塩の街

著者 :
  • メディアワークス
3.84
  • (588)
  • (696)
  • (708)
  • (76)
  • (19)
本棚登録 : 4463
レビュー : 662
  • Amazon.co.jp ・本 (421ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784840239219

作品紹介・あらすじ

塩が世界を埋め尽くす塩害の時代。塩は着々と街を飲み込み、社会を崩壊させようとしていた-。"自衛隊三部作"の『陸』にもあたる、有川浩の原点。デビュー作に、番外編短編四篇を加えた大ボリュームで登場。第10回電撃小説大賞"大賞"受賞作を大幅改稿。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  •  デビュー作品から、有川さんは有川さんだ。ぶれてない。
     愛は世界を救わない。愛が救うのは、愛に関わった当事者だけ。けれど、その愛は、結果として、世界までもを救うことに繋がる、というお話。

     秋庭さんの引き出しの多いこと。航空自衛隊出身で、車に詳しくて、キーピックもできて、入江さんに一目置かれていて。
     入江さんもいい男。辛辣で頭が鬼のように良くて、策士でロマンチストで、自分のしたいことをするためには手段なんぞ選ばない人で。こんなに、世の中なめた男、いますかね・・・?
     でも、この作品中で、キング・オブ・いい男は、野坂正さんだ。
    「ずいぶん、いい表情してた。惚れ直しそうだった。」って・・・そんなこと、さらっと言わないでー。

     世界が変わっても。人は恋をする。それって、とっても素敵なことだ。
     真奈が「世界なんかどうでもいい。あなたがいればどうなってもいい」と願うのに対し、秋庭さんは「俺より先に真奈が死ぬのが耐えられないから、命を賭して、塩害の原因を叩く」と願う。
     どちらの自分の願いを押し通そうとする。その2人のどうしようもないわがままが、切なくて、そして、愛おしかった。

     世界が変わっていくのだとしても、彼らの思いは変わらずに、
    そして、彼らはいつまでも、しぶとく、したたかに、懸命に生きていって欲しいと願いました。

  • これがデビュー作とは、やっぱり有川さんはすごいなぁ!

    図書館戦争シリーズを読んだあとに読み始めたので、最初は女の子女の子している真奈ちゃんにちょっと気恥ずかしさを感じてしまったけれど、ひねくれた(?!)入江さんが出てくるあたりから、俄然おもしろくなってきました。

    大仰に「世界を救う!」ではなくて、「世界はともかく、愛する人をなにがなんでも助ける!」というスタンスがとても素直で、好きです。

    • まろんさん
      こちらこそ、いつも楽しいコメント、うれしいです!ありがとうございます!

      有川さんをブレイク前から読んでいたとは、さすが円軌道の外さん!

      ...
      こちらこそ、いつも楽しいコメント、うれしいです!ありがとうございます!

      有川さんをブレイク前から読んでいたとは、さすが円軌道の外さん!

      私は、有川さんは「図書館戦争」から入ったし、この「塩の街」もデビュー作とは思えない出来なので、デビュー時から人気作家さんだったのだと思い込んでました。
      あの有川さんにも、不遇な時代があったんですね。。。その頃から応援していたかったなぁ!
      そして、大ブレイクした時、うれしさと同時に、「ああ。。。ついにみんなの有川さんになってしまったのね。。。」という、ちょっぴりのさみしさを感じたりしたかったです。

      「突拍子もない話にリアリティを与える圧倒的なディテールの緻密さ」。。。そうなんですよね!
      この「塩の街」も、塩害の元凶はほんとに突拍子もない設定なんだけど、街のそこここに立つ崩れかけた塩の柱とかが、目の奥にまざまざと浮かび上がってきましたもの!

      有川さん、こういうテイストのお話も、また書いてくれないかなぁ。。。



      2012/05/02
    • 沙羅さん
      はじめまして! コメントしてくださってありがとうございました!まろんさんのレビューはわかりやすくて共感できるので、文章ベタな私からしたら憧れ...
      はじめまして! コメントしてくださってありがとうございました!まろんさんのレビューはわかりやすくて共感できるので、文章ベタな私からしたら憧れです^^
      まろんさんのようなお母さんがいるだなんて娘さんがとても羨ましいです。。。
      私の本棚も気に入ってくださった(?)みたいですが、私のは乙女思考が強すぎて若干恥ずかしいです(苦笑)まろんさんみたいにもうちょっと色々なジャンルに手を伸ばせるといいのですが。。

      「塩の街」は有川さんの作品の中で始めて読んだんですけど、世界観がすごいし、あと人間模様?もリアルで実際こういう世界がありそうだと思って、楽しんで読んでいました。最近の有川さんはリアルな現代モノ?を書かれていることが多いみたいなので、私も「塩の街」のような、少しファンタジー?の入ったお話をまた読んでみたいですね。
      2013/02/13
    • まろんさん
      ミツキさん☆

      いえいえ、こちらこそ、光栄なコメントをありがとうございます♪うれしいです!
      娘は、叱られるたびに「ママのこどもなんかに生まれ...
      ミツキさん☆

      いえいえ、こちらこそ、光栄なコメントをありがとうございます♪うれしいです!
      娘は、叱られるたびに「ママのこどもなんかに生まれなきゃよかったー!きー!」
      と叫んでいるので、ミツキさんのこのありがたいコメントを見せて、どうだ!と威張ることにします(笑)

