半分の月がのぼる空〈5〉 long long walking under the half-moon (電撃文庫)

著者 :
  • アスキー・メディアワークス
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本棚登録 : 1244
感想 : 40
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784840231459

作品紹介・あらすじ

穏やかな日々が、僕と里香に訪れようとしていた。葛藤や迷い、そして苦しみを乗り越えた末にようやく掴んだ、当たり前の日常。それはなによりも大切なぬくもりだった。僕たちはこれから、肩を寄せ合って生きていくんだ。そんなある日、僕は夏目に病院を連れ出された。向かったのは、静岡県浜松市。かつて里香が、夏目が、過ごした場所だ。そこで僕を待っていたのは-。ちょうどそのころ、山西の下らない陰謀により、司とみゆきは大変な事態に突入していたのだった。橋本紡&山本ケイジが贈る、大好評シリーズ第五弾。

感想・レビュー・書評

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  • ■書名

    書名:半分の月がのぼる空〈5〉 long long walking under the half-moon
    著者:橋本 紡

    ■概要

    穏やかな日々が、僕と里香に訪れようとしていた。葛藤や迷い、そ
    して苦しみを乗り越えた末にようやく掴んだ、当たり前の日常。そ
    れはなによりも大切なぬくもりだった。僕たちはこれから、肩を寄
    せ合って生きていくんだ。そんなある日、僕は夏目に病院を連れ出
    された。向かったのは、静岡県浜松市。かつて里香が、夏目が、過
    ごした場所だ。そこで僕を待っていたのは―。
    ちょうどそのころ、山西の下らない陰謀により、司とみゆきは大変
    な事態に突入していたのだった。

    ■感想

    本巻は非常に穏やかに時が進んでいきます。

    どのお話もゆったりした日常ながら、そこにある幸せがそれぞれの
    人間のセリフや仕草からしっかりと読み取ることができます。

    夏目先生が裕一に見せた現実、静岡の夫婦が教えてくれた現実、
    これで裕一に対して、今後のすべてを理解しろというのはまず無理
    だとは思いますが、それでも見せる事の意味はあったんだろうな
    と思います。

    人は結局、経験したことのない感情や心理を理解することは出来な
    いので、いくら想像しても、それは絶対に正解ではないんですよね。

    ただし、だからといって全く想像しないことが良いのかというと、
    そうではなくて、"想像しても理解できない現実がある"ということ
    を理解しておくことが大事なんだと思います。

    この巻で一応病院での物語は終わりです。

    里香の病気は完治するものではないが、現状は問題なく、物語の最
    後は非常に微笑ましいハッピーエンドになっているので、救われます。

    色々とありましたが、巻数の割に登場人物が少なく、それぞれの人物
    の感情が丁寧に描かれていたと思います。


    個人的には、この巻まで読んでの裏の主人公は、亜希子さんだと思い
    ますね。看護師の彼女がいなければ、このような展開は迎えなかった
    はずですから。自分勝手ですが、優しく深い言葉が多いのが良いです。

  • 里香と裕一の関係が良くなって、きれいにまとまった。残り3巻はアフターストーリーになると思うが、最後まで見守りたい。

  • この巻で終わる予定だった、と聞いて納得。話が進むにつれて、展開や描写が丁寧になっていったのを感じていたので。相変わらずあまりキレイじゃない言葉遣いが気になったり、素直に飲み込めない展開があったりはするんだけど、こういう作品にしたかったんだな、というのは伝わってきた。個人的に夏目があまり好きじゃないから、司やみゆきの出番が多かったのも嬉しかった。この2人の距離感も良い。この巻のラスト、とても良いと思うんだけど、次からが蛇足にならないか、、期待と不安が半々。

  • 厳しさ苦しさは想像以上だろう、だけど、今を笑顔で生きるってのが大切だよね。ってことで、今回は楽しく読めたな。

  • 夏目と主人公の絡みがおもしろい。
    なんだかんだで仲よくなっている。
    気になったのが司とみゆきの関係。
    見本とはいえ婚姻届を書いてみたり、司が深夜にみゆきを励ましに行ってみたり、今後何か起こりそう。
    主人公だけでなく、周囲の人間の変化が特徴的な話だった。

  • 今までと雰囲気が違ってきたように思われる。
    グダグダっとした感触は減ってきて、徐々にさわやかになっていく。勿論、サンマンのドロドロとした感覚はそのままなんだけど、サブストーリーっていうか、周辺の人物に脚光が当たりだし、全体を描き出していくような感覚。

    そして里香が少しずつ変化していくような……。

  • 何か感想を、というのは、無駄な気がする。
    けれど。

    誰と生きてゆくのか。
    そのためにどんなことが起きるのか。

    何も背負わないで生きる人はいないけど
    重すぎたり、軽すぎるものも、たまに人には降りてくる。

    今じゃないとその答えって間に合いません?
    って聞いても

    今です。間に合いません。

    と言われちゃう事があって、裕一と里香の歩く道も
    やっぱりそういうこと。

    17だとか、明日が短いとか、それは分かってるけど
    目の前にある、短い未来さえ手放すのか、それとも。

    責任を負うということは大変だけど、自分で選び取れる
    ことでもあるから。

    その時間が一秒でも永いといいね。
    くちづけが幻にならないといいね。

    きみたちは、ふたりで生きるんだね。

    そう言いたくなるような一冊。

  • ※感想は第6巻のレビューに。

  • 学校の図書館で借り続けてとうとう5巻まで来ました。
    甘酸っぱい。とっても甘酸っぱい。なんて言うか「こいつ幸せものだなー!」って主人公にちょっと嫉妬しちゃいます。
    個人的には最後の、里香と祐一のキスシーンあたりが好きです。
    見ていてこっちまでドキドキしてました。

  • 終わりがいつかわからない。
    終わりが来るまでずっと続く。

    これだけなら当たり前のことかもしれない。
    けれど、当たり前の日常すらもそうだということを、僕は忘れていた気がする。

    いくら考えても、考え足りない。
    それでも考えることが時には必要なのではないだろうか。

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