NO CALL NO LIFE

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  • メディアワークス
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  • Amazon.co.jp ・本 (293ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784840235648

感想・レビュー・書評

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  • 2人で1人分の不安定さ、その危うさに同じものを求めていた。街中、疎外感、人混み。そこで私達2人だけが無いものに思えた。ジェットコースターの先のもっと先のことなんて、考えられなかった。現実から離れても逃げても行き止まりで、狩られることのわかっている生命のように身を寄せ合って泣きながら笑っている。いつかは通り過ぎる、なんて綺麗事だ。時間だけでは解決することのない痛み苦しみ、「血」があるのだ。だから、傷付けることも傷付くことも、ここで終わることも、もう怖くなかったのかもしれない。読後にこみ上げてくる私の何かが、この世界の汚さに怒りに打ち震えている。

  • ハルカワー!!

  • 擦り切れる限界の切なさ。
    いや、もう擦り切れてしまっているのかもしれない。

    欠けている人同士が惹かれあうのは当然のことなのかもしれないなぁと思いました。
    違うものに惹かれてしまうことももちろんあるけれど、そういうものは眩しいから。
    同じ傷を舐め合える人の体温を人間は求めるのかもしれません。

    個人的に最後はちょっと納得できなかった(というかしたくなかった)ですが、いい作品だと思います。

  • まあそうなるよなって終わり方

  • 「時間を超えて電話が繋がるなんてこと、あると思う?」

    携帯電話に残された、見知らぬ男の子からの留守メッセージ。
    奇妙な間違い電話に引き寄せられて、東京湾に臨む埠頭で出会った有海と春川。
    17歳と19歳、オトナとコドモの間で押しつぶされて行き場を失った二人の、それはあまりにも刹那的で欠陥だらけの拙い恋。
    怖いものなんてなかった。無敵になった気分だった。
    明日地球に隕石が衝突して世界中の人類が滅んで二人きりになったって、困ることは何もないような気がした。

    発売当初にちゃんと買ったのに、ずっと積読になっていた本。いつの間にか文庫版とかでていてびっくりした。
    あまりにも時間が経ってしまっているけど、それでも十分楽しめた作品。もっと早くちゃんと読んでおくんだった。もう少し若い頃に。
    帯の煽り文の通り、まさに擦り切れそうな恋…というか、もはや擦り切れてしまっている恋の話。主人公たちの向こう見ずな行動は若さ故というか、青春だなぁという感じ。でもちょっと向こう見ずすぎたなぁ。
    壁井さんらしい文章で、何だかとても懐かしくなる。
    個人的には過去に繋がる電話の謎とか、もう少し掘り下げて欲しかったんだけど、そこは結局原因不明の曖昧なままに終わってしまった。
    最初のちょっとミステリアスな感じでぐっと引き込まれて、二人の逃亡生活でハラハラさせられて、結末に衝撃を受けて、ラストの電話で涙腺が決壊しそうになった。あのラストは反則。切ないよ。

  • 頭が痺れて、使い物にならなくなる。
    かわりに心がドックンドックン頑張るけど、痺れた頭では言葉にできなくて、呆然とただ時間をかけて余韻を飲み込むしかない。

    頭を空っぽにして欲しいと読んでしまうなぁ…。

  • 2015.10.3 読了

    あとがきの 作者さんの思惑通り
    「擦り切れそうなぎりぎりの青春」を
    バリバリ 感じました!

    ある日、有海(うみ・高3)のケータイに
    小学生らしき少年からの留守電が入る。
    なんとなく気になる内容。。。

    思い切って、かけ直しても
    「現在 使われておりません」

    そんな始まり。

    ひょんなことから、知り合った春川という
    男の子(ダブって同じ高3)

    いろいろあるんだけど。。。。

    最後は切ない。

    ふたりの将来が見たかった。

  • [内容]
    「時間を超えて電話が繋がるなんてこと、あると思う?」携帯電話に残された、見知らぬ男の子からの留守メッセージ。奇妙な間違い電話に引き寄せられて、東京湾に臨む埠頭で出会った有海と春川。17歳と19歳、オトナとコドモのあいだで押し潰されて行き場を失った2人の、それはあまりにも刹那的で欠陥だらけのつたない恋―。怖いものなんてなかった。無敵になった気分だった。明日地球に隕石が衝突して世界中の人類が滅んで2人きりになったって、困ることは何もないような気がした。

    --

    壁井ユカコさんを知るきっかけの本。
    ずっとずっと好きな作品。
    壁井さんの文章がすき。
    ありえない未来だろうと、二人で傷を癒しながら懸命に生きようとする、まだまだ若い二人。
    無敵になったような気分で、二人で途方もない傷跡を縫いながら生活を泳いでいく。
    未来があかるくなくても、きみがいればいい。
    少しダークではあるけど、すっごく悲しいせつない。
    二人が負った傷を、一緒に背負った気になる。

