神様のメモ帳 (電撃文庫 す 9-4)

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  • メディアワークス
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  • Amazon.co.jp ・本 (327ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784840236911

作品紹介・あらすじ

「ただの探偵じゃない。ニート探偵だ。世界を検索し死者の言葉を見つけ出す」路地裏に吹き溜まるニートたちを統べる"ニート探偵"アリスはそう言った。高校一年の冬に僕と同級生の彩夏を巻き込んだ怪事件、都市を蝕む凶悪ドラッグ"エンジェル・フィックス"-すべての謎は、部屋にひきこもる少女探偵アリスの手によって解体されていく。「真実はきみの平穏を破壊する可能性がある。それでも知りたいかい?」僕の答えに、普段は不真面目なニートたちが事件解決へと動き出す!情けなくておかしくて、ほんの少し切ない青春を描くニートティーン・ストーリー。

感想・レビュー・書評

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  • もう元に戻ることもできない、あまりに深く刻まれた掻き傷が痛ましい。

  • 苦しくて、切ない、はみ出し者たちの青春の話

  • 絵からずっとほのぼの系感動系だと勘違いしておりました……!
    流石岸田メル。きっと可愛い女の子絵師なんだろうなぁ

    学校に上手く馴染めない主人公を引っ張っていく彩香と、彩香のバイト先に居着いている頼れるニートたち
    と、薬物の話でびっくりするほど物騒な話だった。

    ボクっ娘ニート美少女探偵アリスが最初の方はあまり出番が少なく、どちらかと言うと彩香にフォーカスが当てられていた時点で嫌な予感がしていたが、クスリと育てているポピーが同時期にでてきた時点で全部が繋がってしまい、絶対に死ぬじゃん…と確信しながら読みました。

    ただ、その後の展開は想像がつかないもので読み応えがあって好きだった。

  • 部屋に引きこもるニート探偵アリス、社会から外れた所にいる人たち、学校に馴染めない僕。普通と違う人たちが普通にいる世界。巻き込まれた事件。絶望に包まれながら希望へと進む物語。
    時代的なものも感じるが、普遍的な想いに心動かされる。

  • 全9巻完結。
    ハードボイルド的ライトノベル。麻薬、ヤクザ、賭け事等々、暴力と犯罪を描いて、他のライトノベルとはかけ離れて、汚い現実社会を読者に味わわせた。それでいて愉快な仲間たちのコミカルな会話が笑わせてくれた。楽しい作品でした。
    麻雀のシーンとか作者の特色が現れていると思った。

  • 無気力高校生の藤島鳴海(ふじしま・なるみ)は、同級生の彩夏(あやか)に声をかけられ、彼女がアルバイトをしているラーメン屋を訪れます。「ラーメンはなまる」の若き女店主ミンさんと、店にたむろするテツ先輩、ヒロさん、少佐といったニートたちと交流をかさねていきます。

    そんななか鳴海は、彩夏の兄のトシさんの背後に不穏な影が見え隠れすることに気づきます。彼が、「エンジェル・フィックス」という、最近になって若者のあいだで広まっている薬物にかかわりをもっているらしいのです。さらに彩夏の身にたいへんな出来事が起こり、その理由を知りたいと願う鳴海は、ミンさんとおなじ建物に暮らす「ニート探偵」を名乗るアリスという少女に調査を依頼します。

    キャラクター設定などは、ライトノベルの定型的なものといってよいのでしょうが、学園周辺の日常的な出来事をえがいた作品ではなく、もうすこしシリアス寄りな印象で、現在では「ライト文芸」と呼ばれるジャンルに分類されるような内容です。ライトノベルの文法になじんだ読者なら、あまり戸惑うことなくたのしめると思います。

  • ライトノベル

  • 一応星4つを付けたが、お勧めできるかどうかはイマイチ不明。

    小説として見た場合の構成自体は目新しい物はない。伏線からその結末までは大体予想できたし、合っていた。

    内容はコメディ感がある物の、真の部分は非常にシリアスな内容になっている。ただしびっくりするほど深い内容というワケでもない。

    個人的に非常に印象的だったのが文体である。

    明らかに「私と同年代」という匂いに満ちあふれている。
    ※著者は1978年生まれとある。私は1980年

    例えば、

    <blockquote>p29
    燃え尽きるほどのニート!
    </blockquote>

    携帯の着信音が「コロラド・ブルドッグ」(多分MR.BIG)などは思わず含み笑いしてしまった。こういうサブカル的な話がストンと落ちてくると作品と自分との距離が一気に近くなる。いや、あるいは作者と私の距離が縮まったのかも知れない。

    加えて、以下のような文章がさらに引きつける。

    <blockquote>p58
    「でも、もっと思ってることをちゃんと喋ってくれないと、わからないよ」
    「喋り方をよく忘れるんだよ」と僕は適当なことを言った。でも、口にしてみるとそれはなんだかほんとうのことに思えてきた。</blockquote>

    私は上の文章に「村上春樹」の足跡を見た。もしかしたらそれは単なる私の勘違いなのかも知れないが、きっと作者さんは村上春樹を結構好きなのではないか、好きかどうかは置いておくとしても結構読んでいるのではないか、とそんな気がする。上にあげた文章以外でもいくつかその足跡は見られた。

    あぁ、そんな風に時間というのは流れていってしまうのだなぁと感じた。日本の文学というか小説の歴史は、少しずつ、少しずつ前に進んでいく。私たちの歩みと共に。

    内容よりもそういった感傷の方が印象深い小説だった。

  • 不在、二度と戻れない。

  • 色んな所で題名を見かけて気になっていたシリーズ。

    収入があっても雇用されていなければ“NEET”だとは知らなかった。
    人を怒らせてストレス発散って…。あれだけ言われても怒らない鳴海も変わってる。
    アリスは一体何者?テツと少佐とヒロも。
    ミンさん良い人だなぁ。ミンさんのアイス食べたい。

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著者プロフィール

第12回電撃小説大賞《銀賞》受賞者。代表作に『神様のメモ帳』『さよならピアノソナタ』など

「2023年 『楽園ノイズ6』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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