<新人賞を射止めるためには>
・新人賞を獲るためには選者を感心さえさせればよい。
・選者を感心させるためには、選者の知らないことを書く。
・いくら面白い物語を書いても、選者に既視感があったら落とされる。人気作家が選考委員の場合、その小説家と同ジャンルの作品を書くと評価は厳しくなる。その小説家の知らないジャンルの作品を書くと、評価は甘くなる。
・既存のアイデアを組み合わせる場合は、組み合わせに徹底的にこだわるべし。
・選者と読者は違う。選者は大量に小説を読んでいる。年配の男性が圧倒的に多い。よくある展開の作品はすぐ落とす。
・新人賞のビッグタイトルは、作者の深淵な思想を求めている。
<ライトノベル・ファンタジーの傾向と対策>
・イマジネーションが物語に占める比率とオリジナリティーは逆比例する。実在の歴史を取り入れると、オリジナリティーが増す。
<SF>
・一般読者は大多数が自分を平凡と思っている。平凡な主人公の成功物語に共感する。選者は絶対に自分を平凡と思っていない。有能だから自分の現在の地位があると思い込んでいる。平凡な主人公の成功物語には「何これ? バカじゃないの」という感想を持つ。
・初心者は最初から強くてエキセントリックな人物を主人公にすべし。
・話のスケールを大きくする。現代と違う文明にする。
<歴史小説>
・歴史小説は歴史を描くのではない。その時代に生きた人間を描く。どんな人間が、どんな思いでその時代を生き、見つめ、作っていったか。
<ミステリー、ホラー>
・専門用語は意味がわからなくても緊張感を高めてくれるからどんどん放り込め。薀蓄はあればあるほどよい。
・新人賞を獲ってから出版まで全面改稿なんてよくある。だから、文章力を上げるより、ひたすら前例のない面白さ、深淵な思想、登場人物のキャラクターを高めていく。
・独自の感性やアイデアがない人は、専門分野の薀蓄、既存アイデアの組み合わせのうまさで、独自の感性やアイデアがあると勘違いさせて、受賞に至っている。