- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784844137160
作品紹介・あらすじ
ときに情熱的に、ときに感傷的に、ときに個性的に、ときに狂気的に、ときに浪漫的に。100人の作家による100通りの愛の表現をご紹介します。
感想・レビュー・書評
-
「”I Love You” あなたなら、どのように訳しますか?」
100人の作家による100通りの愛の言葉を、「情熱的に」、「感情的に」、「個性的に」、「狂気的に」、「浪漫的に」の五つのカテゴリーに分けて紹介した作品。
芥川龍之介、太宰治、谷崎潤一郎といった文豪の言葉があるかと思えば、金原ひとみ、島本理生、最果タヒといった若い現代作家たちの言葉があり。
たった五つに分類された、たった100フレーズの短い言葉なのに、愛には、美しいだけでない、荒れ狂う気持ち、嫉妬、諦めなど、様々な形があることを思い知らせてくれる。
個人的に好きだったのは、石川啄木の歌。
君に似し姿を街に見る時の
心踊りを
あわれと思え
短い言葉から醸し出される、恋の吸引力、懐かしさ、そしてなによりも、寂しさが胸を打ちます。 -
文豪の引用は素晴らしいです。
前後の文章もなく、どういった状況で書かれた言葉かもわからないのに、たった一行やたった数行でこちらの心臓を鷲掴みにしてくれるものがいくつもありました。
人の感性は違うので、どれがどのような作用をするかは千差万別かと思いますが、それでもいくつかの言葉は珠玉として心に残るのではと思います。
ではなぜ星が1つか。
ひとえに、作者?著者?の厚顔無恥も甚だしい、コメントともエッセイともいえぬ駄文の羅列があまりにもひどかったので。
通常であれば、自分の感性に合わなければ、それは決して作者の責任ではないと思って、ただ残念に思うだけですが、今回は久しぶりに文章を読みたくなくなる程度には不快感を覚えました。
冒頭で、文豪たちの言葉を味わってほしいから、あえて引用元の内容には触れていないとあり、なるほどそれは一理あるなと納得したのですが、ではなぜ、その文豪たちの言葉にひたる時間も与えられぬままに、作者が「直感で」書いたらしい文章を毎ページ読ませられなければならないのでしょうか。
この本を手に取る大多数の人間は、文豪の言葉の使い方に興味があるはずで、作者のコメントとやらを目的に読むのではないかと思います。恥ずかしながら、私は作者のことを存じ上げなかったのですが、もし作者自身に固定のファンがついているのであれば、わざわざ文豪の言葉を前面に押し出さずとも、「文豪の言葉を読んで作者が思ったこと」といった内容がわかるタイトルで本を出版されればよかったのでは。
久方ぶりにここまで怒り狂っているのでレビューが長くなりますが、大昔にリリーフランキー氏のエッセイで読んだ「女の子っていうのは、ロマンチストな男が好きだよね。バーとかでさ、俺は世界平和に貢献したいんだとか、恵まれない子供たちにチャンスを与えたいんだよねとかいう男に、女の子たちってすぐにときめいちゃうでしょ?でも、考えてみてよ。その男がさ、本当に世界平和に貢献したくて、本気で発展途上国の子供たちの状況に危機感を抱いているんなら、そいつはなんで都会のバーでへらへら酒なんか飲んでんだって話じゃない?」というような内容を思い出します。
あえてきつい言葉で書くと、他人の褌で勝負しているんだなこのひとはという思いが大変強かったです。コメントを書いている自分に陶酔しきっているだけで、読者なんて存在はどこにもいない。読み手を意識した文章ではなく、あくまでも耳触りが良い(とご本人は感じていらっしゃるであろう)言葉をそれっぽく羅列しただけかと。
あとがきで、日本語ではたった一文の英語(I love you)を何通りにも訳すことができるから、日本語は世界で最もロマンチックな言語である、とありましたが、日本語が最も優れているというような書き方をする意図が理解できません。本の中には、シェイクスピアやゲーテ、ナボコフやコクトーといった非日本人の引用も載っているにも関わらず、しかもそれらは全て、訳者のものではなくオリジナルの文豪のものだとあるにも関わらず、なにをもってして非日本語を扱う文豪たちは常に「I love you」とした書かなかったというような扱いになっているのでしょうか。はなはだ謎です。
日本語はロマンチックかもしれませんが、ドイツ語も英語もフランス語も中国語もロマンチックでしょう。優劣を決める意味がわかりません。
