夫婦善哉 完全版

著者 :
  • 雄松堂出版
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本棚登録 : 67
レビュー : 16
  • Amazon.co.jp ・本 (217ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784841904673

作品紹介・あらすじ

午歳夫婦の山あり谷あり、相変わらずの泣き笑い。夫の放蕩、妻の折檻、浪花の夫婦、今度は九州へ。別府の地で暮らすあの蝶子柳吉、その後はいかに-織田作之助の『夫婦善哉』には続きがあった。幻の続編。

感想・レビュー・書評

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  •  天ぷら屋の娘として生まれた、しっかり者で気の強い蝶子はんと、子持ちのボンボン・柳吉はんの、ズレまくりな愛の形。
    『続・夫婦善哉』の直筆原稿も収録されています。

  • 夫婦茶碗の続編。あれから二人はどうなったか? っていうね。へ〜そうだったのかって感じで面白かった。延長戦とかアンコールって感じの作品だったかな。

  • 今でいう、ホステスとダメ男の話。
    夫婦善哉、これは今も大阪は日本橋にある浄瑠璃の太夫が開いたゼンザイ屋の名前。ぜんざいが必ず、2皿でやってくる。それを食べた蝶子と柳吉の二人。蝶子の感想「一人より夫婦の方がいい」に収束されるのが、この本のテーマ。

    でも、現代っ子の私はごめんこうむりたい。こんな面倒で、金遣いが荒く、浮気を繰り返すような男と結婚する位なら、一人がいいと思ってしまった。

    この本、なにやら評判はよろしいらしいですが、良さが分かりませんでした。解説を見ると、東京の人が想像する大阪の人間という楽しみ方もあったようで、それは嫌だなと関西人の私は思いました。恥ずかしくて、全員がこんなではないと大声で叫びたくなります。

    私は文楽が好きなので、日本橋には定期的に行きます。何もない所やと思っていたけど、その分、当時のお店が荒らされることなく残っているようで、次の文楽の公演が楽しみになりました。それと、ちょうどここに出てくる艶姿女舞衣を先日見たところだったので、分かりやすかった。浄瑠璃など、関西文化に通じている方の方が楽しめる作品ですね。

    話の内容は「濹東綺譚 」を思い出しましたが、話が入れ子になっているその作品よりは単純で、筋はベトベト。ダメ男ぶりは谷崎潤一郎路線ですが、蝶子の心情を一方的に描き、勘当された家族への思いなどより複雑な内面を抱えているであろう柳吉の内面語りがない点で、谷崎作品の方が素晴らしい。お昼のメロドラマ風で、あまり私の好みではなかった。

    作者直筆の続夫婦善哉の原稿写真付き

  • 6月24日読了。
    大阪商家の坊々(ぼんぼん)・柳吉と、芸者・蝶子。柳吉には妻子がいたが、蝶子と出会って三月で良い仲になる。妻は亡くなり、娘は妹に育てられ会わせてもらえず、実家は父の病で傾き、そんな中でも旨いものを食べ外で遊び浪費する柳吉。生活のために働く蝶子。
    「続」は舞台を九州大分の別府に移す。

    半分は「続夫婦善哉」の直筆原稿縮小版。残り半分は「夫婦善哉」と「続夫婦善哉」が3:2くらいなので、結構短い。そのわりに話がぎゅっと詰まってる感じ。

    感情を入れず、時間のかかったことも大変なことも淡々と書いてあるからか。全部さらりと流される感じ。だが蝶子の気持ちになるとイライラハラハラしながらどんどん読める。この夫にしてこの妻なのかな、と思う。お金のことだけは、幾ら稼いだ遣った借金したなどと細かく書いてある。

  • 阿保は二人で一人前。完全版を読んで柳吉と蝶子、割れ鍋に綴じ蓋、なんやこんなカップルは、今も大阪におりそう。

  • 蝶子にも柳吉にもイライラしながら読んだのに、面白い。
    織田作之助は初めて読んだけど、テンポが良くてするすると読めますね

  • とんでもない旦那だなと思ってはじめ手が止まりかけたけれど、読んでいるうちあまりにも滑稽にふたりを描く文章がおもしろく、結局続編まで読み終えてしまった。続編はさっぱり短くて後味もよろしかったです。

  • 短い文体で、驚くほど淡々とあっけなく物事が進んでいく。
    あまりにも客観的な描写なので、感情移入が難しい。

    蝶子のすんだ声量のある声があちこちで人々を魅了したとある。
    相手の柳吉は酒を飲むと気が大きくなり、大金を一晩で使ってしまい、何度も生活は挫折。
    でもあきらめない。蝶子がもつ希望とパワーに救われる気がする。

    大阪の下町風景が描かれていて面白いと親父から紹介された。
    この「完全版」では、夫婦善哉の「続編」も掲載されているのだが、
    続編では舞台が別府に移動するという予想外の展開になっていた。

  • 鉄板。

  • 大阪の町の様子や食べ物が生き生きと描かれていて、値段等もいちいち書かれているのが面白い。物語としてはよくある話かもしれないけれど、蝶子がそれで良しとするならこういう人生もありかなと思う。

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著者プロフィール

1913年10月、大阪市生まれ。1933年から創作活動を開始し、1938年に小説「雨」を発表。1940年に「俗臭」が第10回芥川賞候補となる。同年に発表した「夫婦善哉」が改造社の第1回文藝推薦作品となり、以降、本格的に作家活動を開始。1946年4月に発表した「世相」が評判を呼び、作品発表の機会が劇的に増えるも、1947年1月、肺結核のため東京にて死去。その直前に評論「可能性の文学」を発表し、作風の転換を図っていた矢先のことだった。太宰治、坂口安吾らと共に「新戯作派」「無頼派」と呼ばれ「オダサク」の愛称で親しまれた。

「2019年 『織田作之助 女性小説セレクション 怖るべき女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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