      私もこの歳になっても、頭の中は乙女乙女しているくらいなので
      ミツキさんは、胸を張って乙女まっしぐらでいてください♪

      「塩の街」は、今でも手に取った瞬間、本の中から
      さらさらと塩の柱が崩れる音がするような気がする、印象的な本です。
      ほんとに有川さん、トンデモ設定をぐいぐい展開させるようなファンタジックな作品を
      そろそろ書いてほしいですよね(*'-')フフ♪
      2013/02/14
  • 拾われた彼。
    なぜ海を目指すのか,何を背負っているのだろう。
    謎は最後に解明する。

    塩の街で,塩の人になり,奇麗な海に帰りたい。

    拾った側の姿勢は有川浩の姿勢なのだろう。
    多くのこぼれ話を拾い集めて欲しいかも。

    • しをん。さん
      シンプルで素敵なコメントですね♪

      >塩の街で,塩の人になり,奇麗な海に帰りたい。

      そうですよね・・・。

      シンプルで素敵なコメントですね♪

      >塩の街で,塩の人になり,奇麗な海に帰りたい。

      そうですよね・・・。

      2012/09/15
    • kaizenさん
      「塩の街」の最初の話を読んで,「駄目だ。自分ではこの境地に達することができない」と感じました。書いた有川浩さんを尊敬するのみ。
      「塩の街」の最初の話を読んで,「駄目だ。自分ではこの境地に達することができない」と感じました。書いた有川浩さんを尊敬するのみ。
      2012/09/20
  • 自衛隊3部作?やっと全て読み終わりました!有川さんが書く男性は、やっぱりあたしにはツボ過ぎますね~!
    特に年上男性がめっさ好みなので、私もあんな風に甘やかされたい!!!
    まぁ自分の今の歳を考えたら、10歳上とか50歳近くになっちゃいますのでw あんなツンデレ男性との出会いはさすがに無理でしょうが。
    自衛隊3部作では、ほんとに登場人物みんなが沢山悩んで、行き詰まって、綺麗事では無い本音でぶつかったりで・・・どの話も全てあり得ない出来事ばかりなのに、全部の言葉が心に突き刺さります。今の自分の甘さとか情けなさとかにも突き刺さったりなんかして・・・結構な頻度で読みながら反省しちゃいます。

    あぁでも、そんな事より何より、やっぱりやっぱり・・・何かもう堪らなくこーんなベタ甘な恋愛がしてみてぇ~!!!って思っちゃうのが、有川さん作品の凄いとこですよねぇ・・・。

  • 誰かのために。
    だけど、なにより、それは自分のため。

    大切な誰かを失いたくない。
    大切な誰かに、できるだけのことをしてあげたい。

    自分の抑えられない気持ちを、満たすため。


    そして、それが世界を救う。

  • 塩害という未曾有の災害のなか、
    通常なら出会うはずのない二人が出会い、
    中が深まっていく。

    高校生と年上男性が、
    恋をして…

    世界を守りたいではなく、
    好きな人とずっといられるように。
    だから災害から守りたい。

    確かに、戦争も同じで
    世界を守るなんてたいそうな思想じゃなく、
    ただ、幸せになりたいから戦うんだと
    気づきました。

  • 人が突然塩になる、塩害。失う物がたくさんあって、でもそのおかげで得た物もきっとある。悲しいけれどほんわかしたお話。世界が終わりかけた瞬間でも、この作品のように人はきっと恋をしている気がする。
    初期作品だと聞いていたので、もっと読みづらいかと思っていましたが読みやすかったです。

  • 最初は展開がイマイチ読めなかったが、読み進めていくと面白くなってきた。後半は、サイドストリーが色々とらあり、それもなかなか良かった。有川浩さんらしい作品だと思います。

  • これがデビュー作か。いきなり突っ走ってる!
    その当時は衝撃的だったろうな。
    塩の街って!

  • 文庫本と単行本で違う部分があるんですね。今度、文庫本版を読んでみたいです。

    そして自衛隊三部作の「空の中」「海の底」も読みたいと思います。

    基本的に有川作品のラブコメ要素はすごく好きなので、順々に読んでいこうと思います!

    塩の街の秋庭さん、絶対かっこいい!!

全662件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

有川 浩(ありかわ ひろ)
1972年高知県生まれ。PN由来として、「有川」は書店に本が並んだ時に「あ」から始まる名前として、著者五十音順で棚の最初のほうにくるから。「浩」は本名から。
2003年『塩の街 wish on my precious』で第10回電撃ゲーム小説大賞を受賞。2006年『図書館戦争』で「本の雑誌」が選ぶ2006年上半期エンターテインメントで第1位を獲得し、さらに2008年には同シリーズで第39回星雲賞日本長編作品部門を受賞。映画化もされた代表作となる。
『植物図鑑』で第1回ブクログ大賞小説部門大賞、『キケン』で第2回ブクログ大賞小説部門大賞を2年連続で受賞。2011年には『県庁おもてなし課』で「ダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEAR 2011」で総合1位と恋愛小説1位、第3回ブクログ大賞小説部門大賞を3年連続で受賞。2012年『空飛ぶ広報室』が「ダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEAR 2012」で小説部門第1位。
その他、ドラマ化作『フリーター、家を買う。』、映画化された『阪急電車』『県庁おもてなし課』『植物図鑑』などが代表作。

塩の街のその他の作品

塩の街 (角川文庫) 文庫 塩の街 (角川文庫) 有川浩

有川浩の作品

塩の街に関連する談話室の質問

塩の街を本棚に登録しているひと

ツイートする