と、散々、悪いレビューを書きましたが、引用されている言葉は美しいものが多く見られて、何度もドッグイヤーをつけました。すでに知っている文豪から、名前だけは知っているけれど作品は読んだことがない文豪までいて、新しい作家を知るきっかけになるかと思います。
再三再四になりますが、作者のコメントがなければ、文句なしの星5つの本になるかと思います。 -
日本語の奥ゆかしさに触れることが出来る。
ロマンチックだったり狂気的だったり。 -
100人の作家の100通りの愛の表現を集めた本。所謂「文豪」と呼ばれるレジェンドの名言から、現在活躍中の若い作家さんの作品まで、幅広く紹介されています。
小説なり書簡なりの中からポンと抜き出されたたった数行の言葉なのに、「わかる!」って何度も何度も頷いてしまったり、心臓を鷲掴みにされたような衝撃を受けたり、自分が言われた訳でもないのに思わずにやけてしまったり……。
激しく情熱的な言葉もあれば、狂気すら感じる鋭い言葉もある。冷たくいじけた言葉もある、ふわふわと夢見ているような言葉もある。だけどこれ全部言わんとしていることは「愛」なんだなあ。
様々な名作を一口ずつ味見させてもらっているような気持ちで読みました。
ただ、各名文に添えられた著者のポエムがちょっと……。
「編集者・ライター・ロマンチスト」である著者が「直感」で書いたコメントだそうですが、名文そのものを素直に味わいたい人にとっては蛇足かと。
100通りの愛の言葉を楽しむ、という趣旨にしては、著者が全面に出過ぎている感じ。
著者の「同じ文章を読んでも、ちがう受け取り方をする人はいるはずです。」(あとがきより)という考えには全面的に賛成なんですけど、私にとっては解釈違いを超えて殆ど別の話題のように感じたものも結構あったんですよね(こればっかりは相性が合わなかったと思って諦めるしかないんですけど)。
本文のフォントはすごく好き。 -
文豪たちの素敵な言葉が綴られている本。
I love youを夏目漱石以外なら、
どんな訳し方をするのかといったロマンティックな本です。
小説はあまり読まないですが、これは面白かったです。
ただ、内容がちょっとあまりに薄すぎるかな? -
愛という言葉を使わずに、愛を表現しなさい。
というのが小説の基本だと読んだことがある。
どの言葉も言われてないのに、愛なんだなぁ、と胸に落ちる。 -
100人の作家による「I Love You」の表現を作品の中から引用。
夏目漱石がI Love Youを「我君ヲ愛ス」と訳した生徒に、日本人はそんなことを言わない、「月が綺麗ですね」と訳しておけと言ったという有名な逸話、大好きなんですよね~。
作品をまるごと読んでいればまた違った風に感じるんでしょうが、ピンとこないものもあったけど、台詞1つで物語まで浮かぶようなものを書くってのはすごいな。石川啄木のとハンス・クリスチャン・アンデルセンのが好きです
現代有名作家のI love youを表現したアンソロジーとか出してほしいな~ -
教授から後ろから訳さないと言われた。
私、愛す、あなた。
英語は訳さなくて良くて、いちいち日本語に変換しない。
それぞれの言葉がある。
単純に言葉が好きな人にはお薦め。
最近は徐々に「ずっと一緒にいて」とかになってきてます。問題は、自分がそう思...
最近は徐々に「ずっと一緒にいて」とかになってきてます。問題は、自分がそう思える相手がいないこと。
naoさんが今までに本気でやばい奴に出会わなくてよかったです。
「ずっと一緒にいて」かあ。
自分がそう思えて、相手もそう思っ...
naoさんが今までに本気でやばい奴に出会わなくてよかったです。
「ずっと一緒にいて」かあ。
自分がそう思えて、相手もそう思ってくれるって奇跡的なことだと思います。
でも、そう思える相手も、もしかしたらひょんなタイミングで現れるかもしれませんね。
確かに、本当に危険な奴には近寄らない、っていうセンサーはありましたね。
問題は、身近にいるやばい奴に呑まれがちなこと…...
確かに、本当に危険な奴には近寄らない、っていうセンサーはありましたね。
問題は、身近にいるやばい奴に呑まれがちなこと…笑
でもそのやばさが魅力的だったりするから不思議です。
5552さんは素敵なことを言ってくれますね!
いつもそれを待ち切れずに殺して系男子に惚れかけますが、そんなことを言ってくれる人がいるなら、ひょん、を待ってみるのも悪くないです。