心的トラウマの理解とケア

著者 :
  • じほう
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本棚登録 : 22
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  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784840735438

感想・レビュー・書評

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  • トラウマ研究・臨床の専門家によって執筆されたマニュアル。ISTSSのガイドラインや既に定評のある論文に依拠する学術的な標準である。 
     総論ではトラウマ反応、PTSDの基礎について概要がまとめられている。トラウマケアの基本についてはQ&A方式で具体的かつ明確・簡潔に説明されている。
     性暴力被害については各論7に記載されている。“性暴力被害とは”、“生じうる精神保健上の問題”、“ケア”について記述され、危機介入、継続的なケア、PTSDの精神療法、外傷記憶の取り扱い等について簡潔に記載されている。
     コラムも実際的で、「PTSDと不眠・悪夢」、「生存者の罪悪感(サバイバーズ・ギルト)」、「孤立無縁感」、「強姦に関する偏見(rape myth)」、「強姦の暴力性」、「性暴力被害への対応」などが性暴力被害者には役に立つ。
     支援者向けに執筆されているが、各トピックスは短くまとめられているので、被害者にも読みやすい。

     P136《基本的に医学的検索を行うかどうか、また警察への通報をするかどうかは、すべて原則として被害を受けた本人が決めることであり、患者の意思を十分に確かめてから、行動する必要がある》と明記されています。性暴力被害の支援に関する本でも「警察に行きましょう」「産婦人科で検査を受けましょう」と強制するものも多いので、被害者の自主性を大切にしている本書は好印象が持てます。
     国際的なガイドライン、論文に基づいているため、内容に偏りがなく、数多く出版されている心的外傷に関する本の中で、トップクラスの信頼性を持つ本だと思います。
     扱っているトピックスも多く、本のサイズもコンパクトなので、現場で使えるマニュアルとしても優秀だと思います。

  • 大学の先生のおすすめ、授業用だったけど、わかりやすかった。災害看護にも通じる内容

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著者プロフィール

国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所成人精神保健研究部部長。精神科医。1984年京都大学医学部卒。ロンドン精神医学研究所などを経て、現職。1997年厚生大臣表彰。著訳書に『心的トラウマの理解とケア』(監修 じほう)『PTSD』(星和書店)ミカーリ/レルナー編『トラウマの過去』(みすず書房)フォア他『PTSDの持続エクスポージャー療法』(監訳 星和書店)フリードマン他編『PTSDハンドブック』(監訳 金剛出版)などがある。

「2017年 『トラウマの過去』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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