっと35年は前だわな。再び住まぬ、いやスマヌ。

    レガリスは臭くて喰えないそうです。でもこの作品を映画にして欲しいなぁ、と思ったのは私だけでしょうか。
    いまなら「CGなしで映りました。だからナマの迫力です!」ってコピだけで漏れなくOKの様な気がする。

    CGはぜってぇー映画滅ぼす。早くきづいてくれぇ~。CG嫌い!
    あれま話題が違う方向へいっちまったのでこの辺で。
    すまんこってす。すごすご。

  • 有川浩さんの自衛隊シリーズの、空の中と、海の底を読みました。海の底はちょっとグロテスクなところもありますが、私はすごく好きです。人の心理がいろいろあるってことがうまく表現されていて、すっごく良かったです。

  • 友人から「巨大なザリガニの大群が横須賀を蹂躙する怪獣小説」と薦められて手にしたのが本書であり、私にとって有川浩のファーストコンタクト作品。 確かにお化けザリガニの群れや機動隊、自衛隊も出てくるが「怪獣小説」とも違い、ベタ甘、戦闘、ライトノベルといったエンタメ小説の美味しい要素をかき集めた「幕の内弁当」的な設定は《活字の漫画》。
    春の基地祭で一般に開放された横須賀米軍基地に突如、海から巨大生物の大群が襲来し次々と来場者を襲い「捕食」し始めた。米横須賀基地に「間借り」している海上自衛隊潜水艦基地の自衛隊員2人は逃げ遅れた子供たちを連れ、米軍基地内に停泊していた海上自衛隊の潜水艦に籠城する事を余儀なくされる。一方、港町「横須賀」は突如現れた巨大生物の襲撃により修羅場と化す。治外法権を盾に日本本土及び日本国民の犠牲も省みず爆撃を画策する米軍や政治的判断を優先させる政府、警察上層部の思惑、上陸して横須賀沿岸を蹂躙する巨大ザリガニの群れに対して非力な武装での場違いな「治安維持行動」(自衛隊ではないので≪戦闘≫ではない)を強いられる機動隊、未曽有の事件に後手後手に回る警察の対策本部、その社会的立場から即応を許されない陸上自衛隊の焦燥といった様々な視点からシュミレーション的な演出で物語は進んでいく。
     主人公たちのドラマを描くうえで横須賀アメリカ海軍基地内に《間借り》している自衛隊の艦船という事で「アメリカの領土内」で起きた事件に対して治外法権により、警察による救済措置が取れないという政治的制限から主人公たちを「孤立」させる場所として海上自衛隊の潜水艦の艦内を選び、その艦内に「籠城生活」を強いる要因として突然変異した巨大エビ(サガミ・レガリス)の大群を設定し、ストーリーを収束させるために陸上制圧部隊の機動隊と自衛隊の描写、インターネット掲示板を使った情報戦など、着眼点や発想はユニークでドラマチックな本書。
    しかし、一冊の話の中で「艦の中」と「艦の外」という2つの場所と「軟派」な心理劇と「硬派」の怪獣小説の視点でそれぞれストーリーが単独で進行する様子はビジュアル的で「一粒で二度美味しい」を狙った趣向ではあるが初期のプロット段階での練り込み不足から視点が散漫になり、全編を通して木に竹を継いだような作劇で一つの話として消化し切れず、作者は何を伝えたくてこの作品を書いたのか?という話の核となる部分がまったく視えない。また、広く張り過ぎた伏線の回収という点においても荒技的に収束される部分も多く、面白いスチュエーションも生かされずに終わってしまい、作品のテーマやメッセージの発信よりも”ノリと勢いでお話を書きました”的ト書き小説は「欲張り過ぎ」な読了感で結局、艦内に子供達を籠城させる為だけに怪物を出した緊張感のない作品という印象しか残らなかった。「ページ数の割に内容が空っぽ」という《風船》のような小説。

  • 自衛隊3部作の3作目。海上自衛隊の潜水艦乗りが主人公。

    有川浩さんの作品で一番「海の底」好きです。
    実はどこかの短編集で「クジラの彼」という作品を読んでそれが「海の底」の番外編のようなお話でした。とっても甘々で面白かったので本家も読みたいと思って読んだのがきっかけです。
    そうしたら甘々ラブラブな「クジラの彼」に比べたらシリアスで残酷なシーンもあって本当びっくりしました。でも臨場感のあるストーリー運びに私も夢中になってしまい、とにかくハラハラしながら読みました。登場するキャラクターも格好良くて本当に楽しめました。読後感も爽やかで最高のエンターテイメントだと思います。

    有川さんは今ではほんわかするようなヒューマンドラマを多く手がけているけれど、有川さんの初期の作品はSF的な要素も強く、とてもシリアスでハラハラします。でも適度にラブも加わってて本当に面白い。
    もっとSFもの書いたらいいのに。

    でもこの本読んだらしばらくカニ見たくなくなるかもね!

  • 甘い・・・。海の中で開かれる子どもたちと船員の戦い。「十五少年漂流記」の現代版みたいな感じ。

    そして、陸ではザリカニのような巨大生物が次々と横須賀を襲撃。

    潜水艦の中では、恋が始まるし、陸は大変なことだし・・・。

    中々、ハラハラさしてくれて、面白い本です。

  • 自衛隊三部作の海です。


    巨大ザリガニが襲ってくるという、ありそうでなさそうなお話です。

    冒頭で、艦長が部下を逃がすために、

    自分がオトリになったのが印象的でした。

    巨大ザリガニにやられて艦長の腕しか持ちかえれず、

    悲しいのに、艦内に逃げてきた子供達を守る義務があるために、

    泣くことも悲しむことも公にはできない、大人二人が切なかったです。


    生命は不思議なので、いつかこんなビックリな事件もあるかもな~って

    思いながら、読みすすめました。

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著者プロフィール

高知県生まれ。2004年『塩の街』で「電撃小説大賞」大賞を受賞し、デビュー。同作と『空の中』『海の底』の「自衛隊』3部作、その他、「図書館戦争」シリーズをはじめ、『阪急電車』『旅猫リポート』『明日の子供たち』『アンマーとぼくら』等がある。

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