- Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
- / ISBN・EAN: 9784840239097
作品紹介・あらすじ
小さな森の中。小さな神社へと続く、石と根だらけの細くて狭い、暗い道。前を行く友人の律子に追いつこうと、危なっかしい歩みで必死に足を進める愛。そして彼女は、神社を目前にした石段の上、律子の頭上にかかる朽ちた赤色をした鳥居から、死体の色をした真っ白な"腕"が垂れ下がるのを目撃した…。田上颯姫の妹が住む街で起きた女子中学生の失踪事件。"泡禍"解決要請を受けた雪乃と蒼衣の二人を待ち受けていたのは、愛の幼馴染みであり、雪乃へ敵意剥き出しの非公認騎士の少年だった。『赤ずきん』の予言を受けた"泡禍"は、静かに新興住宅地の町を蝕んでいく-。鬼才が贈る悪夢の幻想新奇譚、第五幕。
感想・レビュー・書評
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「この道は赤ずきんの村に」
貴重な断章は途切れずに。
必要不可欠と言っても過言ではないぐらいの能力ではあるが、あまりいい気分ではないよな。
「この森はお婆さんの家に」
自らを認めさせるために。
誰の手も借りることなく解決出来たら実績にはなるが、一人で出来ることには限界があるだろ。
「この屍はとむらいの棺に」
蟲が監視していた場所は。
秘密裏に動いている以上仕方ないことかもしれないが、大切な情報源を放置してはだめだろう。
「この獣はさまよいの道に」
異常な反応を見せる街に。
両者が協力的に情報共有をすれば、今まで見えてこなかった配役が見つかるかもしれないのに。
「この娘はオオカミの森に」
目の前で焼かれた友人は。
何一つ現状を理解していないだとしても、理由もなしに断章を使い殺すことなんてないだろう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
蒼衣たちは、四野田笑美(しのだ・えみ)という女性がリーダーを務める騎士団の管轄する地域で起こった事件の手伝いをすることになります。
笑美の騎士団には、田上颯姫(たのうえ・さつき)の妹で、おなじく記憶を消す能力をもつ田上瑞姫(たのうえ・みずき)と、雪乃にライヴァル心をいだく馳尾勇路(はせお・ゆうじ)がいました。勇路は笑美の方針に反対し、事件の関係者を雪乃たちからかくそうとします。こうして蒼衣たちは、勇路の妨害によって情報がじゅうぶんに得られないまま、今回の泡禍の解決にあたることとなります。
最初はただのかませ犬の役割かと思われた勇路でしたが、意外に事件を引っかきまわしてストーリーをおもしろくするのに貢献している印象です。 -
相変わらずグロテスクだなぁ、ってのが正直な感想。
この巻ではようやく他の『騎士』も出てくるなどレギュラー陣の広がりを感じた。しかし、登場人物の半分以上に死亡フラグが立っているという状況には敬意を表せずにはいられない。
今回のテーマは“赤ずきん”な訳だが改めて読み直し、深く考えてみるとこの話自体が結構なグロテスクさを誇っていたという恐怖。狼の腹を割いてその中から生きた人を取り出すなんて正常な発想じゃないよね?おそらく下巻では更に酷い展開が待っているのだろうな…… -
一度斜め読みしたものを読み返してみる。
表現力と構想力があるってこういうことだとなあと思う。
相変わらずグロいけど面白い。
これも最後まで読みたいな -
今回はそんなに痛くないな、と安心してたらそれでもやっぱり痛かった...
なんだか赤ずきんだけじゃなさそうで今までと若干違う感じになりそう。 -
今回のモチーフは「赤ずきん」。展開がどうなるのか、結末には何が待ち受けているのか。次巻が気になる。
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《購入済》今巻はグロ要素は抑え目のような気がする。新キャラの勇路くんと瑞姫ちゃんが可愛い。すれ違いと過ちが大きな悲劇を引き起こしそうで胸が締め付けられる。うーん焦れったい。