狼と香辛料 (4) (電撃文庫)
- KADOKAWA/アスキー・メディアワークス (2007年2月10日発売)


- Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
- / ISBN・EAN: 9784840237239
作品紹介・あらすじ
狼神ホロの故郷ヨイツを探すため、北を目指す行商人ロレンス。異教徒の町クメルスンで得た情報をもとに、二人は田舎の村テレオにやってくる。テレオの教会にいる司祭は、異教の神々の話だけを専門に集める修道士の居場所を知っているという。しかし、教会を訪れたロレンスとホロを出迎えたのは、無愛想な少女エルサだった。さらにそこで、ロレンスたちは村存続の危機に巻き込まれてしまう。二人はヨイツへの手がかりをつかみ、無事に村を出立できるのか…。話題の異色ファンタジー、第12回電撃小説大賞「銀賞」受賞作第4弾。
感想・レビュー・書評
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ホロの故郷ヨイツを探すために旅を続けるロレンスとホロ。クメルスンで得た情報を元に、田舎の村テレオの教会を訪ねたが、司祭代理だという少女エルサにすげなく追い返されてしまう。そこでロレンスとホロは、村と町の麦の取引を巡る異常な契約関係を知り、村の存亡にかかわる陰謀に巻き込まれていく…。
宗教的な色彩が強く、商売の話は少なめ。自分から仕掛けるのではなく、巻き込まれて降りかかる火の粉を払うのがメインなので、今までと少し毛色の違うお話でした。
前巻で急展開な二人だったので、最初の方、あらー今までと変わらないのかな?と思いきや、甘えてみたり拗ねてみたり、明らかに素直な(というかわかりやすい?)言動が増えたし、これまで以上に2人の間の信頼関係を感じられる巻でした。ニマニマ。
でもまぁ、ホロの特殊能力がないと切り抜けられてないよね…。ロレンスは商人としてはどうなんだろう?頭が回ってそれなりの経験も積んでいるようだけど、ちょっと抜けてるのかしら。ホロ的には、そこがいいのかもしれない(笑)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
狼と香辛料シリーズ4巻。世界観や設定に、毎回舌を巻いてしまうこのシリーズですが、今回は特に設定とか展開の見せ方が巧かった。ホロとロレンスのやり取りは、まあ相変わらず。
前巻で得た情報を元に、ホロの故郷の情報を持つかもしれない教会を探すホロとロレンス。たどり着いた小さな村・テレオの教会で話を聞こうとした二人だが、修道女のエルサは、明らかに何かを隠している様子で……
閉鎖的な村と独自の信仰。村と大きな街との関係性。正教と異端。職業差別と、様々な要素を織り込みつつ、物語を構築していく手腕がお見事! ファンタジーの王道、中世ヨーロッパの世界観ですが、シリーズのこれまでの作品以上に、市井の人々の生活を描きつつ、それをストーリーにつなげていきます。
本筋としては、ホロの故郷探しがあるのですが、そこから二人が村のトラブルに巻き込まれてしまうまでの流れに、無理やり感がほとんど感じられず、流れがとてもスムーズ。情報の出し方、話の構成もとても巧かったです。
ホロの能力を見せるところからラストに至るまでが、やや性急な印象はあったかな。作中の宗教観と麦の価値の関連が少し分かりにくかったので、そこだけ少し話がスッと入ってこなかった。狐につままれたようなというか……(この場合狼か)。まあ、宗教や、神様が起こす奇跡って大抵そういうものなのかもしれないけど。
今回はゲストキャラの印象も良かった。村人たちから軽んじられ、自身も神の存在に迷うこともありながら、それでも凛とした強さや気高さを見せた修道女のエレサ。職業柄、村人たちに疎まれる粉挽き人のエヴァン。
二人とも悪い人間ではないのに、それぞれの思いや行動が村人たちから理解されず、冷たい目で見られるのは、モヤモヤしたし、だからこそ自然と応援したくなる。
後は村の酒場の女将さんであるイーマ。典型的な肝っ玉の大きい、豪快な酒場の女将さんといった感じなんだけど、終盤で決断を迫られるエレサとエヴァンに、かけた言葉など印象的な場面はところどころ見られました。イーマの過去も少しだけ語られているのだけど、普通にその話も読んでみたい。
ホロとロレンスはもはやライアーゲームやってるのか、と突っ込みたくなるくらい、心中の読み合いをやっているような気がする(笑)。まあ、これが二人のイチャイチャというか、じゃれあいみたいなものなのだろうけど。
でも、もうちょっと気楽にやりとりしてもええんやで、と声をかけてみたくなる気もする。一方で、エレサとエヴァンが仲睦まじい様子を見せると、自然と二人とも自分たちの関係に置き換えて見てしまう様子なんかは、なんだか微笑ましくも感じました。
この巻で少しだけ匂わされた二人の旅の終わりのこと。互いに互いを相棒以上のものと認めつつも、いざホロの故郷にたどり着いたとき、二人の道はどうなるのか。二人の感情はいじらしい。もうそこでロレンスの目標である店を開きゃいいんじゃね、と安易に思ったりもするのだけど。
ホロの故郷への複雑な感情と、ロレンスの割り切れない感情、そこらへんも丁寧に掬いあげている印象です。3巻まで商業や経済の要素が強かったけど、この4巻で、文化や宗教的な側面も取り上げられたので、今後のホロとロレンスが巻き込まれるトラブルも、世界観や設定を生かした多彩なものになっていきそう。 -
今回はホロの故郷に帰るという目的がメインテーマでした。ホロの気持ちが垣間見えました。このまま順調に旅が進むことを願います。
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中世欧州がベースになっている世界観だが、本作は“商い”よりも宗教や村の生活面の話が濃い目で、世界観が多面的になったのが好かった。
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引き続き面白い…けど今まではメインテーマが商売の一側面(通貨、密輸、先物)だったけど、今回はちょっとひねってきたなあ。色々バリエーションは作れるもんだ。
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前巻の終わりがあったおかげか、今までよりもいい雰囲気なのが読んでいて良かったな。
特に今回は商売目的の行動からではなくて、純粋にホロの故郷に関する調査が主目的で商売は疎かにしない程度だと読めた。
[more]
目的地の村で故郷の事を僅かではあるが知り、事件に巻き込まれたホロが故郷の事を思う辺りは可愛かったな。それに対して、答えて見せたロレンスもかっこいいと感じた。
最後のロレンスとホロのやり取りは2人の距離が少しだけ縮んで、微笑ましかったな。 -
狼と香辛料 (4) (電撃文庫)
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ライトノベル
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最初の頃と比べるとホロとロレンスの掛け合いもバラエティに富んでいて楽しく読める。今回は話の中での2人のポジションが今までと違って、こういう切り口も有りか、と。シリーズものはパターン化が怖いけど、4巻でまた世界観が広がった気がする。経済や商売の面白さだけでなく、宗教なども絡めて、ファンタジーとしての面白さもあるところが良い。
このままレノス、ヨイツと順調に進んでいくんだろうか。シリーズの巻数が長いことは知っているから、2人の旅がどのような道のりになるのか気になる。 -
再読。
ホロが心の内を少しだけ見せた巻。
著者プロフィール
支倉凍砂の作品






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