  • 有海と春川の描いてた未来は子供じみてるし無理がありすぎる。
    でも、二人の過去の事を思うとそんな未来があってもいいじゃないかと。
    最後はあの終わり方しかなかったのかな?
    二人とも幸せになってほしかったのに。

  • 大好き
    泣きながら読んだ
    大好きな本

  • この本はとても印象に残っています。「可哀相」と正直に思いました。身勝手な大人に傷付けられて、ともに傷を癒しながら生きていこうとしている2人が堪らなく愛おしく思いました。少し常識から外れたこの子たちを大人は叱りつけるかもしれないけれど、常識から逃げながら生きなければいけない子たちもいるのだと分かってほしいなと思いました。最後の部分は涙なしでは読めません。普段はクールなあなたも涙をボロボロ流して読みましょう。最近泣いていないあなたへ。

  • 十代の子の力強く、砂混じりでただひたすら落ちて行く疾走。過去と未来が携帯で細く繋がる。父親に犯される幼い自分にサンタとして殺害を指示し、死にかけの恋人と最後の通話をする。幼い身体に無数の傷口から血を流しながら走って行くような。

  • ひりひりする

  • 少し異質な恋愛小説なんでしょうか。文が読みにくかったのと、かなり刹那的でダークな部分があったので、それほど楽しめませんでしたが、最後はまあ良かったのかな。

  • 何となく手に取った本。

    開いたその先、止まらなくなりました。
    壁井さんの本は「イチゴミルク・ビターデイズ」だけしか読んだことないけど、こっちのが好き。


    どこまでも切ない。

    最後まで読んで、泣いて、もう一度二人が一緒に暮らしているとこまで戻った。


    ハッピーエンドだったらここまで好きにならなかったかもしれない。

    だけど、やっぱ


    痛い。



    ハロー、ハロー。聞こえますか?

  • 最後の電話が切ない。
    ラストシーンで泣きました。

  • やんちゃしてる男の子と女の子のやんちゃした感じの恋愛のお話。

    刹那的な若さ溢れる恋愛なのでやっぱりやんちゃできるのは若いときだけだと思いました。

  • 警察におわれる少年と、少年と共についていくときめた少女。
    二人で遠くまでにげてやりなおそうと誓った矢先の悲劇。
    最後の最後におきる微かな奇跡。

    サクサク読めました。

  • 最初は青春ラブストーリーなのかと思ったけど読み進めるうちにどんどん重くなっていきます。そして最後の最後に。
    ハッピーエンドではなくてバッドエンド気味なところがすきです。

  • 白い携帯がほしくなったw

  • 壁井さんの切なさの表現が好きです。

  • 擦り切れそうなギリギリの青春…とゆうか擦り切れてると思う。
    痛々しくって切なくって、2人の未来が気になって一気に読んでしまった。

  • ぶっとんだ青春
    いっきに駆け抜けて
    不思議なデンワの着信履歴

  • 擦り切れそうなギリギリの青春、を目指した物語。私的にすでに擦り切れてるなと感じた。
    カバーの感じやページの手触りが好き。

  • 胸が痛くなるようなお話だった。余りにも拙い恋だった。

  • 個人的にすごく好き。

  • この本はほんとに大好きな本で、もう3回ぐらい読みました。ラストを知っててもいつも泣いてしまいます。まひろと有海の楽しいんだけど終わりしか見えてない恋が切なくて…。小さくて儚くてでも確かな恋することの幸せと痛みがぎゅっとつまった本です。

  • ■「時間を超えて電話が繋がるなんてこと、あると思う?」携帯電話に残された、見知らぬ男の子からの留守メッセージ。奇妙な間違い電話に引き寄せられて、東京湾に臨む埠頭で出会った有海と春川。17歳と19歳、オトナとコドモのあいだで押し潰されて行き場を失った2人の、それはあまりにも刹那的で欠陥だらけのつたない恋-。怖いものなんてなかった。無敵になった気分だった。明日地球に隕石が衝突して世界中の人類が滅んで2人きりになったって、困ることは何もないような気がした。

    ■■刹那的な幸せを追いかけた若い男女の物語。あまり主人公の女の子が好きになれなかった。馬鹿っぽく書きすぎなのでは? それともそれが普通なのか?

  • 10代後半の不安定な心情、危うさ。
    絶妙なバランスでとても繊細に描かれています。

    登場人物の家庭内の問題がちょっと重いですが、このご時世にありえないとも言い切れないリアリティがあります。

    読み終わった後に、ちょっと苦しくて切ない気持になりました。

  • 2010年9月17日 読了。

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著者プロフィール

第9回電撃小説大賞〈大賞〉を受賞し、2003年『キーリ 死者たちは荒野に眠る』でデビュー。その他の著書に、『鳥籠荘の今日も眠たい住人たち』(電撃文庫)、『エンドロールまであと、』(小学館)など多数。

「2009年 『NO CALL NO LIFE』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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